美容師としてのキャリアは通常、「アシスタント」というポジションからスタートします。
その後数年間の経験を積み、一人前の美容師になれば「スタイリスト」と呼ばれますよね。
アシスタントであろうとスタイリストであろうと、お客様の髪の毛に触れる施術を行う場合は美容師免許が必要です。
しかし、資格のない状態でも「美容師見習い」としてサロンで働きながら国家試験への合格・免許取得を目指すことができます。
本記事では、美容師見習いの仕事内容や働き方、学べるスキルなどを解説します。
※「見習い」や「アシスタント」の明確な定義はありませんが、本記事では見習い=「美容師免許を所持していない状態でサロンで働いている人」とします。
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美容師見習いの仕事内容
カットやカラー、パーマ、シャンプーブロー、セットなどのメニューは美容師免許を所持している者でなければお客様に提供できません。
美容師免許を持っていない見習いの場合は、主に次のような仕事を行います。
- 予約や問い合わせの電話対応
- 来店されたお客様の受付・ご案内
- お客様へのドリンクの提供
- 施術に必要な道具・備品の準備
- スタイリストやアシスタントの補助(輪ゴムやペーパー、ロッドを手渡すなど)
- 床に落ちた髪の掃除やサロン全体の清掃
- 使用済みタオルや散髪ケープの片付け・洗濯
- 施術後のお客様のお会計
- サロンのブログやSNSの更新
- ゴミ出しや買い出し など
このようにサロンにはお客様の髪に触れる以外の仕事もたくさんあります。
美容師見習いをしながら社会人の基礎や接客技術などを学んでいきましょう。
レセプションの仕事について
レセプションとは、電話対応や予約管理、会計、その他接客などの受付業務を指します。
大きなサロンではレセプション専門のスタッフ(レセプショニスト)を用意していることも。
見習いとしてサロンの求人に応募する際、秘書検定やサービス接遇検定などの資格を所持していると、レセプショニストとして優遇してもらえる場合があります。
また接客業経験者や受付(フロント)経験者なども優遇されることが多いです。
美容師見習いとして働く方法
美容師見習いの求人は、当サイトを運営しているキレイビズをはじめ、求人情報サイトやサロンのホームページなどに掲載されています。
応募・勤務条件はサロンによって異なりますが、なかには「未経験可」の求人も。
求人内容をよく確認し、サロンに問い合わせることをオススメします。
美容師見習いとして働く場合、免許取得を目指して美容専門学校に通いながら現場経験を積んでいくケースが多いです。
美容専門学校への通い方としては、①夜までサロンで働きながら通信過程で学ぶ②昼間だけサロンで働いて夜間課程で学ぶの主に2パターンです。
美容専門学校には全日制の学校と同じ時間帯に授業が行われる昼間課程もありますが、サロンで働きながら学ぶとなると、上記①②のどちらかのパターンになるでしょう。
美容専門学校の通信教育に通う場合
美容専門学校の通信課程においては「サロンで働いていること」が入学条件になっている場合がほとんど。
このケースでは、サロンの採用面接で「現時点では専門学校に入学していないが、入学資格を得て学校と現場の両方で学びたい」ということを伝えましょう。
通信課程で学ぶ場合は3年以上就学することで国家試験の受験資格を得られます。
学習方法は、テキストに従って自習し、定期的にレポートを提出・添削してもらうスタイルが一般的。
学校の制度にもよりますが、実際に学校へ通うのは年に10回~20回ほどです。
通信課程のメリットは学費が圧倒的に安いこと。
昼間課程が200万円~300万円ほどであるのに対し、通信課程は50万円~80万円程度に設定されています。
また、働いているサロンの終業時間が遅かったり、営業時間後に片付けや準備、練習などで終わる時間が遅くなったりしても、通信課程であれば安心です。
美容専門学校の夜間課程に通う場合
夜間課程では夕方または夜から授業が始まります。
学習方法は学校に通って座学の授業を受けるスタイルが一般的で、国家試験の受験資格を得るには2年の就学期間が必要です(卒業にはそれ以上の期間が必要な場合もあります)。
夜間課程のメリットは、働きながら最短で美容師免許の取得を目指せること。
学費は2年で150万円~180万円程度と通信課程よりも高額ですが、早く美容師として働きたい方にとってはこちらの選択肢がよいのではないでしょうか。
また、実際に通学するので学習を進めるなかで分からないところがあれば先生にすぐに質問できる点や、同級生と切磋琢磨できる点もメリットです。
美容師見習いとして働く期間
サロンの見習いとして働く期間は、美容師の免許が取れるまで。
つまり先述のように美容専門学校に通って国家試験を受け、合格するまでなので最短2年~3年です。
免許取得後は見習いを卒業し、「アシスタント」という肩書で働くことになります。
美容師見習いとして勤務していたサロンにそのまま就職しても、別のサロンで働いてもOKです。
アシスタントになるとお客様の髪の毛に触れるようになり、担当できる業務が一気に増えますよ。
美容師見習い期間に学べるスキル
見習い時代には美容専門学校で美容師としての技術を学びます。
美容師免許がない状態だとサロンでお客様の髪の毛を実際に触って技術を高めることはできませんが、マナーや接客スキルなどを学ぶことが可能です。
社会人としてのマナー
実際にサロンで働くことで、社会人としてのマナーをいち早く身につけることができます。
具体的にはあいさつや報告・連絡・相談、時間やスケジュールの管理などです。
美容専門学校を卒業してからサロンで働く人に比べて早いスタートダッシュを切れるでしょう。
社会人マナーが身につくと、ほかの美容師やお客様との信頼関係につながります。
勤務中に分からないことや気になることがあれば、上司や先輩に接客的に質問してくださいね。
コミュニケーション能力やカウンセリング力
お客様の髪の毛を触ることはなくても、受付やご案内を通してお客様と関わります。
実際の接客を通して「お客様がどうすれば快適に過ごせるか?」「居心地がいいと思ってもらえるか?」を考えることができ、おもてなしの方法や距離感、タイミングなどのコミュニケーションを学ぶことができるでしょう。
また、先輩がカウンセリング姿を見て、お客様が求めているスタイリングを引き出す会話術や最善のスタイリングを提案する方法を勉強できます。
サロン業務の進め方
美容師見習いの仕事は雑用から突発的な仕事まで多岐にわたります。
多くの仕事をこなすなかで、サロン全体がどのように回っているのか実際に体感して学ぶことが可能です。
このように、美容師免許がなくてもサロン勤務を通して吸収できることはたくさんあります。
上記以外にも、先輩美容師が提供するスタイルを見たり、サロン内での情報共有をしたりすることで、デザイン力やトレンドキャッチ能力も高まっていきますよ。
まとめ
今回ご紹介したように、美容師見習いとしてサロンで働きながら美容専門学校で学び、免許を取得する道もあります。
「未経験だけど美容師になりたい!」という方は、美容師を目指せる環境があるサロンを探してみてはいかがでしょうか。
当サイトを運営するキレイビズでは、理想の美容室・サロン探しのためになる情報を提供し、全国を対象に美容室・サロン探しのお手伝いをしています。
業界事情や美容室の特徴を熟知した担当者がお話をうかがいますので、まずはお気軽にご相談下さいませ。