美容系の仕事の中でも、昔から根強い人気がある職種が「ネイリスト」。
指先にデザインを施すことでお客様を笑顔にできるやりがいのある職業ですが、華やかなイメージがある一方で、憧れだけで続けていける楽な仕事ではありません。
多くの知識・技術やセンス、接客スキルが求められ、継続的な努力や忍耐が必要です。
誰でも簡単になれる職業ではないため、事前にネイリストとしての適性を知っておきましょう。
本記事では、ネイリストに向いている人・向いていない人の特徴や、「私には向いていないかも……」と不安に感じている方に向けた対策をお伝えします。
「自分にできるか分からず行動できていない」「プロを目指すか迷っている」という未経験の方や、「これからネイル業界でキャリアを築きたい」「キャリアアップのヒントを見つけたい」と考えている現役ネイリストさんは、ぜひ最後までご覧ください。
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ネイリストに向いている人とは?
ネイリストになるためには「ネイルが好き」という気持ち以外にも、さまざまな素質が求められるでしょう。
まずは、ネイリストに向いている人の特徴をご紹介します。
1.ネイルやトレンドが好き
大前提として、ネイリストとして長く活躍するなら、ネイルが好きであることはとても大切な要素になります。
ネイルに使用する技術は常に進化し続けており、トレンドの移り変わりも早い業界です。
例えば、数年前は3Dアートやスカルプチュアで長さ出しをしたネイルが人気でしたが、最近はマグネットネイルやニュアンスカラーなどナチュラルなネイルが主流ですよね。
「好きこそ物の上手なれ」ということわざがあるとおり、好きなことだからこそネイルに関する情報を積極的にキャッチして、自分の知識や技術をアップデートしていけるでしょう。
「仕事だから」という義務からではなく、楽しみながら日々ネイルについて学び続け、お客様への施術に流行を取り入れられる方は、ネイリストとしての素質があります。
また、ネイルはオシャレの一環なので、ネイルだけでなく美意識やファッション感度も高いことが求められます。
お客様の服装やメイクにどんなネイルが合うのか、全体で見たときのバランスも考えながら提案を行う必要があるでしょう。
- ネイルのことを考えると時間が経つのを忘れる
- 友達や芸能人など他の人のネイルも気になる
- ファッションや美容のことがいつも頭にある
- 流行に敏感でおしゃれが好き
- SNSやメディアで美容の情報を集めるのが趣味
上記に当てはまる方には、ネイリストが向いていると言えます。
2.細かい作業が得意
ネイリストは、爪という数センチ四方の小さなキャンバスにアートを施す職業です。
ベースの色を塗るだけでなく、細い筆でモチーフやキャラクターのイラストを描いたり、小さなストーンやパーツを並べたり、フレンチネイルの細いラインを引いたりするケースも。
数ミリでもズレればデザインのバランスが崩れて完成度が下がりますし、根元からジェルが塗れていなければクレームにつながることもあります。
細かい作業が多いので、手先が器用で苦にならず、細部にまでこだわって丁寧に仕上げられる方はネイリストとしての適性が高いと言えるでしょう。
また、一日中同じ姿勢で何人ものお客様に対応するため、繊細な作業に長時間没頭できる集中力や忍耐力も求められます。
3.接客・会話が好き
ネイリストとしてお客様に喜んでいただくためには、ネイルの技術力やデザイン力だけでなく、接客力も欠かせません。
コミュニケーションを取ることが好きな人はネイリストに向いています。
ネイルサロンに来るお客様の中には、「爪をキレイにしてほしい」という想いに加え、「会話を楽しみたい」「リフレッシュしたい」と考えている方も多くいらっしゃいます。
技術職であると同時に接客業であることを意識して、楽しく会話できるネイリストは重宝されます。
話し上手じゃなくても、うまく聞き役に回れるタイプや柔軟な対応が得意なタイプなら問題ありません。
その日のお客様が会話を楽しみたい方なのか?静かに施術を受けたい方なのか?を感じ取って接客方法を調整しましょう。
また、ネイルの施術に入る前のカウンセリングでは、ヒアリング力が求められます。
お客様が求めるデザインを提案するために、好みやニーズ、ネイルの目的や生活スタイルなど希望を細かく把握しなくてはなりません。
中には自分のイメージを上手く伝えられないお客様もいらっしゃるので、どれだけ汲み取れるかはコミュニケーションスキル次第です。
4.体力的にも精神的にもタフ
華やかなイメージのあるネイリストは、実は体力勝負の仕事です。
10本の爪に細かいデザインを行うので、1回の施術で1時間〜2時間程度かかるのが一般的。
難しいデザインやフットネイルもセットでご希望のお客様だと、3時間以上かかる場合も。
また、1日に何時間も同じ前かがみの姿勢が続き、かつ予約の多い日は忙しくて休憩をとれないことがあります。
営業後はハンドモデルを呼んで技術の練習をしたり、休日に講習会へ参加したりと、実質の休みも少なくなりがちです。
手の腱鞘炎や肩こり、腰痛、目の疲れ、ストレートネックなどの症状に悩まされているネイリストは少なくありません。
このような過酷な状況であるうえ、接客業である以上、クレームやお客様とのトラブルが発生するケースも。
ネイリストとして働いていくためには、かなりの体力と、ストレスを溜め込まない精神力が求められます。
5.コツコツ努力できる
どんな仕事にも当てはまりますが、コツコツ努力できるタイプの人はネイリストの業界でも成功しやすいです。
次のように向上心があり、スキルアップに前向きに取り組む姿勢が求められます。
- 最新情報を積極的に取り入れる
- 新しい道具やアイテムを試す
- 講習会やネイルイベントに参加する
- ネイルに関する雑誌を定期的に読む
- ネイルに関連する資格を取る
- ネイルの大会に出場する
「2週間に1回は勉強会に出る」のような目標を立ててモチベーションを保つ方法もおすすめです。
また、お客様に喜んでもらうことにやりがいを感じられる人もネイリストにぴったり。
尽くすことが好きな人や、お客様の気持ちを考えられる人は、毎日同じようなサロンワークが続く日々の中でも根気強く努力を続けられるはずです。
6.絵やデザインのセンスがある
絵やデザインが得意な人、美的センスが優れている人はネイリストに適しています。
ネイルアートは色の組み合わせやパーツ・模様の配置などが少し違うだけでガラリと印象が変わります。
お客様の好みに合わせながら、トレンドのデザインや季節に合うデザインを取り入れるスキルが必要です。
流行をチェックしたり、人気のデザインを学んだり、あるいはネイルとは一見関係のない絵画や美術作品に触れたりすることで、徐々にこれらのセンスが磨かれていくでしょう。
また、お客様が口頭で伝えたイメージや自分の頭の中にあるイメージを形にすることが得意な人もネイリスト向き。
お客様によっては希望のデザイン写真を持参しておらず、「とにかく派手にしたい」「おしゃれで仕事の邪魔にならないデザイン」「リボンを入れたい」など抽象的なイメージしかない場合があります。
このようなケースでは質問の仕方を変えたり、サンプルになりそうな画像を提示したり、実際に描いてみたりしながら、完成形のイメージを固める作業が必要です。
デザインの引き出しが多く、臨機応変に対応できるネイリストはお客様に喜ばれるでしょう。
7.協調性がある
ネイリストの仕事は、お客様と1対1で向き合う仕事です。
しかし、個人サロンでない場合はひとりで黙々と取り組むというよりも、チームとして上手く分担しながら働く必要があります。
いっしょに働く先輩も後輩も同僚もほとんどが女性なので、協調性があって円滑にコミュニケーションを取れる人が向いています。
人間関係が円滑な職場は、トラブルやクレームが発生した際もスムーズに対応しやすいです。
また、切磋琢磨してスキルや知識を磨き上げることができ、モチベーションの維持にも影響するでしょう。
逆にネイリストに向いていない人って?
ここまでは「どんな人がネイリストに適しているのか?」をお伝えしてきましたが、続いてはネイリストに向いていない人の特徴をご紹介します。
いざネイリストを目指してみて「やっぱり自分には合っていないかも……」と悩むことがないように、事前に知っておくと安心です。
ただし、当てはまっているからといってネイリストになれないわけではありません。
どうやって克服すべきかといった対処法も合わせて解説します。
1.手先が不器用・大雑把
細かい作業が得意でない方、目の前の作業に集中するのが苦手な方は、まずは技術力を高めるための反復練習が必要になります。
ネイリストはお客様の大切な手を預けていただく職業なので、「これくらいでいいや」という雑な対応は絶対NGです。
ひとつひとつの作業の積み重ねで作り上げていくため、どこかで手を抜くと仕上がりが悪くなり、クレームになることも。
また、大切な爪や皮膚を傷つけてしまうようなトラブルにも要注意。
今「手先が不器用」「大雑把になってしまう」と悩んでいるなら、毎日の練習を諦めずに続けていきましょう。
2.人と話すのが苦手
ネイリストとしてのスキルがどれだけ高くても、接客がイマイチだとリピートしてもらうことは難しいでしょう。
ネイルの施術は通常1〜3時間ほどかかり、最中は手が塞がってしまうため、「ネイリストと会話を楽しみたい」と考えるお客様が多いです。
うまく会話ができず無言になると「気まずい」「暇だ」と満足度の低下につながってしまう可能性も。
- お客様の名前、前回の施術内容、好みのテイスト、趣味などパーソナルな情報を覚えておく
- 会話を広げられるように、ネイルや美容以外の情報も幅広く知っておく
- 質問力を高める(いくつか質問の定型文を用意しておくと◎)
- 話す割合が相手7割、自分3割ほどになるよう心がける
- サロン内の温度や施術中の体勢などが問題ないか細かく気配りする
など丁寧な接客が大切です。
働いていくうちに慣れる部分ではありますが、コミュニケーションや会話に苦手意識がある方は対人スキルを高めるトレーニングを取り入れてみましょう。
3.体力やストレス耐性が低い
先述のとおり、ネイリストとして働き続けるなら体力・精神力ともにタフさが求められます。
疲れやすい方やストレスを溜めやすい方は、健康的に長く仕事を続けられるように、リフレッシュ方法を身につけておくと安心です。
- 定期的な運動習慣を取り入れて体力をつける
- ストレッチやヨガで体をほぐす(施術の合間にできるものだと◎)
- 休息や睡眠を上手に取ってコンディションを保つ
- 予約をコントロールして無理のないスケジュールを立てる
- 自分にあったストレス発散法を探す
4.向上心・探究心がない
ネイルの技術は一朝一夕で身につくものではなく、また日々進化しているため継続的に学ぶ姿勢が大切です。
また、最新の技術に対応できないネイリストやトレンドに疎いネイリストは、お客様からの指名が減ってしまいがち。
「もっと上手になりたい」「苦手な部分を克服したい」「新しいネイルを提供したい」と、向上心・探究心を持って努力できる人でなければ難しいかもしれません。
- 人気のネイリストのSNSをチェックする
- ネイリスト向けのセミナーや研修に定期的に参加する
- 新しい資格を勉強・取得する
- 異なるジャンルのファッション誌に目を通す
- 世間一般のニュースや流行もチェックする
これらの努力はアイデアの引き出しを増やすことやデザインの幅を広げること、そしてスムーズな接客に役立ちます。
学んだ技術や知識をもとにお客様に新鮮な提案ができると、リピーターの獲得にもつながるでしょう。
関連記事:ネイリストを独学で目指す方法は?メリット・デメリットやポイント、他の勉強方法も紹介
まとめ
ネイリストはお客様の喜んでいる姿を直接見ることができ、スキルを向上し続けられる魅力的な職業です。
ストイックな技術職でありながら接客業でもある難易度の高い専門職なので、華やかな印象だけで目指してしまうと「思っていたより大変かも」とギャップを感じるケースもあるでしょう。
「ネイルが好き」という気持ちをベースに、本記事で紹介したネイリストに向いている特徴や素質を抑えて、楽しみながら知識や技術を身につけていきましょう。
最初は「向いていないかも」と思っていても諦めずに努力し続ければ、信頼して任せてもらえるプロのネイリストとしての道が拓かれていくはずです。
苦手な部分も徐々に克服しながら、自分らしい方法でネイリストとしてのキャリアアップを目指してみてくださいね。
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