美容学校に入学して最初に直面する大きな壁が「ワインディング」ではないでしょうか。
「そもそもワインディングとは何のこと?」「国家試験で合格するにはどうすればいい?」と不安を感じている方も多いはずです。
この記事では、ワインディングの定義から国家試験の合格基準、タイムを縮める具体的なコツまで、専門家が分かりやすく解説します。
この記事を読めば、効率的な練習方法が分かり、技術教育に強いサロン選びのヒントも得られます。
まずは結論!ワインディングの基本概要と国家試験の配分タイム
ワインディングとは、パーマをかける際に髪をロッドに巻き付ける工程のことです。
美容師免許を取得するための実技試験における必須課題であり、避けては通れない技術です。
試験の全体像を把握するために、まずは基本データを表で確認しましょう。
・競技時間:20分
・準備時間:7分
・ロッド本数:50本以上55本以内
・使用ツール:ロッド、ペーパー、輪ゴム、コーム、クランプ
ワインディングを制する者は、国家試験を制すると言っても過言ではありません。
合格ラインを突破するための詳細を深掘りしていきます。
美容師の基礎「ワインディング」とは?主な目的と2つの役割
ワインディング(Winding)とは、英語で「巻く」「うねる」を意味する言葉です。
美容業界では、パーマ液の効果を出すために、髪をロッド(プラスチック製の筒状の道具)に巻き付ける作業を指します。
この工程が不十分だと、狙い通りのウェーブを作ることはできません。
ワインディングには大きく分けて以下の2つの役割があります。
1.パーマの基礎:ロッドに髪を巻き付けウェーブを作る技術
2.国家試験の必須課題:美容師免許取得のための登竜門
それぞれ解説していきます。
1.パーマの基礎:ロッドに髪を巻き付けウェーブを作る技術
ワインディングの最大の目的は、お客様の髪に理想的な動きやボリュームを与えることです。
薬剤を塗布した髪をロッドに巻くことで、髪の内部構造が変化し、ウェーブが形状記憶されます。
例えるなら、料理の「仕込み」のようなものです。
仕込みが丁寧であればあるほど、最終的な料理の完成度が高まるのと同様に、ワインディングの精度がパーマの持ちや再現性を左右します。
中学生にも分かりやすく言えば、「髪にクルクルの形を覚えさせるための準備」がワインディングです。
2.国家試験の必須課題:美容師免許取得のための登竜門
日本で美容師として働くためには、厚生労働省が指定する国家試験に合格しなければなりません。
ワインディングは、その実技試験における第一課題または第二課題として長年採用されています。
この試験では、単に巻ければ良いわけではなく、制限時間内に規定の形を完成させる能力が求められます。
技術の正確性とスピード、そして衛生面での配慮が厳格に審査されるため、多くの学生が血の滲むような練習を繰り返します。
プロとして最低限必要な指先の器用さと、集中力を証明するための重要なステップです。
美容師国家試験におけるワインディングの「5つの合格基準」
国家試験のワインディング審査は、減点方式で行われます。
いくら仕上がりが綺麗でも、ルールに反していれば不合格になってしまいます。
特に注意すべき合格基準は以下の5つです。
1.制限時間:20分以内
2.ロッドの本数:50本以上55本以内
3.ブロッキング:正確なスライス
4.ゴム掛け:ロッドに対して平行
5.仕上がりの美しさ:毛先のハネがない
これらを完璧にこなすことが、合格への最短距離です。
1.制限時間:20分以内に全ての工程を完了させる
ワインディングの試験時間は20分間と定められています。
この時間内に、ブロッキングから全てのロッドを巻き終え、後片付けの準備を整える必要があります。
1秒でも過ぎてしまうと未完成扱いとなり、合格は絶望的になります。
練習段階では18分程度で巻き終えるスピードを身につけておかなければ、本番の緊張感の中で余裕を持って完遂することは難しいでしょう。
スピードアップには、無駄な動作を極限まで削ぎ落とす「動作の効率化」が不可欠です。
2.ロッドの本数:50本以上55本以内の規定を遵守する
試験では、全頭に巻くロッドの本数が50本以上55本以内と厳格に決められています。
本数が足りなかったり、多すぎたりした場合は大きな減点対象です。
基本的には、頭の部位ごとに使用するロッドの色とサイズが決まっています。
「このエリアには10本」といった構成を完全に暗記し、体に染み込ませる必要があります。
中学生にも分かりやすく言うと、パズルのピースの数が決まっているのと同じで、決められた数で頭全体を埋め尽くさなければなりません。
3.ブロッキング:正確なスライスと左右対称のバランス
ブロッキング(Blocking)とは、髪をいくつかのブロック(区画)に分ける作業のことです。
国家試験では、通常6〜8個のブロックに分けますが、この区分けが曲がっていると後の仕上がりに影響します。
スライス(髪を分け取る線)が一直線で、かつ左右対称であることが求められます。
地盤沈下した土地に立派な家が建たないように、ブロッキングが乱れているとロッドを綺麗に並べることは不可能です。
正確なブロッキングこそが、美しいワインディングの土台となります。
4.ゴム掛け:ロッドに対して平行かつ適切な位置での固定
ロッドを巻き終えた後、髪が解けないように輪ゴムで固定します。
このゴムの掛け方にも「平行掛け」や「8の字掛け」などのルールがあり、試験ではロッドに対して平行に掛けるのが基本です。
ゴムがねじれていたり、ロッドの根元を強く圧迫しすぎて「ゴム跡」がつくような状態は減点対象となります。
適切なテンション(張る力)で、見た目にも美しく止める技術が必要です。
髪を傷めず、かつ確実に固定するという、プロとしての細やかな配慮が評価されます。
5.仕上がりの美しさ:毛先のハネやゆるみがない状態
最終的な見た目の完成度は、審査官が最も厳しくチェックするポイントの一つです。
特に、ペーパー(髪を包む紙)から毛先がはみ出していたり、ロッドが根元から浮いていたりすると評価が下がります。
ロッドが規則正しく整列し、隙間なく美しく収まっている状態を目指します。
「毛先一本の乱れも許さない」というプロ意識が、仕上がりの美しさに直結します。
誰が見ても「整っている」と感じる統一感が、合格を確実にするための鍵となります。
タイムが縮まる!ワインディングを早くきれいに仕上げる5つのコツ
「どうしても20分の壁が超えられない」と悩む方は非常に多いです。
がむしゃらに練習するだけではなく、論理的なコツを掴むことでタイムは劇的に縮まります。
以下の5つのポイントを意識してみてください。
1.ブロッキングの速度
2.シェーピングの精度
3.オンベースの角度
4.ペーパーの挟み方
5.フォームの自撮り
具体的な改善策を一つずつ見ていきましょう。
1.ブロッキングを制する者はタイムを制する
タイム短縮の鍵は、実は巻き始める前のブロッキングにあります。
多くの学生がブロッキングに2分以上かけてしまいますが、ここを1分以内に終わらせることで、巻きの時間に余裕が生まれます。
迷いなく一太刀でスライスを引く練習を繰り返してください。
コーム(櫛)の先端を頭皮から離さず、狙った位置まで一気に動かすのがコツです。
ブロッキングを短縮できれば、精神的なゆとりが生まれ、指先の震えも抑えることができます。
2.シェーピングで毛流れを整え、一発で巻き込む
シェーピング(Shaping)とは、髪をコームでとかして整える動作のことです。
何度も髪をとかし直していると、それだけで数秒のロスが発生します。
「一回のシェーピングで毛流れを完璧に整える」という意識を持ってください。
根元から毛先まで一気にコームを通し、髪の面を整えることで、ロッドへの吸い付きが良くなります。
中学生にも分かりやすく言うと、折り紙を折る前にシワを伸ばす作業と同じで、最初の一回でピシッと整えるのがプロの技です。
3.常に「オンベース」を意識した角度で引き出す
オンベースとは、髪を頭皮に対して垂直に引き出す状態を指します。
この角度がずれると、ロッドが根元に収まらず、隣のロッドとぶつかってタイムロスの原因になります。
常にパネル(分け取った髪の束)が頭の丸みに対して直角になっているかを確認しましょう。
姿勢が崩れると角度も狂いやすいため、足の位置や腰の高さを一定に保つことも重要です。
正しい角度で引き出すことができれば、ロッドは自然と最適な位置に収まってくれます。
4.テンションを緩めず、ペーパーを正しく挟み込む
テンションとは、髪を引っ張る強さのことです。
髪がたるんでいるとペーパーが滑ってしまい、巻き直しの原因になります。
指先でしっかりと髪をホールドし、適度な張りを維持したままペーパーを添えてください。
ペーパーが髪をしっかり包み込んでいれば、ロッドへの巻き付けがスムーズになります。
「一発で決める」という集中力が、塵も積もれば山となるタイム短縮へと繋がっていきます。
5.練習をスマホで自撮りして、自分のフォームを客観視する
自分では正しく動いているつもりでも、実際には無駄な動きが多いものです。
上達が早い学生は、自分の練習風景をスマートフォンで動画撮影し、見本と比較しています。
コームを持ち替える動作や、ロッドを手に取るまでの視線の動きなど、ミリ単位の無駄を見つけてください。
スポーツ選手がフォームをチェックするのと同じで、客観的な視点を持つことが上達の最短ルートです。
動画で自分の「癖」を特定し、それを一つずつ修正していく作業が、確実なスキルアップをもたらします。
国家試験だけじゃない!ワインディング練習が将来のキャリアに活きる3つの理由
「最近のサロンワークではこんなに巻かないよ」という声を聞くこともあるかもしれません。
しかし、ワインディングの練習は決して無駄ではなく、将来売れっ子美容師になるための土台となります。
その理由は主に以下の3つです。
1.正確なスライス技術
2.骨格の理解
3.やり抜く力の養成
それぞれ具体的に解説します。
1.正確なスライス技術がカットやカラーのスピードに直結する
ワインディングで鍛えられた「正確に髪を分け取る力」は、全ての技術の基本です。
例えばヘアカットの際、スライスが1ミリずれるだけでスタイルが崩れてしまいます。
1ミリ単位の正確な仕事を20分間続ける集中力は、将来の施術スピードを底上げします。
カラーリングにおいても、正確なブロッキングができれば塗りムラが防げ、仕事の効率が上がります。
ワインディングは、美容師としての「手の精度」を磨くための最高のトレーニングなのです。
2.頭の形(骨格)を理解する「設計図」の感覚が身につく
ワインディングは、球体である頭部に平面のパーツ(ロッド)を隙間なく並べる作業です。
これを行うことで、お客様一人ひとり異なる「頭の形」を立体的に捉える力が養われます。
「どこにボリュームを出し、どこを抑えるか」という感覚は、ヘアデザインの根幹です。
中学生にも分かりやすく言うと、頭の地図を指先で覚えるようなものです。
この「設計図」が頭の中に出来上がっている美容師は、どんな髪型でも迷いなく作ることができるようになります。
3.目標に向かって反復練習する「やり抜く力」が試される
美容師の仕事は、華やかに見えて地道な努力の連続です。
ワインディングという、一見単調で苦しい練習を乗り越えた経験は、大きな自信に繋がります。
「できないことができるようになる」という成功体験は、スタイリスト昇格までの長い道のりを支える糧となります。
困難な壁にぶつかった時、ワインディングを克服した記憶が「自分ならできる」という自己肯定感を生みます。
技術だけでなく、美容師としての強いメンタルを育む貴重なプロセスなのです。
【美容学生・アシスタント必見】技術に不安があるなら「教育体制」でサロンを選ぼう
ワインディングの練習に励む中で、「自分には才能がないかも」と不安になることもあるでしょう。
しかし、技術の習得スピードは本人の努力だけでなく、周囲の「教育環境」に大きく左右されます。
自分に合った環境を選ぶために、以下のポイントをチェックしてください。
1.自主練任せかカリキュラム重視か
2.良い先輩の見分け方
3.キレイビズの活用
適切な環境選びが、あなたの美容師人生を輝かせます。
1.「自主練任せ」か「カリキュラム重視」かで成長速度が変わる
サロンによって、教育へのスタンスは驚くほど異なります。
「空いた時間に勝手に練習してね」という放任主義のサロンもあれば、週に数回、体系的なレッスン時間を設けているサロンもあります。
特に不器用だと自覚している方は、教育カリキュラムが明確なサロンを選ぶべきです。
マンツーマンで指導してくれる先輩がいる環境なら、間違った癖がつく前に修正してもらえます。
成長のステップが可視化されているサロンは、モチベーションを維持しやすいというメリットもあります。
2.ワインディングが得意な先輩がいるサロンの見分け方
「技術が高いサロンで働きたい」と思うなら、サロン見学の際に先輩たちの仕事ぶりを観察してみましょう。
ワインディングが上手い人は、道具の扱いが丁寧で、無駄な動きが一切ありません。
また、コンテストへの入賞実績があるスタッフが在籍しているかも一つの指標になります。
高い基準を知っている先輩から教わることで、あなたの技術レベルも自然と引き上げられます。
「誰に教わるか」は、技術者としてのスタートラインにおいて極めて重要な要素です。
3.キレイビズなら「教育充実」のサロンをプロのアドバイザーが提案
自分一人で全国に数万ある美容室から、教育体制の良いサロンを見つけ出すのは至難の業です。
そこで活用していただきたいのが、美容業界特化の求人サイト「キレイビズ」です。
キレイビズでは、業界に精通したアドバイザーが、あなたの希望や苦手分野に合わせたサロンを紹介します。
「技術を一から丁寧に教えてほしい」「ワインディングの練習をしっかりサポートしてほしい」といった要望を伝えるだけで、最適な職場を提案してくれます。
一人で悩まず、プロの力を借りて、あなたが最も輝ける場所を見つけましょう。
まとめ:ワインディングをマスターして一流の美容師への一歩を踏み出そう
ワインディングは、美容師としてのキャリアにおける最初で最大の挑戦です。
国家試験の合格基準を理解し、正しいフォームとコツを意識して練習すれば、必ずタイムは縮まります。
そして何より、この地道な練習が将来のお客様を笑顔にする技術に直結していることを忘れないでください。
もし、今の練習環境に不安を感じたり、もっと自分を磨けるサロンで働きたいと思ったりしたら、ぜひ「キレイビズ」を覗いてみてください。
技術向上を全力でバックアップしてくれるサロンが、あなたを待っています。
あなたの努力が実を結び、素晴らしい美容師になれるよう応援しています。



