平成が終わって令和に突入し、美容師の働き方はどんどん変化してきています。
昔に比べてサロン数が増え、美容師の数が減少傾向にあるため、サロン側が働き手優先の店づくりや職場環境、他社よりも優遇された労働条件などを用意するようになりました。
サロンでの職場環境や労働環境が大きく見直されてきており、働き手側の美容師にとって働きやすい環境が整って、選べるサロンの数が増えつつあることが、昨今の業界全体の動向です。
また、近年フリーランス美容師や業務委託サロンが増加し、都心にはシェアサロンができるなど新しい働き方も登場していますよね。
世の中の一般企業と同じように、美容業界でも働き方改革や多様化の流れが進んできているのです。
本記事では、美容師免許を活かせる職業や美容室以外での働き方、業務形態の多様性などについて解説します。
活躍の幅が広がる美容師以外の+αの職業
一般的な美容師の仕事は、カットやカラー、パーマ、シャンプーやトリートメント、ヘアセットなどです。
しかし、それ以外に活躍を広げられる職業は他にもあります。
- カラーリスト
- アイリスト
- ネイリスト
- エステティシャン
- スパニスト
- メイクアップアーティスト
- 着付師
- 訪問美容師 など
以下、それぞれ紹介します。
カラーリスト
カラーリストとは、ヘアカラーに特化・専門としているカラーのスペシャリストです。
カウンセリングや提案、調合、塗布などヘアカラーに関する一連の施術を行います。
提供するメニューは、外国人カラーやグラデーションカラー、ハイライトカラーなどのおしゃれ染めから、白髪染めなど幅広いです。
施術するには美容師免許が必要ですが、美容室だけでなく、現在注目度が高まってきているカラー専門店で働くことができます。
『ヘアカラリスト検定』や『パーソナルカラリスト検定』などの民間資格を取得していると優遇される場合があります。
カラー専門店で働く場合はカットの技術は不要であるため、ブランクのある美容師やカラーが得意なアシスタント美容師でも簡単に働くことが可能です。
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アイリスト
アイリストは、まつ毛エクステやまつ毛パーマを専門に行います。
アイスタイリストやアイデザイナーと呼ばれる場合もあるようです。
アイラッシュサロンまたは美容室併設サロンで働きます。
美容師免許を所持していれば、アイリストとして目元を美しくする施術を行うことができます。
アイリストに関する民間資格としては、『アイリスト技能検定試験』や『アイデザイナー技能検定試験』などがあるため、アイリストを目指す方は調べてみてください。
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ネイリスト
ネイリストとは、爪に対してケアやカラー・装飾を施し、手元を美しくする職業です。
ネイルサロンや美容室併設サロン、エステティックサロン、結婚式場などで働きます。
ネイリストになるための必須資格は特にありませんが、民間資格の取得者やアイリスト・エステティシャンなどその他のスキルがある方は優遇される傾向にあります。
ネイリストの民間資格には、『JNAジェルネイル技能検定』や『JNECネイリスト技能検定』などが挙げられます。
エステティシャン
エステティシャンとは、顔や体のトリートメントやリラクゼーション、ケアなどエステティック業を行う仕事です。
カウンセリングをもとに、お客様に合わせたフェイシャルケアやボディケア、痩身や脱毛などを行います。
エステティシャンの必須資格は特にありませんが、美容師免許を保持していると就職・転職活動で有利となります。
美容学校でエステティックの基本や衛生管理、皮膚科学などを学ぶからです。
また、民間資格の取得やエステティックスクールの卒業も強みとなるでしょう。
スパニスト
スパニストとは、主にヘッドスパを中心にお客様の頭皮のケアなどを行う仕事です。
ヘッドスパニストやヘッドスパセラピストと呼ばれることもあります。
美容室に加え、トータルリラクゼーションサロンやヘッドスパ専門店などで働くことができます。
スパニストになるための必須資格はありませんが、美容室のスパニスト募集においては美容師免許が必須となっているところが多いです。
また、民間資格の『ヘッドスパ検定』や『ヘッドスパ資格講座』、『認定ヘッドマイスター』の取得を目指してみてもいいでしょう。
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メイクアップアーティスト
メイクアップアーティストとは、お客様にメイクやヘアアレンジを施す仕事です。
結婚式や成人式などの特別な日のヘアメイクや、テレビ・雑誌などの撮影現場でモデルやタレントに施すヘアメイクなどがあります。
ヘアメイクアップアーティストの必須資格は特にありませんが、メイクの専門学校を卒業し、関連企業や美容室、結婚式場などで働くのが一般的です。
また、髪に施す施術の範囲によっては美容師免許が必要となってきます。
さらに、高齢者の方や病気の患者さんにメイクをすることで心をケアをする『メイクセラピー』という分野も注目されています。
着付師
着付師とは、着物などの和装やドレスなどの衣装を正しく綺麗に着付ける仕事です。
着付けのテクニックや着物に関する知識を活かして、呉服屋や写真館、結婚式場などで働きます。
また、成人式や卒業式の時期になると、ヘアセット+着付けの依頼が美容室に寄せられる場合は多いため、美容室で働く着付師の方もいます。
着付師の必須資格はありませんが、国家資格『着付け技能士』を保持していると優遇されるでしょう。
訪問美容師
高齢化に伴い、お年寄りや妊婦さん、障がいを持っている方など介護を必要とする方へヘアカットなどを行う福祉美容師・介護美容師という職業が注目されています。
美容師免許に加えて、日本理美容福祉協会の『福祉理美容士』などの関連資格を持っていると役立つでしょう。
美容室以外での美容師の働き方
美容師は、大手チェーン店や個人経営のサロンなどの美容室に勤務するのが一般的です。
しかし近年は、カット専門店やカラー専門店、ヘアセット専門店やトータルビューティーサロンなど幅広いジャンルのサロンが増えてきています。
希望する働き方や得意の分野によって、就職先を選ぶことができる時代なのです。
ここでは、美容師としてアシスタントのレベルなのか、スタイリストのレベルなのか、美容師のフェーズに分けて働き方を紹介します。
アシスタント美容師の場合
アシスタントの方には基本的に、一人のお客様を最初から最後まで担当できるまで美容師の技術を身につけ、スタイリストを目指すことをオススメします。
しかし、昨今は美容室以外にも『カラー専門店でカラーリストとして働く』『アイラッシュサロンでアイリストとして働く』など多様な働き方の選択肢が登場しています。
カラー専門店でカラーリストとして働く
カラー専門店とは、カットを行わず、ヘアカラーに特化したサロンのことです。
全体染めや部分染め、根元染めなど、髪のカラーリングを専門に提供します。
商業施設に併設されており、買い物にきた主婦層をターゲットにした白髪染めがメインとなっているカラー専門店が多いです。
美容室で求められるようなカラーは必要なく、美容師免許を持っており、ある程度カラーの塗布を経験したことがある方ならカラーリストとして働くことができます。
なお、商業施設に入店しているカラー専門店のメリットとしては、
- 駅からの利便性がよい
- 営業時間が厳格に定められている
- 福利厚生面の安定した大手企業が経営していることが多い
などが挙げられます。
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アイラッシュサロンでアイリストとして働く
まつ毛エクステやまつ毛パーマなど、目元への施術を専門とするアイラッシュサロンで働く選択肢もあります。
美容室での経験に左右されないため、美容師免許をもったアシスタントの方が次の転職先としてアイラッシュサロンを選ぶことが増えているようです。
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スタイリスト美容師の場合
スタイリストとして、一人のお客様を最初から最後まで施術できる技術を持っていれば、キャリアの選択肢は広がります。
例えば「独立」と一言で言っても、昔は「自分のお店をオープンする」という選択肢が主だったのに対し、現在は「業務委託サロンでフリーランスとして働く」「シェアサロンで自分のお客様を集客する」などの選択もできる時代になりました。
スタイリストは美容室だけでなく、トータルビューティサロンやカット専門店、ウィッグサロンや介護施設・病院などで働く選択肢があります。
トータルビューティーサロンで働く
トータルビューティサロンとは、ヘアカットやカラー、パーマ、ヘアセットだけでなく、メイクやネイル、エステやまつ毛エクステ、着付けなど幅広いサービスを提供する総合美容サロンです。
美容師として、またメイクアップアーティストやネイリスト、エステティシャンやアイリスト、着付師として働くことができます。
形態はサロンによってさまざまで、チェーン店や大型美容室、プライベートサロンなどがあります。
美容サービスを総合的に提供してお客様の美のサポートをしたい方や、美容師業務以外に得意な分野がある方、さまざまな施術を経験したい方にオススメです。
カット専門店で働く
カット専門店とは、ヘアカットのみのサービスを提供するサロンです。
「前髪だけを切りたい」「とにかく費用を安く抑えたい」「忙しいので素早く施術してほしい」などのニーズに応えられる店舗で、全国規模で展開しているカット専門のチェーン店や駅の構内に展開しているカット専門店も多くあります。
カット技術を極めたい方や安定したところで働きたい方におすすめです。
カット専門店の場合、通常のサロンと比較して給与や休日の面で高待遇で福利厚生が整っており、安定しているというメリットがあります。
ウィッグサロンで働く
ウィッグサロンとは、カツラやウィッグを扱うサロンです。
ただ単純にカツラをつけるのではなく、地肌や地毛といかに馴染ませるかが大切になってきます。
仕上がりがスタイリストの力に左右されるため、丁寧な仕事が得意な方や、お客様のお悩みに寄り添える方にオススメです。
福祉美容師・訪問美容師として介護施設や病院などで働く
先述のとおり、福祉美容師・介護美容師という職業が注目されています。
介護施設や病院、お客様の自宅などへ訪問し、カットやカラー、パーマを行う訪問美容という働き方です。
近年介護人口が増加していることも背景にあり、ニーズは高まっていますが、まだまだ美容師の数は少数であるため、需要のあるジャンルと言えるでしょう。
ライフスタイルに合わせた美容師の多様な業務形態
正社員美容師として働く以外にも、プライベートやライフスタイル、希望の働き方に合わせてフリーランスやパート、派遣美容師として働く選択肢もあります。
フリーランス美容師として働く
スタイリストで特に「収入を上げたい」「自由な時間に働きたい」と考えている人は、フリーランスを選ぶ方が多いです。
フリーランスにも様々な働き方がありますが、最近では、業務委託サロンに務めることが主流になっています。
また、サロンスペースの一部を借りて集客など全て自分で行う面貸し美容師という働き方もあります。
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パートタイムで働く
結婚や出産、子育てなどで一度現場を離れた美容師が、パートタイムで働くことも増えてきています。
ママ美容師や子育て美容師の受け入れに積極的なサロンもあり、パート採用に力を入れているサロンも登場してきています。
ある程度経験を積んでいることが条件にはなりますが、一度現場を離れた人でも復帰しやすい環境が整いつつあるということです。
派遣美容師として働く
特定のサロンに就職するのではなく、働きたい時間・曜日や経験などに応じたサロンを派遣会社に紹介してもらって働くのが派遣美容師です。
フリーランスの美容師と比較すると、派遣元の会社が間に入って労務管理や確定申告などを行ってくれる点が派遣美容師のメリットと言えるでしょう。
短期契約が可能である一方、一般の派遣と同じように契約期間終了の可能性がある点には注意が必要です。
また、契約で時給が決められているため、人気度や指名数で給与が上がることはありません。
まとめ
これから働き方の多様化が本格的に進むと予測されています。
美容業界でも、これまでとは全く違った新しいスタイルで働く人々が登場することでしょう。
いかに働きやすくなり、選択肢が広がっているとは言っても、経験や能力がない限り、美容師もそれ以外の仕事も務まりません。
スキルを磨きつつ、SNSやブログをうまく活用し、勉強を続けながら自己ブランドを高めてキャリアアップを目指すことをおすすめします。
美容師としてどのようなキャリアを歩むべきか考えている方は、今回の記事を参考にしてくださいね。
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