近年増加する「カット専門店」や「カラー専門店」|就職時に参考にしたい情報まとめ

コンビニの数よりも多いといわれている美容室ですが、近年ではカットやカラーのみを専門的に提供する店舗が増加傾向にあります。
働き先の一つの選択肢にカット専門店やカラー専門店を考えたときに、通常のサロンと比べてどのような違いがあるのか、気になる方も多いのでは無いでしょうか。

そこで今回は、「カット専門店」と「カラー専門店」のそれぞれの特徴や働き方についてご紹介します。
美容師として新しい挑戦をしようと考えている方や、ブランク期間からの復帰を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

カットやカラーの専門店が増えている

厚生労働省が令和元年10月31日に発表した「平成30年度衛生行政報告例」によると、美容所(美容室)は前年度より3562店増加の25万1140店(前年度比1.4%)となり、過去最高記録を更新しました。
それに伴い、美容師数も1万271人増の53万3814人(前年度比2.0%増)と、美容師の増加数も過去最多を記録しました。

また、最近では、お客様のさまざまなニーズに応えるべく、「カット専門店」「ヘアカラー専門店」など、総合的なサロンではなく専門的な施術のみを行うサロンを目にすることも多くなりました。
有名な大手カット専門チェーン店「QBハウス」を運営する、キュービーネットホールディングス株式会社が発表したデータによると、2009年時点での店舗数395から、10年後の2019年には567店舗にまで増加しています。

参考サイト

平成30年度衛生行政報告例の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/18/

美容室の店舗数が初の25万軒超え!従業美容師数は1万人増の53万3814人 | ビュートピア
https://www.beautopia.jp/14344

実績・沿革 | キュービーネットホールディングス株式会社
http://www.qbnet.jp/history/

 

カット専門店とは?

カット専門店とは、その名の通り「カット」のみのサービスを提供する理美容室です。
「前髪だけを切りたい」「とにかく費用を安く抑えたい」などのニーズに応えられる店舗であり、全国規模で展開しているカット専門のチェーン店も多くあります。

一見すると、多忙なサラリーマンや、とにかく髪だけを切りたい子供層ターゲットとした事業展開と思われますが、実際には「手軽に前髪だけを整えたい」という女性も多く利用しています。
多くのカット専門店はチェーン店での経営ががほとんどであり、個人経営のサロンなどに比べると労働時間の管理や福利厚生が整っているケースが多いです。

・特徴

カット専門店では「カット」のみの提供であるため、通常のサロンに比べてお客様一人あたりのカット時間(施術時間)が短いことが特徴です。
サロンであれば、平均して45分から1時間くらいかけてカットを行いますが、カット専門店では一人あたり10分~20分程度のカット時間が平均的です。
シャンプー台を設置していない店舗は多く施術後のマッサージなども実施しないため、カット専門店で働くには、短時間でいかに多くのお客様の施術を行えるかが重要です。

・就職するために必要な資格

カット専門店も通常のサロンと同様に、「美容師免許」、もしくは「理容師免許」が必要です。

 

カラー専門店とは?

カラー専門店とは、「カラー」のみを専門に扱うサロンです。
「カラーは染めたいけれど、まだカットはしたくない」というお客様に対して、部分染めや根元染め、全体染めなど、幅広いニーズに応えるカラーリングを専門に提供します。

・特徴

カラー専門店の多くは商業施設に併設し、買い物ついでの主婦層をターゲットにした「白髪染め」「部分染め」が業務のメインです。
カラー料金もサロンと比較してもリーズナブルであり、施術時間も大幅に削減できるため、日々多くのお客様が利用しています。

カットなどのメニューは提供しないため、アシスタントレベルの経験がある美容師であれば難なく働くことができます。
また、商業施設に入店していることからも、「駅からの利便性がよい(通勤のしやすさ)」「福利厚生面の安定した大手チェーン店が経営している」などの特徴があり、美容師としての働きやすさも1つのメリットです。

・就職するために必要な資格

カラー専門店に就職するためには、「美容師免許」が必要です。他にも、スキルアップとして「ヘアカラリスト検定」「パーソナルカラリスト検定」などの民間資格を所得することで、よりお客様の要望に応えることができます。

 

待遇面での特徴

個人で経営しているサロンと待遇面での違いをあげるとするなら、運営会社が比較的大手企業であることが多い点かと思います。
例えば、ショッピングモールなどに出店する場合、出店企業側にも審査があり、企業の規模や実績、社会保証、福利厚生面など労働基準法等に定められた最低限の基準を満たしているかどうか、チェックされることもあります。

また、出店している商業施設自体の営業時間などもあり、残業や早朝出勤は少ない傾向です。
立地も駅近や駐車場が整備されている店舗がほとんどなので、福利厚生面の待遇は充実している傾向にあります。

技術もマニュアル化されていることが多く、ブランクがあったり、経験が浅くても問題なく受け入れてくれる会社も多いです。

 

1日の業務の流れ

次は、カット専門店とカラー専門店のそれぞれの働き方についてご紹介します。基本的にはどちらも、サロン同様に「シフト制」での勤務形態を採用している店舗が多く、1日の中の決められた時間内で勤務する働き方になります。

なお、通常のサロンにあるような「勤務後に練習したり、勉強会に参加する」などは少なく、帰宅時間が夜遅くになることが少ないことが特徴です。

カット専門店の場合

カット専門店は、多くの店舗ではお昼前(10時~11時ごろ)からオープンします。勤務時間もそれに合わせて出勤します。
サロンと違い、シャンプーやカラーを行わないため、基本的には薬剤などの準備も必要ありません。出勤前には、店舗内の掃除を行うことが多いです。

勤務時間中は、お客様の受付後、順番にカットしていきます。スタッフへの指名サービスは多くのチェーン店では実施していないため、お客様の来店順に空いているスタッフがカットします。カット後は、お客様のお会計を済ませ、イスなどを掃除して終了です。
サロンのように、お客様個々人に用意するカルテの記入や、お礼のメッセージ送信(DM送信)などの業務もありません。

営業時間終了は、簡単な締め掃除や会計計上を行い、業務終了となります。

カラー専門店の場合

カラー専門店もカット専門店同様に、多くの店舗ではお昼前(10時~11時ごろ)からオープンします。勤務時間もそれに合わせて出勤します。

カラー専門店は通常のサロンとは異なり、券売機を採用している店舗が多くあります。そのため、「お客様の予定していた費用をオーバーしてしまった」などのトラブルもなく、お客様自身で希望のメニューを選択してもらいます。
お客様の希望するメニューを確認後、カラーの選択やカウンセリングを通じてカラーリングをします。
カラー後は、シャンプーも行います。

オートシャンプーを導入している店の割合も増えて来ており、サロンワークのシャンプーで腰を痛めたという人にもオススメできます。カット専門店に比べるとカラー薬剤の準備などの業務がありますが、サロン勤務よりも比較的スタッフの業務負担も少なく働くことができます。

 

まとめ

今回は、近年増加中のサロン形態である「カット専門店」と「カラー専門店」の特徴についてそれぞれご紹介しました。
美容師の働く環境は年々多様化しつつあり、今ではサロン毎に美容師資格を生かした特徴的な働き方をすることが可能です。

「美容師としてのブランクがあって不安」「長時間勤務はちょっと大変」という方は、ぜひ今回ご紹介したカット専門店やカラー専門店での就職を検討してみてはいかがでしょうか。

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