美容師におすすめの着付け資格4選!着付けを学ぶメリットや勉強方法も合わせて解説

美容師の数はサロンの数と同様に、ほぼ右肩上がりで増え続けています。
美容師としての市場価値を高めるためには、他の美容師が持っていないスキルを身につけ、差別化を図っていくことが重要です。

ヘアカットやカラーリングなど基本的な施術以外に、SNSの運用スキルやトークスキル、メイクやアイラッシュの技術なども差別化できるポイント。
その中でも今回ご紹介するのは「着付け」の技術です。
卒業式や成人式、お祭りやパーティーといった着物・袴を着る機会では、着付けができる美容師がいると重宝されます。

本記事では、美容師が着付けを学ぶとどうなるのか?どのように勉強すればいいのか?どんな資格を取るべきか?など、気になる疑問を解決していきます。

 

美容師が着付けスキルを身につけるべき理由

着物は日本の伝統的な民族衣装。
しかし、限られた機会にしか着ないため、自分で着付けができない人がほとんどでしょう。

そこで、着付けを学んだ美容師の出番です。
和服を美しく着せる技術を身につけ、着物に慣れていない人のお手伝いをします。

まずは、美容師が着付けの技術を習得するメリットを紹介します。

 

集客率・指名率が上がる

着付けができる美容師は、次のような着物需要の高いシーンで集客率が上がります。
・初詣
・成人式
・入学式/卒業式
・夏祭りシーズン
・七五三
・冠婚葬祭 など

着付けは式場・ホテル・呉服店などで依頼することもできますが、普段から通っているサロンでヘアセットと合わせて着付けができるとなると、より安心・気軽に利用してもらえるでしょう。
着付けサービスを提供しているサロンは1月・3月・6〜8月・11月あたりに着付けの予約が入りやすく、通常なら閑散期である時期でも予約がいっぱいというケースもあるようです。

また、着付けを担当したことをきっかけに、普段のカットやカラーで指名されるようになる可能性もあります。
着付けの指名だけでなく、通常のサロンワークでの指名率を向上させるきっかけにもなるのです。

 

客単価がアップする

着付けと同時に着物に似合う和装ヘアのセットやメイクを予約するお客様も多いです。
お客様にとっては「ヘアセットとメイクは美容室で」「着付けは着付けサロンで」と別々に予約・来店する手間がかかりませんし、美容師にとっては客単価が上がります。

着付けもヘアメイクも両方できる美容師は、サロンとお客様から重宝されます。
合わせて対応できるように、着付けと和装ヘア両方の技術向上に努めましょう。

 

キャリアの幅が広がる

着付けスキルがあれば、就職の際に有利になるだけでなく、サロン以外の就職先も検討することができます。
例えば結婚式場やブライダルサロン、メディアの撮影現場やショー、着物レンタル店や写真スタジオ……など、さまざまな場で活躍できるでしょう。
美容師から着付け教室の講師にキャリアチェンジする道もあるかもしれませんね。

副業OKのサロンであれば、着付けスキルを活かした副業を始めることも可能です。
サロン以外の着付けに関われる現場に足を運べば、収入アップにもスキルアップにもつながります。

 

やりがいにつながる

着物や袴を日常生活で着用する人は少なく、多くの場合は人生の節目や特別なイベントの際に身につけます。
着付けのスキルがあれば、お客様の大切な日に立ち会うことができます。

責任は伴いますが、「1日崩れず過ごせました」「着付けのおかげで良い日になりました」といった感謝の言葉をいただけたときには、普段のサロンワーク以上のやりがいを感じることができるでしょう。
着付けとヘアメイクをトータルでサポートできる点もやりがいにつながります。

 

美容師が着付けの仕事をする方法

着付けは誰でもできるわけではなく、講座や資格の取得を通じて一定以上の着付けスキルを身につけなければ仕事にはつながりません。

また、先述のとおり、着付けを利用する日はお客様にとって特別な日であるケースが多いです。
着付けスキルを高めておかなければ、いつも以上にクレームにつながる恐れがあります。

自信を持って着付けのサービスを提供できるように、次で紹介する方法で着付けスキルを身につけましょう。

 

着付け教室・学校に通う

一般的には着付け教室や専門学校に通って着付けの技術を学びます。
プロの講師から直接着付けの手順や美しく着付けるポイントなどを教えてもらうことが可能です。
教室・学校によっては講義を受けることで最終的に資格を取得できるところもあります。

着付け教室・学校を選ぶ際は、通いやすいかどうか?を軸に探してみましょう。
美容師は業務時間が長いため、仕事が終わった後に通う場合はサロンから近い場所、休日に通う場合は自宅から近い場所にある教室が◎
勤務後のレッスンや繁忙期の急な対応で着付け教室に行けなくなった場合でも、振替ができると安心です。

また、費用も通いやすさを左右する重要な要素。
受講料が続けやすい金額か、振替に追加料金がかかるのか、資格取得にいくら必要かなど細かく確認しておきましょう。

いくつか気になる着付け教室を見つけられたら、実際に通っている人・修了した人の口コミもチェック!
Yahoo!知恵袋やTwitter、Googleマップなど公式サイト以外での評判も忘れずリサーチしておきたいですね。

なお、着付け教室の修了後も最新の着付けスキルやトレンドを勉強するために、定期的に着付けセミナーや勉強会に参加するといいでしょう。

 

着付け関連の資格を取る

着付けは資格がなくてもできる仕事です。
しかし、お客様にサービスを提供するうえでは一定のレベルに達している必要があります。
プロとして数センチ単位で美しさにこだわり、着崩れないようにきれいに着付けを行わなければなりません。

着付けのスキルを身につけるなら、着付け関連の資格を取得することもおすすめです。
取得すれば技術の証明になり、また取得までの過程で勉強しながらスキルを高めることができます。

着付け関連の資格は後ほどいくつか紹介します。

 

和装ヘアメイクを学ぶ

着付けができるだけでは、サロンに依頼する意味がなくなり、呉服店や貸衣装屋などにお客様が流れていってしまいます。
そのため、着付けに加えて、着物に似合うヘアメイクができるスキルも必要になります。

洋装のヘアメイクとは異なる技術や知識が求められるため、着付けと合わせて学んでおかなければなりません。
和装ヘアセットの講習を受けたり、マネキンを使って練習したり、先輩からアドバイスをもらったりしながら和装ヘアメイクのスキルを高めましょう。

 

美容師のキャリアアップに役立つ着付けの資格4選

先述のとおり、着付けは美容師免許のような資格がなくてもお客様にサービスを提供できます。
しかし、着付け関連の資格があると、美容師としてのブランディングにつながるのは事実です。

無資格よりも就職に有利になり、お客様からの信頼にもつながります。
検定や資格試験に合格した肩書きをうまく活用し、積極的に活躍の場を広げましょう。
最後に、着付けスキルを証明できるおすすめの国家資格および民間資格を紹介します。

 

着付け技能検定

https://www.kitsuke.or.jp/

着付け技能検定とは、厚生労働省指定の国家検定です。
一般社団法人全日本着付け技能センターが実施しています。

試験の内容は学科試験と実技試験に分かれており、等級は1級と2級が用意されています。
学科試験では着物の各部の名称やたたみ方、着物の格や帯の種類など、着付けの技法以外の幅広い知識も問われます。

実技試験では、浴衣や訪問着など数種類の着物を制限時間内で適切に着付けられるかを問われます。
手順や仕上がりの美しさの審査はもちろん、帯の結び目を数センチ単位で計測される場合も。
また、受験者自身が実技用のモデルや着物を用意しなければなりません。

合格者には認定証が付与され、国家資格である「着付け技能士」を名乗れるようになります。
着付けスキルを証明できる認知度の高い資格ですが、2級であっても難易度は高く、着物の魅力を深く理解することが必要です。
1級の試験は2年以上の実務経験または2級技能士として1年以上の実務経験がある人しか受けられませんので、まずは2級からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
過去問は公式ホームぺージから確認できます。

 

日本和装協会の認定資格

https://nihonwasou.org/

国家資格はハードルが高いという方は、民間資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

一般財団法人日本和裝協会では、「きもの着付け」の資格を発行しています。
和装准一級→和装一級→和装師範→和装上級師範→和装教授と5段階でステップアップできる資格です。
筆記試験やレポートを通じて着付けに関する基礎知識や技術を問われ、実技試験でそのスピードや着姿の美しさなどが審査されます。

きもの着付けの資格は、同協会に加盟する全国の着付け教室で7回〜15回程度のレッスンを受けた後に受講できます。
プロの講師から着付けのスキルを学びながら最終目標である資格試験に挑めるので、国家資格と比較すると取得しやすい資格であると言えるでしょう。

 

着付け免許

https://www.hakubi.net/about/license/

着付け免許は一般財団法人民族衣裳文化普及協会が推薦しており、京都きもの芸術文化協会が発行する民間資格です。
5級(準師範)→4級(師範)→3級(上級師範)→2級(助教授)→1級(教授)の5段階に分かれています。

4級になると着物を通してグローバルに活躍するきっかけになる「着物国際ライセンス(国際文化教育協会発行)」を取得でき、3級は自宅で着付け教室を開講できるレベルです。
着付け師としてお客様に着付けを行う場合は、2級以上の資格を取得しましょう。

着付け免許を取得するためには、ハクビ京都きもの学院で指定のコースを受講する必要があります。
関東・甲信越・東海を中心とした13都県にて約100教室が展開されています。

 

きもの着装技術師

https://www.wagokoro.com/

きもの着装技術師は、一般財団法人民族衣裳文化普及協会が発行している民間資格です。

1級〜3級の3段階に分かれており、同協会指定の講座を受けることで取得できます。
東北から九州まで幅広く開講されている直営教室のほか、全国に200教室ある協会認定教室でも受講可能です。
3級だと着付けの補佐や準備ができるレベル、2級だと他の人への着付けが行えるレベル、1級だと専門的な着付けが行えるレベルとなっています。

 

まとめ

着付けの知識・技術は、美容師にとってキャリアアップに役立つスキルのひとつです。
正しいノウハウを学んでスムーズかつ美しく着付けができるようになれば、お客様の満足度が上がり、指名率の向上や美容師としてのやりがいにもつながります。
ヘアセットの技術やヘアケアの知識に加えて勉強し、新たなセールスポイントとして身につけてみてはいかがでしょうか。

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