まつ毛エクステを楽しむ女性が増えましたね。おしゃれ、アイメイクの手段として浸透してきたマツエク。とは言え、マスカラ人口と比べ、マツエクをする女性はまだ少ないのは事実。
つまり、伸びしろの大きい業界と言えます。マツエクの市場はまだまだ成長すると考えられており、施術者であるアイリストの需要も高い傾向にあります。
既存の美容室やエステサロンでも、マツエクをメニューのひとつに加える動きがあり、ますますアイリストは求められています。
とはいうものの、
- どうやったらアイリストになれるの?
- アイリストになるには時間やお金ってかかるの?
- アイリストとして仕事をするにはどうしたらいいの?
と、わからないこともたくさん。
今回は、アイリストになって仕事をするまでに必要なことについて紹介したいと思います。
目次
1 マツエク技術を提供するアイリストには資格が必要?
1-1 アイリストになるには国家資格「美容師免許」が必要です
あまり知られていませんが、マツエクを施術するには、「美容師免許」が必要です。
以前はこのような規制はありませんでした。それまで必要なかった美容師免許が必須となった背景には、トラブルが多発したことがあります。
全国でマツエクが浸透するにともなって、施術後、目などにトラブルが起きたという相談が消費者センターに多く寄せられるようになりました。
そこで厚生労働省は、『マツエクの施術は、美容師法に基づく「美容」になる』とし、2008年、アイリストに美容師免許取得の義務化を定めました。
この法律で
マツエクはこの条文に当てはまり、法律が適用されるようになったのです。
さらに美容師法ではこのような条文があります。
つまり、国家資格である「美容師免許」を取得していないといけないのです。
もし、美容師免許をもたない者がマツエク施術をしたら、法律違反となってしまいます。
ですので、アイリストとして仕事をするには、美容師免許の国家資格に合格することが大前提となっています。
1-2 マツエクの資格はどういうもの?
国家資格である美容師免許が必須なのはおわかりいただけたと思いますが、世間には多くのマツエク資格が存在しています。
はたして、この資格とはどういうものなのでしょうか。
結論から言うと、施術には、マツエク資格は必須ではありません。
マツエク資格には、国家資格というものはなく、すべて民間団体が発行している民間資格です。民間資格ですから、発行団体ごとに資格の呼び名も、レベルも様々です。
民間資格とはいえ、マツエクの知識と技術を保有しているという証明となるため、アイリストとして就職したり開業していく上では効力を発揮します。
ここで押さえておきたいポイントは、美容師免許を持たず、マツエクスクールや団体が発行するディプロマや資格を取得しただけで施術すると、違法となってしまうということ。
アイリストとして働きたいなら、まずは美容師免許をとってから!ということになります。
でも、美容師免許を取るには美容の専門学校に通わなくてはなりません。そこでは髪のカットやパーマなどの技術を習いますね。まつ毛エクステの技術はカリキュラムに組み込まれていません。
マツエクの資格を取るためには、どうやって勉強すればいいのか…。
そこで、民間資格を発行している団体が教育制度を作って、マツエクの知識と技術を教えることをしているのです。
1-3 マツエクの資格、どんなものがあるの?
マツエクの資格はいろいろありますが、ここでご紹介する4つの団体が発行している資格が主な資格です。
■一般社団法人日本アイリスト協会(JEA)
まつ毛エクステンション技能検定試験を実施し、合格者には「アイリスト」の称号を付与しています。
資格の名前は「プロアイリスト1級」「プロアイリスト2級」など。
他にも、さらに上級の知識と技術を保有する認定講師もあり、ステップアップできる仕組みになっています。
また、サロンオーナーなど、直接施術は行わないけれども、お客様への説明ができるレベルの3級もあります。(3級は美容師免許がなくても受験できます)
■一般社団法人NEA日本まつげエクステ協会
プロアイリスト検定試験を実施し、合格者には「アイリスト」の称号を付与しています。
資格の名前は「1級プロアイリスト」「2級プロアイリスト」など。
3級から講師まで、ステップアップできる仕組みがあります。
■一般社団法人日本まつげエクステンション協会(JLA)
アイデザイナー技能検定試験を実施し、合格者には「アイデザイナー」の称号を付与しています。
資格の名前は「認定機構1級」「認定機構2級」など。3級から認定講師までステップアップできる仕組みがありますが、3級受験資格に、協会が認定する「衛生管理士および安全技術師」の資格が必要なため、ややハードルが高くなっています。
■一般社団法人国際アイスタイリスト協会
アイスタイリスト技能検定試験を実施し、「アイスタイリスト」の称号を付与しています。
資格は3級から認定講師まであり、ステップアップできる仕組みになっています。
このように、様々な団体が資格を発行しています。同じ「3級」と言ってもレベルが様々ですので、各団体の情報をしっかりと吟味し、自分に合った資格を選ぶ必要があります。
受験費用は、3級レベルだと8,000円前後、1級レベルだと20,000円前後が多くなっています。
1-4 マツエクの資格をとるには、どうやって勉強したらいいの?いくらかかるの?
資格をとる!と決めたら、その勉強法と費用を考えなくてはなりませんね。
上記でご紹介した団体はじめ多くが、認定講師を養成し、認定講師のいるサロンを認定サロン・認定スクールとして定め、教育機関として運営しています。
したがって、各団体のHPで認定サロンを探し、カリキュラムをこなしてそれぞれの試験に挑むという流れになります。
スクール選びは、講習時間、授業料、どのレベルまで技術を習得できるのかを基準にするとよいでしょう。
授業料は各団体やコースによってまちまちですが、30万から70万くらいと幅広くなっています。さらに教材費がかかる場合もあるので、事前に問い合わせてしっかり確認してください。
すでに美容師として働いている方で、サロンにマツエクの技術があり、教えてもらえる環境ならば、働きながら習得するという方法もあります。
実地訓練を積み重ねて技術を身に付けられますが、座学で学ぶ基本的な知識が手薄になりかねないリスクがあることも知っておきましょう。
また、最近では通信教育でも学ぶことができます。通信教育は、空いた時間で勉強でき、費用が安く済むという点が大きな魅力。
美容師免許は持っているけれど、育児でしばらく働いておらず、アイリストとして仕事復帰したいという方には、子育ての合間に勉強できる通信教育は手軽でいいかもしれませんね。
しかし、技術の習得という面では、講師から直接学べないというデメリットがあるということを理解した上で利用するとよいでしょう。
2 アイリストを仕事にする
2-1 マツエクサロンの実情
サロンと一言で言っても、美容室、エステサロン、ネイルサロン、マツエク専門サロンなど、マツエクをメニューにもつ業態は多種多様。したがって、美容室などと比べ、マツエクを提供しているサロンは正確な数が把握されていません。
(美容室の数は、2017年10月発表の統計によると243360か所。e-Stat 政府統計の総合窓口 衛生行政報告例参照)
美容師からアイリストに転身する人も多く、美容師免許を活かせるうえに、専門職であることが人気の土台になっています。
また、手荒れを理由に転身する美容師もいます。シャンプーやカラーリングの薬剤で手荒れがひどく、痛みで仕事にならないという美容師にとっては、マツエクなら安心して働けます。
さらに、美容師のように遅くまで残って練習することも少ないため、家事や育児との両立もしやすく、働きやすい職業と言えます。
2-2 アイリストとして働くには
アイリストとして働くには、マツエク専門サロンや、マツエクをメニューにもつサロンに就職することと、自分でマツエク専門サロンを開業するという2つの選択肢があります。
サロンに就職する場合は、求人サイトなどで情報を探す人がほとんどだと思います。アイリストの平均月収は、15万~30万円で、経験やスキルによって変わります。
美容師の場合は、就職してから実際にお客様のヘアカットをするまで長期間かかりますが、アイリストの場合、研修期間が短く、短ければ1ヵ月、長くても半年くらいでお客様に施術できるという点が魅力です。ステップアップしやすい点も人気の秘密なのです。
一方で、自分でマツエク専門サロンを開業する場合は、費用の面で大きな負担があります。
まず、サロンは美容室と同じく、保健所の指示に従う必要があります。したがって、決まりに沿って設備や器具を整えなければならないため、かなりの資金が必要となります。
2-3 人気のアイリストになるには
やはり、なんと言っても技術の高さが一番です。
目元という非常にデリケートな部分を触るわけですから、衛生管理は当然のこと、丁寧で美しく、持ちの良いマツエクを提供できれば人気のアイリストとして活躍し続けることができます。
そのためにも、民間の資格を利用して、3級⇒2級⇒1級と、高みを目指す姿勢が大切になってきます。自分の技術レベルを客観的に証明してくれる資格は、アイリストとして自信になるだけでなく、お客様から見ても安心材料となります。
ぜひ、資格を利用して、アイリストとしてのキャリアアップを考えてみてください。
まとめ
アイリストの需要は高く、将来性のある職業です。
美容師免許という国家資格がベースになっているため、美容業界の中でも高い専門性を保証されている仕事。さらに、お客様と直接関われて、喜ぶ顔が見られるのは、大きなやりがいとなります。
美容師の技術とマツエクの技術を同時に提供するなら、トータルでお客様の美をプロデュースでき、付加価値の高いサービスを提供することもできます。
アイリストとして自分の可能性を広げてみてはいかがでしょうか。