少し昔の美容業界は、長い勤務時間、レッスンという名の半強制的な残業、社会保険未完備といった、厳しい労働環境が当たり前でした。
しかし、近年は、美容師の働き方や労働環境も改善される傾向にあり、「子どもを育てながら美容師を継続する」ことが実現できるようになってきています。
育休・産休制度の整ったサロンが増えるなど、子育てや家庭と美容師の仕事の両立を積極的に応援するというサロンも増えてきました。
美容師がクリアすべき壁
- 子供を預ける保育所の問題
- 勤務時間の問題
- 扶養の問題
- 病気など急なトラブルへの問題
美容師に限った話では無いかもしれませんが、子育てをしながら美容師を続けるためにクリアしないといけないのは、主にこれらのことではないでしょうか。
「サロンの勤務環境」を改善が必要な問題であったり、保育所など「子育ての環境」を改善する必要があったりします。
サロンの労働環境の改善
今の美容室の労働環境は、悪い方向には向かっていません。
年々待遇も良くなっていますし、社会保険完備の美容室も増えています。
数年前に比べると、給与面も条件面も改善されてきていますし、育児をしながらでも仕事をすることは十分可能です。
労働環境の改善に力を入れている美容室の中には、「子育て」や「ママ美容師」「出産や育休後のブランクある美容師」の積極採用に力を入れているサロンが出てきています。
そのようなサロンには、同じような境遇の人が集まりやすく、その結果、自然と助け合いが起こり、ママ美容師にとって働きやすい職場へと変わっていっています。
子育てを支援しているサロンが取り入れている制度
子育てに力を入れているサロンは様々な制度を取り入れています。
時短勤務シフトの導入
美容室の中には、育児をおこないやすいように時短勤務のシフトを導入しているサロンがあります。
時短勤務制度をつかう美容師のほとんどは、子育てと仕事を両立させたいと考えている人です。
時短勤務の場合、16時〜17時といった早めの時間に仕事を終えることになります。
保育所に迎えにいったり、ご飯の準備をしたり、家事や育児の時間を確保することができます。
保育所への入所支援
昨今、特に都心部で待機児童が増えていることが社会全体の課題になっているように、子育てをしながら仕事を続けるためには保育所に子どもを預ける必要があります。
保育所への入所時に「就業証明書」の提出を求められることがあります。
保育の必要な世帯であるかどうかの簡単な審査のようなものです。
そのため、保育所を探す前に、まずは子育てに理解のあるサロンへの就職活動をして、就業証明書を入手できる状況になってから保育所へ申請するという方もおられます。
子育ての支援に積極的なサロンの場合、保育所への対応についても理解していることが多いので、早めに内定を出したり、保育所に子どもを預けるまではシフト数を減らすなどの協力的な対応をしてくれるところもあります。
時間効率の良い「業務委託」
社員やパートではなく、自分の技術を生かして「業務委託」として働く選択肢もあります。
業務委託は、通常のサロンワークよりも時間の融通がつきやすく、かつ、美容師への還元率も高いので短い時間でも効率よく収入を得ることができます。
しかし、業務委託は会社員ではないので社会保険は個人負担となります。
キレイビズにくる相談の中にも、子育てと仕事を両立するために「業務委託」について知らない方が多いのですが、是非、選択肢に入れていただきたい情報の一つです。
業務委託サロンの数も最近はかなり増えてきていますので、勤務場所や条件も様々なサロンから選べる環境になっています。
意外と重要なサロンの空気感
実際に、子育てと仕事を両立している美容師の方に話を聞くと、制度も大切ですが、”空気感 “が重要と話をされていました。
いくら、時短勤務や育休・産休の制度があっても、そのようなスタッフを受け入れた経験がないサロンだと「取りづらい・使いづらい空気」が出てしまうことがあります。
そうなると、働く人も制度を申請しづらくなったり、居づらくなったり、仕事へのストレスが強くなっていきます。
そうならないために重要なことが空気感です。
- 周りに同じような境遇のスタッフがどのくらいいるのか?
- そのようなスタッフは、実際にどんな働き方をしているのか?
といった、制度を活用できる場所かどうかを見極めることがサロン選びでは大切になってきます。
まとめ
ここまで述べてきたように、仕事と育児・家庭を両立できるように様々な支援体制を整備しているサロンが最近は増えてきています。
中には、一度、現場から離れてブランクのある美容師のために研修制度を設けているようなサロンもあり、希望の条件を叶えてくれる職場もきっとみつかると思います。
女性の働く環境を大切にしているオーナーさんもたくさんおられるので、転職や就職に悩まれたら、お気軽に相談してください。