カウンセリングを通してお客様のお悩みを聞き、施術でお客様を美しくする仕事『エステティシャン』。
フェイシャルケア、ボディケア、脱毛などさまざまなエステメニューがありますが、施術以外の仕事内容をご存知でしょうか？
本記事では、エステティシャンとしての就職・転職をお考えの方に向けて、エステティシャンの仕事内容やメリット・デメリット、向いている人の特徴などを解説します。
エステティシャンの仕事内容
そもそもエステティシャンとは、エステティック業（※）を行う技術者のことです。
※エステティック業：「手技または化粧品・機器等を用いて、人の皮膚を美化し、体型を整えるなどの指導又は施術」に該当する業種【引用：厚生労働省】
エステティシャンの仕事内容は、主に①カウンセリング②施術③商品の販売や営業④その他業務・サロンワークの4種類に分けられます。
カウンセリング
施術を行う前にカウンセリングを行います。
カウンセリングは、お肌や身体・体型に関するお客様の悩みを聞き、症状を改善したり理想像に近づけたりするために最適なメニューを提案する業務。
健康状態や病歴、アレルギーの有無なども忘れずに確認することが、施術中のトラブルを防ぐためには大切です。
合わせて、施術中に触れてほしくない顔や身体の部位がないかも聞いておきましょう。
また、カウンセリングでお客様が普段されているスキンケアやボディケア、生活スタイルなどをお伺いし、施術を通してお客様のお肌や身体の状態を確認した後、自宅でのケアや過ごし方に関するアドバイスを行うサロンもあります。
カウンセリングの実施方法については、初回来店時にカウンセリングシートに記入してもらい、シートの内容を見ながらヒアリングを行うサロンが多いです。
そのほか、インターネットでの予約時にアンケートを実施する店舗もあります。
施術
カウンセリング後は、お客様を施術ルームに案内し、それぞれのお客様に適した施術を行います。
施術内容やメニューの種類は多岐に渡りますが、フェイシャルケア、ボディケア、美容脱毛などが代表的な施術です。
フェイシャルケアは、顔・頭部・デコルテなど首から上の部分をケアする施術。
保湿や血行促進、しわやたるみの改善、毛穴の汚れや老廃物のケア、美白や紫外線ケア、リラクゼーションなどを行います。
最初にクレンジングでメイク汚れや毛穴汚れといったお肌の汚れや余分なものを取り除き、その後パックやトリートメント、マッサージなどで仕上げていく流れが一般的です。
フォトフェイシャルやイオン導入、ケミカルピーリング、EMSなど独自のメニューを取り入れているサロンもあります。
ボディケアは全身の施術。
指圧やオイルマッサージなどを通じて、リラクゼーションやコリほぐし、リンパや血流の改善、痩身、肌質改善などを目的としたケアを行います。
美容脱毛は顔・体の一部または全身の体毛を除去する施術。
エステティシャンが行う美容脱毛では、主に美容ライトやワックスを使用します。
医師または医師の管理下にある看護師のみ行えるレーザー光線の照射（医療脱毛）は行えません。
予約状況に合わせて上記のような施術→片付け→セッティングなどを行い、スタッフ同士交代で休憩を取ります。
施術によって所要時間は異なるため一概にはいえませんが、1日に3～5名程度の接客が見込まれるでしょう。
空いている時間にはお客様への営業や商品の販売、サロンワークといったその他の業務を行います。
商品の販売や営業
施術の前後には、施術で使用している商品やホームケア用品の販売、エステコースやオプションの提案といった営業活動も行います。
客単価の向上やリピート客増加のために重要な業務です。
サロンによっては販売ノルマや目標を課している場合もありますが、商品・メニューの一方的な押し売りはNG。
お客様が「むりやり営業されている」と感じてしまうと、販売に結びつかないだけでなく、再来店してもらえなくなるリスクもあります。
知識やお客様のニーズに基づいて商品・メニューの特徴を説明し、使用方法やオススメ理由などを伝えましょう。
その他業務・サロンワーク
施術の前後や手の空いている時間には、その他の細かい業務やサロンワークを行います。
- サロンの運営に必要な業務
受付、会計、予約管理、店内の清掃、在庫管理・発注など - 施術に必要な業務
器具や化粧品の準備、器具の洗浄・消毒や点検、タオルやガウンなどの洗濯など - 集客や売り上げの向上に必要な業務
ホームページやSNSの更新、ハガキやメールの送付など
その他、新たな機械・器具や技術を導入する際には、閉店後に研修を受けることもあります。
これらはお客様と直接接する仕事ではない裏方の仕事ですが、お客様に快適・安全に過ごしていただくために、そしてサロンの運営を続けていくために大切な業務です。
エステティシャンのメリット・仕事のやりがい
エステティシャンを目指すなら、メリット・デメリットの両面を理解しておくことをおすすめします。
まずはエステティシャンとして働くメリットや仕事のやりがいについて説明します。
お客様のお悩みを解消して喜ぶ姿を見られる
エステを受けに来られるお客様は、お肌や身体に関するさまざまな悩みを抱えています。
エステティシャンは、ひとりひとりの希望にあった施術を提供し、理想に近づけるお手伝いをする仕事。
お悩みやコンプレックスを解消することで、外見だけでなく、お客様の心もスッキリさせられることはエステティシャンとして働く一番のメリットなのではないでしょうか。
エステサロンへは繰り返し通っていただくことがほとんど。
時にはクレームを受けることもあるかもしれませんが、施術を繰り返すごとに信頼を得られたり、目に見える変化があったりするとやりがいを感じられます。
お客様に喜んでもらえるように、自分が持っているスキルや美容知識を総動員して、最適な施術を提供していきましょう。
最新の美容情報やトレンドに詳しくなる
エステティシャンには、お肌や身体の仕組み、肌トラブルへの対処法、美容に関連する生活習慣などの幅広い知識が求められます。
豊富な知識があれば、お客様のお悩みに対して多角的に原因を探ることができ、最善の提案やアドバイスができるからです。
ゆえにエステティシャンとして働くと、日々の施術や勉強会・研修を通して最新の美容知識や技術、移り変わるトレンドや世間の興味・関心などを敏感にキャッチできるようになります。
美意識が自然と高くなり、自分自身も美しくなっていけるでしょう。
また、最新のエステ機器や化粧品をいち早く試せるのもエステティシャンのメリット。
お客様に勧めるためには、まずスタッフが使ってみないと良さを伝えられないので、無料〜従業員割引で利用できるサロンが多いです。
「美容が好き」「自分もキレイになりたい」という方にとっては、エステティシャンに関連する美容知識やスキルの習得に必要な努力は、趣味の延長線上に感じられるかもしれませんね。
興味関心のある分野の専門的な知識やスキルを得られ、自分自身の美も磨いていける点はやりがいになります。
未経験からでもプロを目指せる
エステティシャンになるために必要な資格や免許は特にありません。
しっかりとした研修制度を用意しているサロンが多いため、未経験からでもお肌や体の美容知識やマッサージ技術、接客マナーを基礎から学ぶことができます。
日々の業務や研修・勉強を通して身につけた知識・スキルは一生使える財産になるでしょう。
結婚や出産を機に一度職場を離れたとしても、手に職をつけていれば再就職先が見つかりやすく、生涯エステの仕事に携わることができます。
就職先はエステサロンだけでなく、美容室やスパ、ブライダルサロンやホテルなど活躍できる場が広いことも特徴。
リピート客が増えれば独立開業したり、経験を積めばエステスクールの講師になったりすることも可能です。
エステティシャンのデメリット・仕事の大変さ
華やかなイメージがあるエステティシャンは、美容に関心がある方に人気の職業です。
しかし実際には、先述のような裏方業務もあり、楽しいことばかりではありません。
続いて、エステティシャンとして働くデメリットや大変なことについて説明します。
肉体的な負担がかかるため体力が消耗する
エステティシャンは、施術や勤務時間の長さゆえに体力が必要な仕事です。
施術は前かがみの姿勢で行うことや手技が多く、背中や腰、肩、指などに大きな負担がかかります。
また基本的にお客様の予約状況に合わせて勤務するため、繁忙期には休憩をなかなか取れず、一日中立ちっぱなし……なんてことも。
連休や長期休暇を取りにくいため、体力を回復できずに疲れが蓄積することもあるでしょう。
長い拘束時間や不規則なスケジュール、残業などに対応しなければならない点はデメリットです。
- スタッフ数が多いサロン
- 担当シフトが分かれているサロン
- お客様の人数が定まっているサロン
- 土日祝日や大型連休が定休日のサロン
などを職場として選べば、これらのデメリットを解決できますよ。
売上ノルマや営業活動に追われる
サロンによっては、エステティシャンごとにコースの契約数や商品・機器の販売数、指名数などの売上ノルマを課せられる場合もあります。
目標を達成するための営業活動が大変だと感じることもあるかもしれませんが、ノルマ未達成でもペナルティを課せられるケースはほとんどないので安心してください。
むしろ、売上ノルマが仕事のやりがいとなることも◎
ノルマを達成することで、お給料にインセンティブが上乗せされたり、昇給したり、歩合給なら収入をどんどんアップできたりというメリットがあります。
また、お客様との信頼関係の構築や営業トークの習得にもつながるでしょう。
ノルマのおかげでモチベーションや成果を上げることができますが、どうしても苦手な方は、ノルマなしのサロンを探してみてくださいね。
エステティシャンに向いている人
次のような方はエステティシャンに向いています。
- 体力がある人
- 美容に興味関心がある人
- 常にアンテナを立てて情報収集できる人
- 傾聴力がある聞き上手な人
- コミュニケーション能力が高い人
- 共感能力の高い人
- ホスピタリティがある人
「美容が好き」「人の喜ぶ顔が見たい」「人と話すのが得意」「接客業をやっていた」というような方は、エステティシャンの素質があるのではないでしょうか。
まとめ
エステティシャンは自分自身の手や専用の機械を使用して、お客様の顔や身体をキレイにしていく仕事。
お客様と直接関わるカウンセリングや施術といった仕事以外にも、準備や片付け、細かいサロンワークといった裏側の仕事があります。
また、スキルアップのための研修への参加や勉強も欠かせないでしょう。
大変な部分もありますが、やりがいのある美容の仕事として人気の職業です。
未経験者歓迎のエステサロンや美容サロンも多いため、エステティシャンを目指している方はまずは応募してみることをおすすめします。
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