美容師のアシスタントは何する?業務内容や給料、スタイリストになる方法などを解説

美容学生は専門学校を卒業したあと、美容師のアシスタントとして社会人としての第一歩を踏み出します。
お客様に提供する美容サービスを最初から最後まで担当できるスタイリストとしてデビューするまでの間、施術のサポートや雑務などをこなしながら美容師としての経験とスキルを積んでいきます。

アシスタントの業務は多岐に渡ります。
大変なことも多く、スタイリストに至るまでには数年間の努力が必要です。

本記事では、美容師のアシスタントの概要や仕事内容、大変な理由やスタイリストになるためのポイントなどを解説します。
将来美容師になりたいと考えている方やスタイリストを目指している方は、ぜひ最後までご覧ください。

美容師のアシスタントとは、スタイリストの施術やサロン運営の補助業務を行う職種です。

美容専門学校を卒業して国家試験に合格し、美容師免許を取得するとサロンに就職しますが、就職後すぐにお客様に施術を提供できるわけではありません。
実務経験がなく技術的に未熟な部分が多いため、カット・カラー・パーマといったサロンメニューを最初から最後まで一人で担当できないからです。
アシスタントという下積み期間を経て、一人前の美容師(スタイリスト)にふさわしいスキルを磨く必要があります。

サロンの営業中はスタイリストの施術や接客を見て学び、営業前・営業後はマネキンや同僚相手に練習を行うことで、実践的なテクニックを身につけていきます。

 

資格なしでもアシスタントになれる?

アシスタントの求人は美容師免許必須となっているケースが多いです。

カットやカラー、シャンプーといったお客様の髪に触れる施術に関わる場合は、美容師免許が必要になります。
一方で掃除・洗濯や道具の準備、受付や接客、在庫管理などの業務は美容師免許がなくても行えます。

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スタイリストになるまでに何年かかる?

サロンに就職後、アシスタントからスタイリストに昇格するまでに要する期間は2年〜3年ほどが目安です。

ただし、早ければ1年未満でデビュー、遅い人だと5年以上かかるなど、個人の成長やサロンの状況によってさまざま。
スタイリストとして十分な実力が身についていても、サロンのアシスタントが不足しているために昇格待ちが発生するケースもあります。

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美容師のアシスタントの仕事内容

アシスタントはスタイリストのようにお客様ひとりひとりの担当になることはありませんが、幅広い業務を担当します。
スタイリストのヘルプ、お客様の対応、その他の雑務など多種多様です。

裏方としてスタイリストをサポートしながら、一人前の美容師を目指して成長していきましょう。

 

先輩スタイリストの施術のサポート

アシスタントの仕事でメインになるのは、先輩スタイリストの補助業務です。
カラーやパーマに使う薬剤を作ったり、カラーブラシやロットといった道具を準備したりと、スタイリストの指示を受けて動きます。

シャンプー試験に合格すると、初めてのお客様へのサービス提供としてシャンプーやトリートメントも任されるように。
また、慣れてくるとブローやスタイリングのサポート、カラー剤の塗布、マッサージ・ヘッドスパなども行います。

これらは、多忙なスタイリストがスムーズに施術を提供できる環境を整えるための大切な業務です。
受け身の姿勢で言われたことだけをこなすのではなく、サロン全体の状況を観察し、スタイリストやお客様の求めていることを察して臨機応変に行動しなければなりません。
例えば、道具を手渡す際には出す位置や向き、タイミングを工夫するなど、細やかな気配りを心がけましょう。

 

サロン運営のサポート・雑務

サロンの環境を整える諸業務もアシスタントの仕事です。

営業前には床やトイレなどを清掃し、お客様の目に触れる鏡を磨いたり、ホットタオルを準備したり、各種薬剤や備品の在庫チェックおよび補充を行います。
営業時間中は床に落ちた髪の毛の掃除、タオルやクロスの片付け、必要に応じて買い出しなどが発生します。
閉店後もタオルやクロスの洗濯、サロン全体の掃除、次の営業に向けての準備などを行います。

これらの仕事はお客様に気持ちよく過ごしてもらい、サロンの運営を成立させるうえで不可欠です。
美容師としてのスキルや経験に繋がらないと感じるかもしれませんが、雑務を通じてサロン全体の仕事内容や一連の流れを理解できるようになります。
美容師としてできるおもてなしの一環として丁寧に仕事し、モチベーションの維持に努めましょう。

 

受付・接客業務

アシスタントはお客様のお出迎えや会計・お見送り、荷物の預かりや座席への案内、問い合わせや予約への対応といった接客業務も担います。
レセプション専門のスタッフが在籍しているサロンも存在しますが、アシスタントが対応するサロンが多いです。

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お客様の満足度は技術だけでなく、接客によっても大きく左右されます。
お客様のニーズを汲み取り、気持ちよく過ごしていただけるように、トークや気遣いのスキルを磨いておく必要があるでしょう。
笑顔や挨拶、ハキハキとした話し方を心がけ、「サロンの顔」としての自負を持ってお客様と接することが大切です。

 

「アシスタントは辛い」と言われる理由

美容師としての下積み期間は大切な時期ですが、多くの苦労が待ち構えています。
アシスタント時代が辛く、スタイリストになるまでに辞めてしまう人がいるのも事実。

その理由は以下のとおりです。

 

労働時間が長い

「朝は早くて夜が遅い」とされている美容師という職業。
特にアシスタントは、営業時間の前後に営業に向けた準備・清掃や技術の練習を行うため、拘束時間が長くなりがちです。

サロンにもよりますが、アシスタントはスタイリストより早く出勤し、営業後も雑務や練習で一番最後に退勤するところもあります。
また、お客様の多い忙しい日はなかなか休憩をとれないケースも。

長時間の労働で生活リズムが乱れてしまい、なかなか疲れがとれないアシスタントは少なくありません。

 

休みが少ない

労働時間が長いだけでなく、他の職業と比較して休日が少ないところもハードワークと言われる所以です。
一般的な企業は土日祝日が休みとなっており、月に8日〜10日程度が休日です。
一方で美容師は、月曜日または火曜日を定休日としているサロンが多いので、月に4日〜6日ほどの休みしかありません。

お客様の多い土日祝日に営業しているサロンが多いので平日が休みとなりますが、美容師でない友達や家族とは予定を合わせづらいでしょう。
加えてアシスタントは、休日に講習会・勉強会や自主練習などの予定が入るケースが多く、プライベートの時間が少なくなります。

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体にかかる負担が大きい

美容師は立ち仕事で足腰にかかる負担が大きく、慢性的な腰痛に悩まされている人も多いです。
体力的な面で美容師という仕事を挫折するケースもあります。

また、1日に何度もシャンプーをしたり、カラーやパーマの薬剤が手についたりするため、手が荒れやすいです。
特にアシスタントはシャンプーを行う機会が多いので、手袋を使う、洗い物は冷水で行う、保湿するといったハンドケアを一層心がけましょう。

 

やりがいを感じにくい

アシスタントはお客様への施術を最初から最後まで担当することができません。
先輩スタイリストがメインで施術を行い、そのサポートとして業務を行います。

お客様とじっくり関わる時間が短く、スタイリングの提案や感謝の言葉をもらう機会も少ないです。
ひとりひとりのお客様と会話を楽しみながら信頼関係を築いていくことが難しいので、やりがいに繋がりにくく、モチベーションがなかなか上がらないかもしれません。

しかし、先述のとおりサロン全体の接客業務はアシスタント時代から任されます。
スタイリストデビューへの目標を見据えつつ、まずは任された範囲内でお客様の満足度を高められるように意欲的に取り組んでみてください。

 

給料が低い

アシスタントの平均的な給料は年収170万円〜220万円、月給は14万円〜18万円ほど。
お客様の担当にならないので集客力がなく、技術の提供を行わないため、スタイリストと比べて給料が少ないです。

最近は美容業界全体の賃金が上がりつつあるため、アシスタントの給料も増加傾向にありますが、サロンによっては手取り10万円程度になるところも。
少ない収入の中から練習用の材料費や、講習会への参加費などを捻出しなければならないケースもあります。

下積み期間であることは分かりつつも、拘束時間の長さに対して得られる給料が少ないと転職・退職を考える人もいるでしょう。
しかし、スタイリストになると基本給に加えて売上に応じて変動する歩合給が支給される場合があり、自分の頑張り次第で給与アップを目指せるようになります。
お客様から人気がある美容師の中には、月収100万円以上を稼ぐ人も。
一人前の美容師になるための自己投資だと捉え、業務や練習に励むことも大切です。

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アシスタントからスタイリストになるには

アシスタントは時間が経てば自動的にスタイリストに昇格するわけではありません。
各サロンの昇級試験を受け、定められた独自の基準を満たしたアシスタントだけが晴れてスタイリストとして働けるようになります。

試験では、お客様に満足してもらえる知識・技術を持っているか?がチェックされます。
できるだけ早く合格できるように、アシスタント業務を通じてシャンプー・カラー・ブロー・カットなどの技術力やコミュニケーションスキルを磨いていきましょう。

 

研修制度・育成制度の充実したサロンを選ぶ

アシスタントからスタイリストデビューまでの期間は、サロンによって異なります。
就職先を探す際は、新人の育成制度や研修制度が整っているサロンを選ぶことをおすすめします。

スタイリストを早期に育成する方針のサロンであれば、努力次第でアシスタント期間を短縮することが可能です。
制度の内容や先輩スタイリストの実績などを調べたり、面接時に質問したりして、詳細を確認してみましょう。

 

まとめ

美容師のアシスタントは「拘束時間が長い」「給料が安い」などネガティブなイメージが抱かれやすいです。
しかし、半人前の美容師から一人前になるために、働きながら先輩スタイリストから美容師の“いろは”を学べる大切な修行期間でもあります。

けっして楽しいだけの期間ではありませんが、アシスタント時代に努力して磨いた技術や経験は将来必ず役に立つものです。
スタイリストになってお客様が喜んでくれる姿を目にしたときには、「努力が報われた」と実感できるはず。
素敵なスタイリストになるためのステップアップとして、体調管理や適度な休息を意識しながら、日々の業務に全力で向き合ってみてくださいね。

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