「お客様を笑顔にできる、美容の専門職に就きたい」
「美容が好きで、自分の手で人をキレイにする仕事がしたい」
そんな想いを持つあなたにとって、「アイリスト」は非常に魅力的で、やりがいに満ちた職業です。
アイリストは、まつげエクステやまつげパーマなどを通して、お客様の目元の美しさを最大限に引き出すプロフェッショナル。
近年、その需要はますます拡大しており、将来性のある仕事として注目されています。
しかし、具体的な仕事内容や1日の流れ、アイリストになる手順など分からないことも多いのではないでしょうか。
本記事ではアイリストの仕事について、現役で活躍する方はもちろん、これから目指す方や美容学生さんにも役立つ情報をお届けします。
アイリストの具体的な仕事内容

アイリストの主な仕事は、まつげエクステ(マツエク)やまつげパーマの施術ですが、最近は眉毛を整えるアイブロウスタイリングまで担当するケースも増えており、その専門性はますます高まっています。
業務内容は、お客様に施術をすることだけではありません。
お客様に心から満足していただき、安全にサービスを提供するための様々な仕事があります。
1. 満足度を左右する「カウンセリング」
お客様の「なりたい」を引き出す大切な業務がカウンセリングです。
単に要望を聞くだけでなく、プロとして最適な提案を行うコンサルティングのような役割を担います。
ご要望のヒアリング
「どんなイメージになりたいか」「どんなデザインが好きか」などを丁寧に聞き出していきます。
デザインカタログやSNSの写真を見ながら、お客様の「なりたい姿」の解像度を上げましょう。
デザイン提案
お客様の目の形、骨格、まつげの生え方、毛質などをプロの視点から分析し、「本当にお客様に似合うデザイン」を提案します。
例えば、一重や奥二重の方には目がパッチリ見えるデザインを、丸顔の方には縦のラインを強調するデザインを、といった一人ひとりに合わせた具体的な提案力が求められます。
アレルギーの確認・健康状態のチェック
安全に施術を行うため、アレルギーの有無や過去のトラブル経験、体調などを必ず確認します。
特にグルー(接着剤)によるアレルギー反応は重要な確認項目です。
施術内容・料金・時間の説明
施術の流れや料金、所要時間を分かりやすく説明し、お客様の不安を取り除きます。
2. 専門技術が光るメイン業務「施術」
丁寧なカウンセリングは、お客様との信頼関係を築き、施術後の「イメージと違った」というミスマッチを防ぐために欠かせません。
続いて、カウンセリングで決まったデザインに基づき、実際に施術を行っていきます。
高い集中力と繊細な技術が求められる、アイリストの腕の見せ所です。
まつげエクステ(マツエク)
お客様の自まつげ1本1本に対して、専用のグルーを使い、エクステを丁寧に装着していきます。
ミリ単位の正確さが求められる、非常に細かい作業です。
シングルラッシュ(自まつげ1本にエクステ1本)、ボリュームラッシュ(極細のエクステを束にして装着)、フラットラッシュ(平たい形状で持ちが良い)など、様々な種類を使い分けます。
まつげパーマ/ラッシュリフト
専用のロッドにまつげを巻き付け、薬剤を使ってカールを形成します。
薬剤の選定や放置時間を見極める専門知識が必要です。
根元から立ち上げる「パリジェンヌラッシュリフト」、トリートメント効果が高い「ケラチンラッシュリフト」など多様な技法があります。
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アイブロウスタイリング
骨格に合わせて眉の形をデザインし、ワックス脱毛やツイージング(毛抜き)で余分な毛を処理して美しく整えます。
メイクで仕上げることもあります。
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その他オプションメニュー
- アイシャンプー
施術前にまつげの根元の汚れを落とし、エクステの持ちを良くします。 - トリートメント
施術によるダメージを軽減し、自まつげを健康に保つためのケアです。 - オフ
古くなったエクステを専用のリムーバーで安全に取り除きます。
常に最新の技術や商材が登場するため、継続的な学習と練習が欠かせません。
3. 美しさを長持ちさせるための「アフターケア」

施術が終わったら、その後のケアについて丁寧にお客様へ説明します。
- 施術当日の注意事項
「施術後5〜6時間は濡らさない」「強くこすらない」など、具体的な注意点を伝えます。 - 長持ちさせるためのホームケア
クレンジングの選び方(オイルフリー推奨)、洗顔方法、まつげ美容液でのケアなどをアドバイスします。 - ホームケア用品の提案・販売
サロンで取り扱っている美容液やコーティング剤など、お客様のまつげの状態に合った商品を提案し、販売することも大切な業務です。
これはサロンの売上にも繋がります。
適切なアフターケアの説明は、お客様の満足度を高め、再来店に繋がる重要な要素です。
4. 施術以外の縁の下の力持ち業務「サロンワーク」
お客様に見えない部分でも、アイリストの仕事はたくさんあります。
快適で安全なサロン環境を維持するために、これらの業務も非常に重要です。
- 予約管理・受付
電話やWEB予約システムからの予約対応、来店されたお客様の受付を行います。 - 会計・レジ業務
施術後の会計処理を担当します。 - 顧客管理(カルテの記入など)
お客様一人ひとりの施術履歴、デザインの好み、注意事項などを記録し、次回の施術に活かします。 - 清掃・衛生管理
お客様が触れる場所や器具の衛生管理は徹底的に行います。
特に、ツイーザーなどの器具は、お客様ごとに洗浄・消毒を欠かしません。
衛生管理の知識は、お客様の安全を守る上で必須です。 - 在庫管理・発注
エクステやグルー、パーマ液などの商材が不足しないよう、在庫を管理し、必要に応じて発注します。 - 集客活動・SNS更新
施術の合間などに、サロンのInstagramやブログを更新し、施術事例やキャンペーン情報を発信します。
魅力的な発信は、新規顧客の獲得やリピーターの維持に直結します。 - 技術練習
新しい技術の習得や、既存の技術のスピード・クオリティ向上のため、営業後などに自主的に練習を行います。
このように、アイリストの仕事は多岐にわたります。
技術職であると同時に、接客業であり、サロン運営を支える一員としての役割も担っているのです。
【重要】アイリストは「美容師免許」が必須の国家資格職
アイリストとして働くためには「美容師免許」が必須です。
まつげに関する施術は、皮膚やまぶたに近い非常にデリケートな部分を扱うため、国の定める「美容行為」にあたります。
そのため、美容師法に基づき、美容師免許の取得が法律で義務付けられています。
無資格での施術は違法行為となりますので、アイリストを目指す方は、まず美容師免許を取得することが第一歩となります。
その他の民間資格や資格を活かした働き方については下記記事をご覧ください。
【関連記事】
マツエク(まつ毛エクステ)には国家資格が必須!取得にかかる費用・時間、働き方などを解説
アイリストの1日の仕事の流れ

では、アイリストは実際にどのような1日を過ごしているのでしょうか。
ここでは、一般的なアイラッシュサロンのタイムスケジュール例をご紹介します。
09:30 出勤・開店準備
制服に着替え、店内の清掃、レジの準備、予約状況の確認、施術用具のセッティングなどを行います。
衛生管理を徹底し、お客様を気持ちよくお迎えする準備をします。
09:50 朝礼
スタッフ全員で予約状況の共有、キャンペーン内容の確認、注意事項の伝達などを行います。
チームワークを高め、スムーズなサロン運営に繋げます。
10:00 サロンオープン・施術(午前)
予約のお客様をお迎えし、カウンセリングから施術、アフターケアまでを行います。
1人のお客様にかかる時間は、メニューによりますが1時間~2時間程度です。
13:00 昼休憩
スタッフルームでランチ。
同僚と情報交換をしたり、リラックスしたりして午後の業務に備えます。
14:00 施術(午後)
午後も引き続きお客様の施術に入ります。
空き時間には、SNSの更新やタオルの洗濯、備品の発注など、細々としたサロンワークをこなします。
18:00 最終受付〜締め作業・片付け
最後のお客様をお見送りしてから、レジ締め、売上報告、店内の清掃、ゴミ捨て、器具の洗浄・消毒などを行います。
明日の予約を確認し、カルテの整理もします。
19:30 終礼・技術練習
1日の報告や反省点を共有します。
その後、スキルアップのためにモデルを呼んで練習したり、スタッフ同士で相モデル(お互いに施術し合う形式)になったりすることも。
20:30 退勤
1日お疲れ様でした!
帰宅後は、SNSで新しいアイラッシュデザインの情報収集をしたり、資格の勉強をしたりすることもあります。
未経験からアイリストになるには?4つのステップ

「アイリストになりたい!」と思っても、何から始めればいいのでしょうか。
ここでは、未経験からプロのアイリストとしてデビューするまでの具体的な道のりを4つのステップで解説します。
STEP1. 美容師免許を取得する
前述の通り、アイリストになるには国家資格である「美容師免許」が必須です。
免許を持っていない方は、まず厚生労働大臣が指定する美容師養成施設(専門学校など)に入学し、所定の課程(昼間課程2年、夜間課程2年、通信課程3年)を修了後、美容師国家試験に合格する必要があります。
すでに美容師免許を持っている方は、次のステップに進みましょう。
【関連記事】
アイリストに向いている人ってどんな人?成功するための秘訣も解説!
STEP2. アイリストの求人を探して就職する
美容師免許を取得したら(あるいは取得済みなら)、いよいよ就職活動です。
未経験者を採用し、一から育ててくれるサロンはたくさんあります。
<未経験者歓迎の求人を探すポイント>
- 研修制度の充実度
「研修制度あり」「モデル完全サポート」などの記載があるかを確認しましょう。
入社後にどれだけ手厚いトレーニングを受けられるかが、その後の成長を大きく左右します。 - デビューまでの期間
研修開始からお客様に入客できるまでの期間の目安が書かれていると、キャリアプランを立てやすくなります。 - サロンの雰囲気
サロンのウェブサイトやSNSをチェックし、デザインのテイストやスタッフの雰囲気が自分に合っているかを確認することも大切です。
「キレイビズ」のような美容専門の求人サイトを活用すれば、全国の「未経験者歓迎」のアイリスト求人を効率よく探すことができます。
STEP3. 研修やスクールで専門技術・知識を習得する
サロンに就職後は、プロのアイリストとしてデビューするための研修が始まります。
- 社内研修
多くのサロンでは、入社後に独自のカリキュラムに沿った研修が行われます。
まずは座学で皮膚科学や毛髪理論、衛生管理、商材知識などを学び、その後ウィッグ(マネキン)を使って技術の基礎を徹底的に練習します。 - モデル練習
ウィッグでの練習をクリアしたら、実際に人の目で施術を行うモデル練習に移ります。
友人や家族、あるいはサロンが募集したモデルさんに協力してもらい、規定の人数とクオリティをクリアするまで実践練習を重ねます。 - アイラッシュスクール
就職する前に、民間のアイラッシュスクールに通って基礎技術を学んでから就職活動をする、という選択肢もあります。
自信を持って面接に臨めるメリットがあります。
STEP4. 技術チェックに合格してアイリストデビュー
厳しい研修とモデル練習を経て、最終的な技術チェックに合格すると、晴れてアイリストとしてお客様に入客(デビュー)することができます。
デビュー後は先輩のサポートを受けながら、日々経験を積み、トップアイリストを目指していきます。
アイリストの多彩なキャリアパスと将来性

アイリストは、専門職だからこそ描ける多彩なキャリアパスがあります。
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トップアイリスト/サロンの店長・マネージャー
まずはサロンのエースとして、多くの指名客を抱えるトップアイリストを目指しましょう。
さらにその先には、店舗の売上管理やスタッフの育成を担う店長や、複数店舗を統括するエリアマネージャーへの道があります。
経営的な視点も身につく、やりがいのあるポジションです。
独立開業
アイリストとしての最終目標として「自分のサロンを持つ」ことを掲げる人も少なくありません。
技術力、集客力、経営知識が必要ですが、自分の理想とする空間とサービスを形にできる、大きな夢のあるキャリアです。
講師・インストラクター
自らの技術と経験を、未来のアイリストたちに伝える仕事です。
アイラッシュスクールの講師になったり、商材メーカーのインストラクターとして全国のサロンに技術指導を行ったりします。
商材開発・メーカー勤務
施術者としての経験を活かし、まつげエクステやグルーなどの商材を開発するメーカー側に転職する道もあります。
現場のニーズを理解しているからこそ、より良い製品づくりに貢献できます。
美容師との兼任
美容師免許を活かし、ヘアカットやカラーとアイラッシュを兼任する働き方です。
お客様にトータルビューティーを提案できる強みがあり、活躍の場が広がります。
まとめ

アイリストの仕事は、決して楽なことばかりではありません。
地道な練習の積み重ねや、身体的・精神的な負担もあります。
しかし、それを上回るほどの大きなやりがいと喜びに満ちています。
自分の技術ひとつでお客様のコンプレックスを自信に変え、特別な日をさらに輝かせ、日常にささやかな幸せを届けることができる。そんな「ありがとう」が溢れる世界が、アイリストの仕事の最大の魅力です。
この記事を読んで、アイリストという仕事の解像度が上がり、「もっと知りたい」「挑戦してみたい」と感じていただけたなら幸いです。
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