ネイリストの仕事内容とは?1日の流れから働き方別の特徴、必要なスキルなどを解説

指先に美しいアートを施し、お客様を笑顔にする「ネイリスト」。

キラキラと輝くパーツや多彩なカラーに囲まれ、自分の「好き」を仕事にできる、華やかでクリエイティブな職業というイメージを持つ方も多いでしょう。

 

「ネイリストの仕事って、ネイルを塗る以外に何をするの?」

「仕事の流れはどんな感じ?体力的にきつくない?」

「プロとして活躍するには、どんなスキルが必要なの?」

 

などの疑問を持つあなたのために、本記事ではネイリストの仕事内容を徹底的に解説します。

ネイリストを目指す美容学生の方や美容関係の仕事に興味のある方、キャリアアップを考える現役ネイリストの方はぜひ最後までご覧ください。

 

ネイリストの主な仕事内容

ネイリストの仕事は、お客様の爪にアートを施す「施術」だけではありません。

お客様に最高の時間とサービスを提供し、サロンを円滑に運営するための様々な業務で成り立っています。

ここでは、ネイリストの仕事を大きく3つに分類して見ていきましょう。

 

1. お客様を輝かせる「施術業務」

 

ネイリストのメイン業務であり、専門性が最も発揮される部分です。

お客様の爪の状態や要望に合わせて、様々な技術を駆使します。

 

ネイルケア(爪のお手入れ)

 

美しいネイルの土台を作るための最も基本的な業務です。

 

  • ファイリング
    爪の長さや形をファイル(やすり)で整えます。
  • 甘皮処理(キューティクルケア)
    爪の根元にある甘皮を柔らかくし、余分な角質を押し上げ、カットします。
  • バッフィング
    爪の表面の凹凸を滑らかに整え、艶を出します。
  • リペア(補修)・オフ
    伸びてきたネイルのお直しや、亀裂の入った爪の補修、ジェルネイルの付け替え(オフ)などを行います。
    特にジェルオフは、自爪を傷つけないよう専門的な知識と丁寧な技術が必要です。

 

カラーリング

 

お客様の希望や肌の色に合わせて、色を塗っていきます。

 

  • ネイルポリッシュ(マニキュア)
    除光液で落とせる手軽なカラーリング。
  • ジェルネイル
    UV/LEDライトで硬化させる樹脂製のジェル。
    艶と持ちの良さが特徴で、現在の主流です。

 

ネイルアート

 

デザインの要となるクリエイティブな作業です。

 

  • ペイントアート
    細い筆を使って花や模様などを描きます。
  • 3Dアート
    アクリル樹脂(ミクスチュア)を使い、立体的なアートを作ります。
  • パーツ・ストーンの配置
    ラインストーンやパール、スタッズなどを配置し、デザインを華やかにします。
  • フレンチ、グラデーション、マーブルなど
    定番からトレンドまで、様々な技法を駆使します。
  • イクステンション(長さ出し)
    アクリルやジェルを使い、爪を長く見せる技術です。

 

2. サロンを支える「サロン運営業務」

 

お客様が快適に過ごし、サロンが円滑に運営されるために欠かせない業務です。

特に小規模なサロンでは、ネイリスト自身がこれらの業務の多くを担います。

 

  • カウンセリングと接客
    お客様の希望のデザイン、爪の悩み、ライフスタイル(水仕事が多いなど)、アレルギーの有無などを丁寧にヒアリングし、最適なメニューやデザインを提案します。
    施術中の楽しい会話も、お客様の満足度を高める重要な要素です。
  • 予約管理・電話対応・会計
    予約システムや電話での予約受付・変更対応、施術後の会計業務を行います。
  • 器具の洗浄・消毒
    ニッパーやファイルなど、お客様の肌に触れる器具は、使用後必ず洗浄し、紫外線消毒器(ステリライザー)やエタノールなどで徹底的に消毒します。
  • 店内の清掃
    施術デスク周り、床、トイレなどを常に清潔に保ちます。
  • 在庫管理・発注
    ジェルやパーツ、消毒液などの消耗品の在庫を確認し、不足分を発注します。
    新色ジェルや新しいパーツの仕入れも行います。
  • サンプルチップの作成
    新しいデザインや季節に合わせたデザインのサンプルチップを作成し、お客様が選びやすいように展示します。
  • SNSの更新
    施術したネイルの写真をInstagramなどに投稿したり、キャンペーン情報を発信したりして、サロンの魅力を伝えます。

 

3. プロとして成長し続ける「自己研鑽業務」

 

お客様に常に最高の技術と最新のデザインを提供するため、日々の努力は欠かせません。

 

  • 技術練習
    勤務時間外や休日を使い、苦手な技術の克服や新しいアートの練習を行います。
  • 情報収集
    雑誌やSNS、セミナーなどを通じて、最新のネイルトレンド、新しい技術や商材の情報を常に収集します。
  • 資格取得の勉強
    さらなるスキルアップを目指し、上位資格の取得に向けて勉強します。

 

このように、ネイリストの仕事は非常に多岐にわたります。

技術者であると同時に、接客のプロであり、時にはマーケターや事務員の役割もこなす、マルチな能力が求められる職業なのです。

 

ネイリストの1日の流れ

ネイリストは多くの業務をどのようにこなしているのでしょうか。

ここでは、正社員としてネイルサロンに勤務するネイリストのとある1日の流れをタイムスケジュール形式でご紹介します。

 

【勤務サロン情報】

営業時間:11:00~20:00

立地:都心の商業ビル内

スタッフ数:4名

 

10:00 出勤・開店準備

 

ユニフォームに着替え、サロンのドアを開けたら、まずは開店準備からスタートです。

 

  • レジの立ち上げ、予約システムの確認
  • 店内の清掃(フロア、施術デスク、トイレなど)
  • 施術器具の消毒・セッティング
  • BGMや照明、空調の調整
  • お客様用ドリンクの準備

 

10:30 朝礼・予約確認

 

スタッフ全員で、その日の予約状況とお客様情報の共有を行います。

 

  • 担当するお客様の指名・新規の別、前回の施術内容、注意事項(アレルギーなど)を確認する。
  • キャンペーン内容や連絡事項を共有する。
  • 「今日も1日頑張りましょう!」と声を掛け合い、気持ちを切り替える。

 

11:00 オープン・午前中のサロンワーク

 

いよいよお客様をお迎えします。

予約状況にもよりますが、午前中は1~2名のお客様を担当することが多いです。

 

  • 1人目のお客様(11:00~13:00)
    お出迎え、カウンセリング。
    常連のお客様で、今回は持ち込みデザインを参考にアレンジ。
    ジェルオフ→ネイルケア→施術。
    お客様との会話を楽しみながら、集中してアートを施します。

 

施術の合間には、使用した器具の洗浄・消毒、デスク周りの片付けを素早く行います。

 

13:00 お昼休憩

 

ほかのスタッフと交代で1時間のお昼休憩を取ります。

予約が詰まっている日は、時間がずれたり短くなったりすることも。

 

  • スタッフルームで持参したお弁当を食べる
  • 近くのお店にランチに行く
  • 同僚と談笑する
  • 午後の予約を確認する
  • スマホで最新のネイルデザインをチェックする

 

14:00 午後のサロンワーク

 

午後から夕方にかけては、予約が最も混み合う時間帯です。

集中力を切らさず、効率よく施術を進めていきます。

 

  • 2人目のお客様(14:00~15:30)
    新規のお客様。
    時間をかけて丁寧にカウンセリングし、爪の悩みを聞きながらデザインを提案します。

 

  • 3人目のお客様(16:00~18:00)
    長さ出しと凝ったアートをご希望のお客様。
    集中力が必要な長時間の施術です。

 

空き時間には、電話対応やSNS投稿用の写真撮影、サンプルチップの作成なども行います。

 

20:00 閉店作業・片付け

 

最後のお客様をお見送りし、営業時間が終了したら、閉店作業に取り掛かります。

 

  • レジ締め、売上報告書の作成
  • 店内の徹底清掃(開店前よりも念入りに)
  • ゴミ捨て
  • 全ての施術器具の洗浄・消毒
  • タオルの洗濯
  • 翌日の予約確認、カルテの準備

 

21:00 退勤前の自習練習

 

すぐに退勤する日もありますが、週に数回は閉店後に残って練習を行います。

 

  • 苦手な3Dアートの練習や、新しく入荷したジェルの色味チェック。
  • 先輩にアドバイスをもらったり、後輩に技術を教えたりすることも。

 

22:00 退勤

 

1日中座りっぱなしで、目も肩も凝っていますが、お客様の笑顔を思い出すと達成感で満たされます。

帰宅後も、明日に備えてハンドケアは欠かせません。

 

ネイリストのキャリアプラン|サロン勤務から独立まで

ネイリストのキャリアはひとつではありません。

経験やライフステージに合わせて、働き方は多様に変化します。

 

ここでは、代表的な4つの働き方別に、仕事内容のリアルな違いをご紹介します。

 

1. サロン勤務(正社員)の仕事内容

 

多くのネイリストが最初に経験する働き方です。

安定した環境で、チームの一員として仕事に取り組みます。

 

施術業務に加え、サロン運営業務(受付、清掃、在庫管理など)をスタッフで分担して行います。

技術や接客マニュアルが整備されていることが多く、未経験からでも安心してスキルを習得できる環境です。

 

メリット:

  • 安定した給与と福利厚生
  • 先輩や同僚から直接技術を学べる
  • 集客はサロンが行うため、施術に集中しやすい

 

求められること:

  • チームワークを大切にする協調性
  • サロンの方針やルールを遵守する姿勢
  • 売上目標など、店舗の一員としての貢献意欲

 

【関連記事】ネイリストの給料はどれくらい?働き方別の収入や給料アップの方法を紹介

 

2. 業務委託・フリーランスの仕事内容

 

サロンの1席を借りて働く「面貸し(ミラーレンタル)」や、お客様の元へ出向く「出張ネイリスト」など、個人事業主として活動するスタイルです。

 

施術はもちろん、集客、予約管理、材料の仕入れ、会計、確定申告など、すべての業務を自分で行います。

サロン勤務とは異なり、自分の裁量で仕事を進められます。

 

メリット:

  • 働く時間や休日を自由に決められる
  • 売上が直接収入に繋がるため、高収入を目指せる
  • 自分の得意な技術やデザインに特化できる

 

求められること:

  • 高い自己管理能力
  • 経営知識
  • 自らお客様を獲得する集客力とマーケティングスキル
  • 確定申告などの事務処理能力

 

【関連記事】ネイリストが業務委託で稼ぐには?働き方・収入・デメリットなどを徹底解説

 

3. 独立開業(オーナーネイリスト)の仕事内容

 

自宅の一室や、店舗を借りて自分のサロンを持つ働き方です。

ネイリストとしての集大成とも言えるキャリアです。

 

技術者であると同時に、「経営者」としての仕事がメインになります。

事業計画の策定、資金調達、物件契約、内装工事、集客戦略、スタッフを雇用する場合はその採用と教育・労務管理など、業務は多岐にわたります。

 

メリット:

  • 自分の理想とするサロンをゼロから創り上げることができる
  • 収入の上限がなく、事業を大きくしていく喜びがある

 

求められること:

  • 強いリーダーシップ
  • 経営判断力
  • 資金管理能力
  • リスク管理能力
  • 労働法規や税務に関する知識

 

4. ネイルスクール講師の仕事内容

 

現場で培った経験と知識を、未来のネイリストたちに伝える仕事です。

業務はカリキュラムに沿った技術指導が中心で、デモンストレーション、生徒の実技チェック、検定試験対策、進路相談などを行います。

常に最新の技術や検定要項を把握し、分かりやすく教えるための指導力が求められます。

 

メリット:

  • ネイル業界の発展に貢献できる
  • 自分の知識や技術を体系的に整理し、伝えることで再確認できる
  • サロンワークとは異なるやりがいがある

 

求められること:

  • 高度で正確な技術力と理論知識(JNEC1級、JNA上級レベルが目安)
  • 人に教えることが好きな情熱
  • 高いコミュニケーション能力

 

プロのネイリストに求められる必須スキル

お客様から「あなたにお願いしたい」と信頼されるプロのネイリストになるためには、どのようなスキルを磨くべきなのでしょうか。

 

【関連記事】ネイリストに向いている人の特徴7選!反対に向いていない素質とその克服方法も解説

 

お客様の期待を超える「技術力」

 

丁寧で美しい仕上がりはもちろんのこと、限られた時間内でお客様を満足させるスピードもプロには不可欠です。

ケアの正確さ、ジェルの均一な塗り、精密なアート技術など、全ての工程で高いレベルが求められます。

 

特に、お客様の爪の健康を守るための知識(爪の構造、皮膚科学、衛生管理など)に基づいた施術ができることは、プロとしての大前提となります。

 

リピートに繋がる「接客・カウンセリング力」

 

ネイリストは技術者であると同時に、サービス業のプロでもあります。

お客様にリラックスして楽しい時間を過ごしてもらうための会話力や、細やかな気配りがリピートに繋がります。

 

特にカウンセリングは、ただデザインの希望を聞くだけの時間ではありません。

お客様の言葉の裏にある「本当になりたいイメージ」を汲み取るヒアリング能力が重要です。

ライフスタイルや爪の悩みを丁寧に聞き出し、お客様自身も気づいていないようなニーズや好みを引き出すことが求められます。

 

  • 「どんなデザインがいいですか?」だけでなく、「最近、何か好きなものはありますか?」「次のイベントのご予定は?」といった質問をする
  • 「PC作業が多い」「よく手洗いをする」「小さなお子様がいる」といったライフスタイル情報を把握し、ストーンが取れにくい配置や、生活しやすい爪の長さを提案する
  • 「ジェルネイルは初めてで…」「爪が薄いのが悩みで…」といったお客様の不安に寄り添い、専門知識で丁寧に答える

 

“らしさ”を形にする「デザイン提案力」

 

お客様の漠然としたイメージを、具体的なデザインに落とし込むのがプロの仕事です。

トレンドをただ追うだけでなく、お客様のファッション、肌の色、爪の形、さらにはその日の気分までを考慮し、「似合うのはこちらです」と自信を持って提案できる知識とセンスが求められます。

デザインの引き出しを増やすための、日々のインプットも欠かせません。

 

  • パーソナルカラーの活用:お客様の肌の色(イエベ/ブルベ)に合わせて、「こちらのピンクの方が、お客様の肌をより美しく見せてくれますよ」といった、パーソナルな提案を行う
  • 同じ色でも、マットコートで仕上げるか、マグネットネイルで輝きを加えるか、オーロラパウダーを重ねるかなど、「質感」を含めた複数の選択肢を提示し、お客様に選ぶ楽しさを提供する
  • お客様がパーツをたくさん付けたいと希望しても、全体のバランスを考え「あえてこの指はシンプルにして、こちらの指のストーンを引き立たせませんか?」といったプロ目線の提案をする

 

これらのスキルを磨き、お客様に最高の価値を提供することが、指名を獲得し、長く愛されるネイリストになるための鍵となります。

ネイリストになるための具体的なステップや、キャリアを築く上で有利になる資格については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

 

【関連記事】ネイリストになるには?目指し方や学校の選び方、資格などを徹底解説

【関連記事】ネイリストにおすすめの資格4選!無資格から取得までの流れや気になる疑問も解説

 

まとめ

ネイリストの仕事は、単に爪を彩るだけでなく、カウンセリングを通じてお客様の心に寄り添い、サロン運営を支え、常にスキルアップを続ける、非常に奥深くプロフェッショナルな職業だと言えます。

華やかなイメージの裏側では、地道な努力と体力・精神力が求められますが、それらを乗り越えて自分の技術でお客様を笑顔にできた時の喜びは、何にも代えがたいものです。

この記事がネイリストとしてのキャリアの選択や、日々のサロンワークのヒントとなれば幸いです。

 

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