業務委託美容室は稼げるの?働くメリット・デメリットを解説します

ここ数年で急激に増え始めた業務委託の美容室。

業界では「業務委託サロン」と呼ばれており、最近特に多くの美容師から支持を受けている新しい形態の美容室です。

業務委託サロンでは美容師が個人事業主(フリーランス)として働くことになります。

歩合の還元率が高く労働時間がシフトから選べるなどのメリットがありますが、その反面デメリットもあります。

メリット・デメリットの両方をしっかりと理解した上で、自分に合った美容室選びをすることが大切です。

最近では、業務委託サロンの中でもいろんな特徴がある美容室が増えてきているので、この記事を読んで自分に合った美容室選びの参考にしてください。

 

1.業務委託サロンとは

業務委託サロンとは、サロン側で店舗の運営・集客を行い、美容師が業務を委託される形でお客様の施術を行うサロンのことをいいます。美容師は個人事業主(フリーランス)として、サロンに雇用されず完全歩合制で働く仕組みです。

サロン側は美容師を雇用しないため、人件費や社会保険料などのコストを抑えられるメリットがあります。

売上に応じて報酬が変動するので、仮に集客がうまくいかなかったとしても人件費をかけずに済み、軌道に乗れば安定した利益を確保した上でスタッフに十分報酬として還元できるというわけです。

一般サロンの場合は人件費が “固定費” ですが、業務委託サロンの場合は人件費が “変動費” になります。赤字のリスクをおさえて経営できる画期的なシステムといえるでしょう。

逆に美容師側は、固定費がかかっていない分、一般サロンにくらべて歩合率・還元率が高くなります。やればやるほど報酬に反映されるため高いモチベーションで仕事をすることができます。

 

2.面貸しと業務委託の違い

『業務委託』とよく混同されがちなのが『面貸し』というシステムです。

労働基準法上ではどちらも「業務委託」という働き方に分類されます。「美容室」対「個人」で取引をする形式で、フリーランスとして働くという点は共通しています。しかし、実際の働き方にははっきりとした違いがあります。

下の表は、一般的に言われている『面貸しサロン』と『委託サロン』の違いをまとめたものです。

委託サロン 面貸し
集客 美容室側が行う 自分の顧客のみ
料金設定 美容室の設定料金に従う

※自分の顧客のみ設定できるサロンもある

自分で設定する
還元率 一般サロンより高い

平均は40~50%

一般サロン・業務委託サロンより高い

平均60%以上

・集客

一番の違いは集客の部分です。

『面貸し』はその名の通り、美容室のセット面を借りて施術をするスタイルです。

よって、基本的には新規やフリーの入客はなく、集客・顧客管理に関してはすべて自分で行ないます。自由度は高いですが、自分を指名するお客様がいないとやっていくことは難しいでしょう。

『委託サロン』は、美容室側が集客を行ないます。新規やフリーのお客様が来店された際には、委託を受けている美容師が順に入客することが多いです。

つまり、自分を指名してくれるお客様以外も入客していくことができます。美容室側で集客したお客様を自分のお客様に変えるチャンスがあることを考えると、集客面でのメリットはかなり大きいといえます。

・料金設定

『面貸し』の場合、セット面を借りるというシステムのため、お客様への料金設定は自由に行います。

それに比べ『委託サロン』の場合は、サロン側で設定された料金で施術を行います。

ただし、「自分の顧客への料金設定は自由に行える」というサロンもあります。

 

・還元率

『面貸し』の場合、サロン側は集客にかける費用なども必要なく、特に費用をかける必要がありません。そのため、『面貸し』の方が『委託サロン』よりも給与の還元率が高くなるのが一般的です。

 

3.業務委託サロンで働くメリット・デメリット

ここでは、委託サロンで働くときのメリット・デメリットを紹介していきます。

一般的に言われるメリット・デメリットを下の表にまとめました。

メリット デメリット
歩合給の還元率が高い 入客がないと収入が不安定
シフト制で選択できる 税金・保険の手続きを自分で行う
マンツーマン接客 研修や勉強会がほとんどない
お金をかけずに集客できる 客単価が低め

ここからは、それぞれの項目について詳しく説明していきます。

メリット

  • 勤務時間・休日を自由に決めることができる

    →多くのサロンがシフト制で働く時間帯を選択できるようにしています。朝から勤務したり、昼以降に出勤したり、1日通しで出勤したり、シフトに合わせて働く時間を選択することができます。

    また土曜日や日曜日を休日にするなどの選択もできることが魅力の1つです。さらに、無理な残業はなく、自分で時間を調整しやすい働き方になっています。

  • 歩合還元率が高いため、集客量と報酬が比例する

    →歩合の還元率が高く、売り上げた分が報酬に反映されるので、集客が強いサロンで指名が増えれば高収入になりやすいです。

  • マンツーマンで接客できる

    →アシスタントがいないため、基本的には1人で接客を行うことになります。かけもち接客が少なくなるので、お客様満足度が向上しやすく、指名が増えやすいことが特徴です。

  • お金をかけずに集客できる

    →基本的に集客は美容室側が行うため、お金や手間をかけなくても入客できるチャンスがあります。

 

デメリット

  • 報酬が固定ではない

    →固定給がないため、集客がうまくいかなかった場合や体調を崩してしまった時には、報酬が低くなるというリスクがあります。

  • 税金・保険などの手続きを自分でやらなければならない

    →開業届出や確定申告などの手続きを自分でしなければいけません。また、確定申告が必須になり、怠ると脱税になってしまいます。

  • 研修・勉強会などがほとんどない

    →美容室側が主催する研修や勉強会はほとんどないため、自分でスキルアップする必要があります。独立してやっていくのに十分な技術がないと厳しい環境であるともいえます。

 

どんな人が働いている?

先ほど紹介した業務委託サロンのメリットに魅力を感じる人は多いのではないでしょうか?

最近業務委託サロンで働く人は、

  • 収入面のメリット
  • 自身のキャリアの将来性
  • 休みや勤務時間を自分で自由に決められる

などにメリットを感じ、希望される方が増えています。

委託サロンの形態も多様化してきており、

  • スタッフの独立を支援する取り組みを行なう委託サロン
  • 女性の働きやすさを追求する委託サロン
  • FCとしてサロンをそのまま譲るサロン

などもあります。

このことからも、独立を考えている実力派スタイリスト、子どもや家族を優先したライフスタイルを求める女性スタイリストなどは、特に業務委託サロンの環境がマッチしていると言えるでしょう。

 

4.業務委託サロンは稼げるの?

前述の通り、業務委託サロンは高い還元率で、売り上げた分が報酬として反映されます。そのため、稼ぎやすい環境であることには間違いありませんが、誰もが稼げるというわけではありません。

これは、どこのサロンでも同じことですが、結局は多くのお客様に指名をいただいている美容師が稼げます。

ここでは、業務委託サロンの還元率の目安などを紹介し、具体的にどれくらい稼げるのかシミュレーションしていきます。

最低保証給とは?

最低保証給とは、出勤日数や労働時間などのサロン側が提示する条件を満たしている場合に保証される報酬のことで、最近では、はじめの数ヶ月間は最低保証給を設定しているサロンが増えてきています。

初めて業務委託サロンで働く人や、入客に自信のない人にとってはありがたい制度といえるでしょう。

一般サロンと同じくらいの時間働けば条件を満たす場合がほとんどですが、条件に関してはサロンによって様々なので、必ず事前に確認するようにしましょう。

 

還元率の目安と月給シミュレーション

業務委託サロンの還元率は、フリーで40%、指名は50%〜60%と幅を持たせているところが多いです。

委託サロン 面貸し
料金設定 美容室の設定料金に従う

※自分の顧客のみ設定できるサロンもある

自分で設定する
還元率 一般サロンより高い

平均は40~50%

一般サロン・業務委託サロンより高い

平均60%以上

還元率の目安と月給シミュレーション

今回は、業務委託サロンで働くフリーランスを想定しシミュレーションを行います。

(例) カット+カラーを合わせ客単価¥5,000・還元率は40%のサロンの場合。

まず、1人あたりの報酬は、¥5,000の40%で2,000円になります。

この金額が基本で、あとはお客様をどれだけ効率よく入客できるかによって売上かわります。

例えば1日10時間勤務で8名入客したとして、 2,000円×8名=16,000円が1日に稼ぐ報酬となります。

仮に24日出勤だとすると16,000円×24日=384,000円/192名が報酬となります。

報酬を上げるためには、指名のお客様を増やすことが一番です。トリートメントなどの追加メニューで単価アップすることも重要になります。

 

集客力のあるサロンで働けば稼げる?

集客はサロン側が行なうと言っても、当然サロンによって集客数は異なります。

売上(=入客数)がそのまま自分の報酬に反映されるので、個人での集客にそれほど自信のない人は集客力のあるサロンを選ぶべきです。

ただし、単純に集客力のあるサロンで働けば多く入客できるというわけではありません。集客数が多くても働くスタイリストの数も多ければ、自分の入客機会は増えません。集客数とスタイリスト数のバランスが大切です。

単価や還元率の他にも、月間の集客数とスタイリスト数は事前に確認するようにしましょう。

稼ぎたい人の場合は、集客数だけでなく、単価や還元率、指名数など、すべてのバランスが重要になります。集客力のあるサロンは単価が低い場合もあるので注意が必要です。

 

5.業務委託サロンで働くときのポイント

キャリアなどの採用条件がある

少し前は、スタイリストとしての経験年数や現場経験の有無が委託サロンで働くためには必要でした。

しかし、現在は「スタイリストとしての経験が浅くてもOK」というサロンも増えています。

そうはいうものの、サロンによって求める人材は変わるので、委託サロンで働きたいという方は、一度ご相談してみることをオススメします。

⇒理想の委託サロン求人探し、相談についてはこちらからどうぞ。

業務委託契約書が必要

業務委託サロンで働く場合は、美容室と個人で契約を交わす必要があります。

後々、「聞いていた話と違う!」といったトラブルを防止するためにも、契約書は交わしておいた方が良いでしょう。取引条件や業務配分などを美容室側と話し合った上で、お互いが合意した内容を書面にしておくことが大切です。

美容室の業務委託契約書について分かりやすくまとまっているサイトもあるので参考にしてみて下さい。

美容室・美容師の経営/保険/情報ブログサイト「R.OA」

 

確定申告などの税金に関する手続き

美容室側に雇用されずに、個人事業主として働くのが業務委託という働き方です。

したがって、確定申告などの税金の手続きを自身で行う必要があります。確定申告を怠ると脱税になってしまうので、税理士に相談するか、自身で行えるようにしておきましょう。

確定申告自体はそこまで難しいものではないので、勉強すれば十分できるようになります。

確定申告について情報がまとまっているサイトもあるので、参考にしてみて下さい。

美容師の確定申告については、こちらの記事を参考にしてください。

 

6.多様化する業務委託サロン

・一般のサロンのように、周りのスタッフが積極的にヘルプに入るサロン

委託サロンで働く美容師は、基本的に個人事業主であるため1人が1人のお客様を見て、1人で完結することが多いです。

しかし、最近は、一般のサロンと同じように複数のスタッフ同士でヘルプしあいお客様をみるというサロンも増えてきました。

ヘルプがあるので、お客様を掛け持ちすることができ、結果的に多くお客様に入客できるようになるのです。

中でも「その人の働き方に合わせてマンツーマンで接客するか、周りがヘルプに入るか自由に選べる」というのが人気です。

 

・郊外にも広がる委託サロン

都市部を中心に増えていた委託サロンは、主要都市周辺の郊外にも増えてきています。

関西だと、枚方市・高槻市・姫路市・西宮市などにも多数のサロンがあります。

特徴としては、顧客の定着率が高いことです。ライバルが都市部に比べると少ないので、1度きてもらい満足してもらうことができればリピーターも多いのが郊外型委託サロンの特徴です。

都市部よりも稼いでいるスタイリストも多くいます。

 

・別ブランドとして展開する業務委託サロン

最近では、正規雇用で美容師を雇っている一般サロンが、別ブランドで業務委託サロンを展開するケースも増えてきています。

例えば、一般サロンで働いていた女性スタッフが結婚・出産を経てパートタイムで働きたい場合、今度は業務委託サロンで働くことができる。自分が今まで働いていた店舗のオーナー・会社が運営する業務委託サロンなら信頼できますよね。

このようにサロン体系の違うブランドを運営することで、スタッフがキャリアに合わせて働き方を選べる環境を提供しているサロンもあります。

 

・研修制度が充実しているサロン

業務委託サロンで働く美容師は基本スタイリストなので、サロン側で教育や研修を行うことはほとんどありません。

しかし、最近はサロンで勉強会を開催したり外部講師を呼んだりと、研修に取り組める環境を提供するサロンも増えてきています。

スタイリストとはいえ、常に技術向上したいと思っている人がほとんどで、新しい技術や薬剤に対応する必要もあります。

そのため、研修制度が充実しているサロンは、スタイリスト歴が短い美容師などでも働ける業務委託サロンとして人気です。

 

・おしゃれな店内のサロン

業務委託サロンも、サロンごとの個性を出し、おしゃれな内装のサロンが増えてきています。

働く美容師さんの力に頼るのでなく、サロンも一緒にお客様の満足度をあげて行こうという取り組みの1つです。

サロン側がしっかりとバックアップを行い、業務委託で働く美容師さんの入客を手助けすることでリピーターを増やすことを目指しています。

 

7.まとめ

いかがだったでしょうか?

今回紹介したように、業務委託サロンは必ずしも稼げるようになるわけではありませんが、稼ぎやすい環境であり、時間に縛られない働き方を実現できることは間違いありません。

まずは「一般サロンと業務委託サロンのどちらが自分に合う環境か」を考え、その上でどんな美容室で働きたいかを考えることが大切です。

美容師にとって美容室選びはとても重要なので、事前に情報収集を行い、自分が理想とする美容室を見つけましょう。

インターネット検索では、どうしてもサロンの特徴などを詳しく知ることは難しいと思います。詳しく知るためには、実際に働いている人に話を聞いてみたり、美容業界の求人サイトに相談するのがおすすめです。

当サイトを運営するキレイビズでも、関西を中心に美容室探しのお手伝いをしています。

理想の美容室探しのためになる情報を提供しているので、是非一度ご相談下さい。業界事情や美容室の特徴を熟知した担当者がお話をうかがいます。

 

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