美容師にボーナスはある?平均支給額・もらえる条件・ボーナスを増やすコツまで徹底解説

「美容師ってボーナスもらえるの?」

「正社員で働いているけど、毎年の賞与が少ない気がする…」

 

そんな疑問や不満を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

一般企業では「年2回の賞与(ボーナス)」「基本給のおよそ1~2ヶ月分の支給額」が当たり前とされていますが、美容業界では必ずしもそうではありません。

同じ美容師でも、勤めるサロンの規模や雇用形態によって、ボーナスの有無や金額は大きく異なります。

 

この記事では、美容師のボーナス事情をデータと現場の声をもとに徹底解説します。

「平均いくらもらえるの?」「もらえない理由は?」「どうすればボーナスを増やせる?」といった疑問を解消し、最後にボーナスがもらえる美容室を見つける方法も紹介します。

 

美容師のボーナスの平均支給額は何円?

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、美容師(を含む理美容業全体/以下同様)の年間賞与額は平均10.98万円。

給与額が平均29.37万円となっているので、およそ0.37ヶ月分のボーナス支給額であることが分かります。

 

職種を問わない全体の平均給与額は33.04万円、併記賞与支給額は95.47万円(約2.9ヶ月分)であることから、他の業種・職種と比較すると、美容師の給与やボーナスは低い傾向にあることがわかります。

 

ただし、これはあくまで平均値。
実際のサロンでは、0円〜50万円以上まで非常に幅があります。

 

ボーナスの支給有無を分ける主な要因は以下の4つです。

 

  • サロンの経営規模
  • 雇用形態(正社員/業務委託/フリーランス)
  • 勤続年数(年齢)・役職
  • 売上・指名数・貢献度

 

とくに個人サロンや歩合制中心のサロンでは「ボーナスを基本給に上乗せしている」「代わりに歩合で調整している」といったケースもあり、“ボーナス”という形式で支給されないこともしばしばあります。

 

美容師の年齢別のボーナス支給額

 

「年代が上がるほどボーナスが増える」というイメージを持つ人もいますが、美容師は年齢による賞与格差が他の業種と比べて小さいのが特徴です。

 

年齢 平均給与額 平均ボーナス支給額
〜19歳 20.12万円 1.65万円
20〜24歳 22.62万円 3.39万円
25〜29歳 29.91万円 9.70万円
30〜34歳 33.58万円 9.27万円
35〜39歳 33.34万円 17.72万円
40〜44歳 37.65万円 15.95万円
45〜49歳 35.69万円 20.52万円
50〜54歳 29.59万円 22.42万円
55〜59歳 36.23万円 25.60万円
60〜64歳 28.90万円 33.04万円
65〜69歳 31.38万円 8.61万円
70歳〜 28.76万円 27.34万円

 

ボーナスが最も少ないのは10代(〜19歳)で、アシスタント期間に該当するケースがほとんどであるため賞与がほぼない状態です。

 

【関連記事】美容師のアシスタントは何する?業務内容や給料、スタイリストになる方法などを解説

 

その後30代までは微増し、40代以降に緩やかに上昇します。
一般企業のように急激な上昇はなく、ボーナス額は全体的に控えめです。

 

ボーナス支給額が最も高くなるのは50代(55~59歳)。

ベテラン層は役職者が多く、売上貢献度も高いため、賞与が増えやすいです。

 

【関連記事】美容師の定年は何歳?「40代定年説」の由来や引退後の働き方についても解説

 

美容師の企業規模別のボーナス支給額

 

企業規模によってもボーナス支給額は大きく異なります。

 

企業規模 平均給与額 平均ボーナス支給額
大手サロン(1,000人以上) 29.92万円 45.07万円
中規模サロン(100〜999人) 34.32万円 8.79万円
小規模サロン(10〜99人) 28.49万円 6.43万円

 

大手サロン(1,000人以上)はボーナス45万円と、一般企業に比べると低いものの、美容師としてはかなり高水準です。

店舗数が多く、サロン経営が安定している企業ほど、ボーナス制度・福利厚生が整っている傾向があります。

 

中規模サロン(100〜999人)と小規模サロン(10〜99人)はどちらも10万円未満で、サロン規模の違いがボーナスに大きく反映されていません。

中小サロンは店舗利益に左右されるため、ボーナスに余力が出にくいのが要因です。

 

ボーナスだけを見れば、1,000人以上の大企業サロンは圧倒的に有利です。

福利厚生、給与、産休育休制度なども整っており、「安定」を求める美容師には適していると言えるでしょう。

 

一方、中規模サロンは平均給与額(月収)が多く、年収(月収×12ヶ月+ボーナス)を計算すると、大手サロンは約404万円、中規模サロンは約420万円、小規模サロンは約348.31万円です。

ボーナス自体は一見すると少なく感じるかもしれませんが、中規模サロンだと「月々の歩合・インセンティブ」で年収を補う給与体系が多く、「努力次第で給与が上がっていくほうがモチベーションにつながる」という方には適しています。

 

美容師がボーナスをもらえる条件

美容師にボーナスが支給される場合、その金額はサロンの業績+個人の評価で決まります。

具体的には、以下のような指標で判断されることが多いです。

 

  • 個人売上(技術売上・商品売上)
  • 指名数
  • リピート率
  • 勤続年数
  • 勤務態度
  • チーム貢献度・店舗成績への寄与
  • 店販比率
  • SNS発信・モデル活動 など

 

多くの美容室では、ボーナスを「全員一律」ではなく、評価制度(ランク・指名数・売上目標など)に応じて差をつける仕組みを導入しています。

 

たとえば、

 

  • スタイリスト:年間売上500万円でボーナス5万円
  • トップスタイリスト:年間売上1000万円でボーナス20万円
  • 店長:店舗売上達成率に応じて+10万円〜

 

といった形です。

 

美容業界は成果主義の傾向が強いため、「売上を上げる=ボーナスも上がる」という明確な関係がある職種といえます。

 

【関連記事】美容室の単価とは?美容師の単価アップのやり方や失客を防ぐポイントなどを解説

 

ボーナスがないサロンも多い?その理由と背景

「ボーナスが支給されない美容室」も珍しくありません。

その背景には、美容業界特有の経営構造と働き方の多様化が関係しています。

 

サロンの利益率が低い

 

美容室の売上構造は非常にシンプルで、主に「売上=施術単価 × 客数」で計算されます。

 

しかし、そこから

 

  • スタッフの基本給(人件費)
  • 社会保険料
  • 店舗家賃
  • 材料費
  • 光熱費

 

などが引かれるため、売上が伸びても利益率が10〜15%ほどに留まることもあります。

そのため、余剰資金をボーナスとして分配する余裕がないサロンも多いのです。

 

単価が上がりにくい業界である

 

美容師は、時代のトレンドに左右されず安定した客数がありますが、技術料(特にカット料金)は長年横ばい。

 

  • カット料金:約4,000〜5,000円
  • カラー料金:約6,000〜10,000円

 

都市部でも単価の伸び率は比較的緩やかで、青天井に売上が上がる業界ではありません。

 

スタッフの入れ替わりが多い(長期勤続しにくい)

 

美容業界は「3年未満の離職率が36.7%」「休眠美容師の割合が58.3%」と、昔ほどではありませんが人材が定着しづらい業界です。

 

退職金や賞与は、本来「長く働く人ほど多くもらえる制度」なので、定着率が低い業界では制度を整えづらく、ボーナスが少ない、または存在しないサロンも珍しくありません。

 

【関連記事】美容師の離職率は何%?3人に1人が3年以内に辞める理由や職場探しのコツを解説

 

歩合給・インセンティブ制で代替している

 

先述のとおり、ボーナスの代わりに、売上に応じて月ごとに歩合が支給される給与体系を取り入れているサロンも少なくありません。

「毎月ボーナスを分割で受け取っている」と考えれば、年間トータルの収入はむしろ安定しているケースもあります。

 

フリーランス・業務委託が増加している

 

美容師の働き方が多様化する中で、近年は“雇われない働き方”が急増中です。

業務委託契約やフリーランスは完全歩合制のため、ボーナスの概念自体が存在しません。

その代わりに、高歩合(50〜70%)で収入をコントロールできるのが魅力です。

 

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経営者の考え方による違い

 

「ボーナスよりも教育や福利厚生に投資する」「毎月安定した給与を重視する」など、オーナーの方針によって支給方針は大きく異なります。

同じ正社員でも、サロンによって待遇差が出やすいのが美容業界の特徴です。

 

美容師のボーナスが高いサロンの特徴

すべての美容室にボーナスがない、あるいは少ないわけではありません。

賞与が高いサロンには、主に次のような共通点があります。

 

多店舗展開しており経営が安定している

 

企業サロン・大手チェーン・フランチャイズなど、100店舗以上の規模をもつサロンは賞与額が高い傾向があります。

広い客層や強いブランド力による安定した経営がボーナスを支えています。

 

社会保険完備で福利厚生が充実している

 

福利厚生が整っているサロンは、同時に「賞与制度もある」ケースが多いです。

 

  • 産休育休制度
  • 退職金制度(中退共)
  • 賞与年2回
  • 固定給+歩合
  • 交通費支給
  • 外部セミナー参加費補助 など

 

こうした制度を整えているサロンは、スタッフ育成に投資している「ホワイト企業」である可能性が高いです。

 

高単価で集客に困らない(経営に余裕がある)

 

高単価・高リピート率のサロンは、「賞与を分配できる利益」が確保されています。

 

高単価サロンの例:

  • カット:7,000円〜
  • カラー:12,000円〜
  • ヘアケア特化型
  • メンズ特化型
  • ブリーチ特化型 など

 

役職制度が明確でキャリアアップの道がある

 

店長・マネージャーなどの役職が整ったサロンは、役職手当やボーナス額が増えやすい傾向にあります。

 

アシスタント(〜3年目)生産性(売上)が低く、賞与対象外のケースが多いため、ボーナスは0〜5万円ほどが目安です。

 

スタイリスト(デビュー〜中堅)になると、売上によるインセンティブや歩合で還元されるサロンが多く、基本給が上がるため、賞与計算のベースも上昇します。

ボーナスは5〜20万円ほどが目安です。

 

トップスタイリスト・副店長クラスになると、売上が上がりチーム管理や教育など役職手当が増え、ボーナスは20〜40万円ほどが目安になります。

 

さらに、店舗売上に対して責任が生まれる店長・マネージャークラスになると、経営視点の評価がボーナスに反映されます。

そのため、30〜80万円以上を目指せる可能性もあり、企業規模によっては100万円超えもあり得ます。

 

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美容師がボーナスを増やすための4つのポイント

美容師としてボーナスを増やすには、サロンの評価基準を理解し、自分の成果を数字として可視化することが重要です。

あるいは、賞与制度の充実したサロンに転職する方法もあります。

 

指名数とリピート率を上げる

 

サロンにとって最も重要な指標は「固定客(リピーター)の維持」です。

新規よりもリピート客を増やすことで、売上の安定につながります。

 

また、リピート客を増やす上で「指名」の数が直結します。

指名率を上げるには、技術だけでなくカウンセリング力・提案力・接客の一貫性がカギ。

「この美容師さんじゃないとだめ!」と思ってもらえる存在になることで、売上が上がり、個人評価が上がり、ボーナスにも反映されます。

 

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店販売上を伸ばす

 

シャンプー・トリートメント・スタイリング剤などの物販比率は、サロンの利益に直結します。

たとえば、月に3万円の店販売上を継続するだけでも年間36万円になりますよね。

 

店販商品は利益率の高い領域なので、店長・経営者からの評価も上がりやすくなります。

「髪質や要望に合った商品を提案する」姿勢は、お客様との信頼構築にもつながります。

 

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SNSや口コミで集客に貢献する

 

最近では、個人のSNS発信がサロンの集客力に直結しています。

InstagramやTikTokなどでスタイル投稿を続けることで、新規指名につながるケースも増加中です。

 

サロンによっては「SNS経由の新規指名数」を評価に含めて、ボーナスやインセンティブに反映するところもあります。

 

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転職する

 

賞与を重視するなら、先述のとおり企業規模1,000人以上の大手サロンがもっとも有利です。

女性の産休育休制度も手厚く、長く働ける安心感があります。

 

転職する際は、賞与制度のあるサロンかどうかを確認しましょう。

求人票に「賞与あり」と記載がなくても、実は就業規則に書かれているケースもあります。

キレイビズ担当者までお気軽にご相談ください。

 

まとめ

美容師の年間ボーナスは平均10.9万円と控えめですが、企業規模別・年齢別で見ると差があります。

個人の努力によってもボーナス額をアップすることは可能ですが、最重要ポイントはやはり「サロン選び」です。

 

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