「美容師として働いているけど、将来はネイルやアイラッシュの技術も学んでみたい」
「エステやまつげパーマにも興味があるけど、どうキャリアを広げればいいんだろう?」
そんな風に考えたことはありませんか?
近年、美容業界で注目されているのが「トータルビューティーサロン」です。
従来の美容室やネイルサロン、アイラッシュサロンと違い、髪・爪・まつげ・肌といった幅広いサービスをワンストップで提供するサロンで、近年は都市部を中心に増加しています。
お客様にとっては利便性が高い一方で、スタッフにとっても「スキルの幅を広げやすい」「チームで働ける」「キャリアパスが多様化する」といったメリットがあります。
本記事では、美容業界で働く人に向けて、トータルビューティーサロンの特徴や働くメリット・デメリット、求められるスキル、就職や転職時にチェックすべきポイントまで徹底解説します。
トータルビューティーサロンとは?

トータルビューティーサロンとは、ヘア・ネイル・アイラッシュ・エステなど、美容に関する複数のメニューを一つの店舗で提供するサロンのことです。
従来はサービスごとに「ヘアサロン」「ネイルサロン」などと専門サロンが分かれていましたが、現在は「一度の来店で美容施術をまとめて済ませたい」というニーズに応える形で、総合型のサロンが増えています。
スタッフにとっては、美容師だけでなく、ネイリスト・アイリスト・エステティシャンなどとチームを組んで働けて、複数分野の施術に携われるため、スキルアップのチャンスが多い点が特徴。
将来的に独立・開業する際にも、メニューの幅が広がります。
ワンストップ需要の高まりにより、トータルビューティーサロンは今後さらに注目される分野です。
近年は美容の多角化がトレンドで、「ヘア+眉」「ネイル+エステ」といった複合的な施術が求められています。
お客様は「何店舗も回らず、一度にすべての美容を完結させたい」というニーズを持つように。
特に仕事や子育てで忙しい世代にとって、トータルサロンの利便性は大きな魅力です。
サロン側としても、客単価を上げやすく、経営の安定化につながります。
トータルビューティーサロンで働ける職種と仕事内容

トータルビューティーサロンでは、従来の美容室や専門サロンに比べて、幅広い職種が同じ環境で働いています。
それぞれの職種が専門性を発揮しながらも、時には互いに協力し合い、お客様に合わせた「トータルコーディネート」を提供できる点が最大の特徴です。
ここでは、代表的な職種ごとに仕事内容を見ていきましょう。
美容師
基本業務はカット・カラー・パーマなどですが、トータルビューティーサロンではヘッドスパやメイク、ブライダルヘアセットなども幅広く担当するケースが多くなります。
ただ髪を美しく整えるだけでなく、全体の美容やコーディネートに関わる美容師へとキャリアを広げやすいのが特徴です。
アイリスト
まつげエクステやまつげパーマに加えて、眉毛デザイン(アイブロウ)が組み込まれることも多いです。
美容師免許が必要なため、既に免許を持つ美容師がアイリストへキャリアチェンジする事例も増えています。
ネイリスト
単独のネイルサロンと異なり、「髪やメイクと一緒にネイルも仕上げたい」というお客様が多いため、トータルでのデザイン提案力が求められます。
ブライダルや成人式などイベント需要も強みになります。
エステティシャン
フェイシャル・痩身・脱毛・アロマトリートメントなどを提供し、お客様の癒しや健康をサポート。
美容だけでなく、リラクゼーションの視点を加えることで付加価値を高められます。
美容師やアイリストと連携しながら、お客様の美を「外見+肌+体」で支える役割です。
マルチビューティシャン
最近では複数の資格や技術を習得して、幅広い施術を担当できるスタッフも増えています。
美容師免許を持ちながらアイリストやエステの技術を学ぶことで「手に職を2つ以上持つ」働き方が可能になります。
トータルビューティーサロンで働くメリット

美容業界の働き方は多様化していますが、トータルビューティーサロンには、幅広い技術を学べる・キャリアの選択肢が広がるといった独自の魅力があります。
お客様にとって便利なだけでなく、スタッフ自身にとっても収入面・スキル面・人間関係の面でプラスになることが多いです。
ここでは、具体的なメリットを整理して解説します。
スキルの幅が広がる
トータルビューティーサロンには、単一メニューにとどまらず、複数の知識や技術を横断的に学べる環境が整っています。
美容師がアイリストの施術を見学できたり、アイリストが髪質やカラーの知識を学んだり、研修制度でネイルを学べたりするサロンもあります。
ヘアだけでなく「まつげやネイルまで含めたトータル提案」が可能になると、提案力・接客力が向上します。
そのためお客様の満足度が高まり、リピート率アップにもつながるでしょう。
チームで働ける環境が整っている
異なる職種のスタッフと連携するため、サロン内で常に情報共有が行われます。
お客様への提案力が上がると同時に、自分一人では得られない視点を学べるのも大きなメリットです。
また、複数職種のスタッフと協力し合うため、自然とコミュニケーション力やチームワークが鍛えられます。
キャリアの選択肢が広い
「美容師からアイリストへ」「エステティシャンからネイリストへ」など、サロン内でキャリアチェンジやスキル追加が可能です。
単一職種だけでキャリアを積むのではなく、複数分野にまたがることで独立やフリーランスの際にも強みとなります。
トータルビューティーサロンで働いた経験は、独立後の武器になるでしょう。
将来的に独立開業する場合は、「ヘア+アイ」「ヘア+エステ」といった複合メニューを取り入れやすくなり、多角的なサービスで他店との差別化を図れます。
安定した収入が見込める
お客様が複数メニューをまとめて予約するため、リピート率や客単価が高くなる傾向があります。
歩合制を導入しているサロンでは、スタッフに還元される報酬も安定しやすく、収入アップにも直結します。
トータルビューティーサロンで働くデメリット・注意点

さまざまなメリットがある一方で、すべての人にトータルビューティーサロンが最適とは限りません。
複数の職種が集まる環境ならではの課題や、働き方に関する注意点も存在します。
ここでは、実際に現場で働く際に想定しておくべきデメリットを具体的に確認していきましょう。
専門性を極めにくい
幅広いスキルを学べる反面、一つの技術を極めたい人にとっては物足りなさを感じることがあります。
また、人気サロンでは予約が多く、施術の回転率が早いので、一人一人のお客様にじっくり向き合って接客したいタイプの方にとっては不満の原因になるかもしれません。
専門性を極めにくいと同時に、専門外の知識も求められる点は難しいところ。
自分の職種以外の基本知識がないと、お客様への提案が難しくなります。
最低限の知識習得は必須です。
チームワークが必須
トータルビューティーサロンでは、通常の美容室以上に他職種スタッフとの連携が必要になり、調整力が求められます。
担当外の知識も理解しておかないと提案が難しく、コミュニケーション力が不足していると働きにくい場合があります。
「ヘアの施術が押して、ネイルの予約に影響が出る」といったケースもあり、スケジュール管理や連携力が不可欠です。
勤務時間が長くなる場合がある
複数の施術を同日に担当するため、拘束時間が長くなることも。
特にブライダル案件では早朝から深夜まで働くケースもあります。
サロン全体のルールに従う必要がある
多職種が集まるため、サロン全体の運営ルールや教育方針は細かく設定されがちです。
慣れるまでは大変だと感じる方も多いでしょう。
柔軟に対応できる姿勢が求められます。
トータルビューティーサロンで求められる人材像

トータルビューティーサロンでは、多職種のスタッフが協力してお客様にサービスを提供します。
そのため、従来の美容室や単独サロンとは異なる人材像が求められます。
ここでは、特に重要なポイントを解説します。
柔軟性のある人
トータルビューティーサロンでは、「ヘアの予約が延びたから、ネイルの時間を少しずらす」「アイラッシュのお客様が急にエステを追加したい」など、突発的な調整が日常的に発生します。
その際に臨機応変に対応できる柔軟さが必要です。
他職種への理解がある人
自分の専門分野だけでなく、他の職種に関する基礎知識を持っていると、お客様への提案力が大きく向上します。
たとえば美容師が「ヘアカラーに合わせて眉のカラーも整えるとバランスが良いですよ」とアドバイスできると信頼感が増します。
チームワークを大切にできる人
トータルビューティーサロンでは一人のお客様に複数スタッフが関わることが多いため、連携や報告・相談の徹底が欠かせません。
自己完結型ではなく、チームで成果を出す姿勢が求められます。
新しいことを学ぶ意欲がある人
美容業界は流行の移り変わりが早く、ヘアやネイル、まつげ、エステなど、それぞれの分野で常に新しい技術や商材が登場します。
積極的に学ぶ姿勢がある人は、サロン全体にとってもプラスになります。
トータルビューティーサロンの選び方

「実際に働きたいけど、どのサロンを選べばいいの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
最後に、就職・転職時に確認しておきたいポイントを整理します。
サロンのメニュー構成
サロンによって「ヘア・ネイル・アイ」に強いところもあれば、「エステ中心+その他の美容やリラクゼーション」を組み合わせているところもあります。
自分がどの分野に携わりたいか、将来的にどんなキャリアを築きたいかを考えて選ぶことが重要です。
教育制度・研修の有無
トータルサロンでは多職種の知識が必要になるため、研修制度が整っているサロンは成長スピードが速くなります。
教育体制が不十分だと、自分で勉強する負担が大きくなる可能性もあるため、事前に確認しておくと安心です。
勤務スタイルやシフト
トータルビューティーサロンは営業時間が長めのケースも多く、職種ごとに予約のピーク時間が異なることもあります。
シフトの組み方や休日制度が、自分のライフスタイルや希望する働き方に適しているかどうか確認しましょう。
客層と単価
サロンの客層によって、求められる技術や接客スタイルが変わります。
たとえば「20代女性が中心のファッショナブルなサロン」なのか、「30〜40代女性が中心の落ち着いたサロン」なのかで、働き方のイメージも大きく変わります。
また、客単価も見落とせないポイント。
客単価が低くて回転率の高いサロンで数をこなして経験値を上げたいのか、客単価が高いサロンで一人ひとりにじっくり丁寧に施術を行いスキルアップしたいのか、希望と照らし合わせることが大切です。
キャリアパスの有無
「将来は店長を目指したい」「複数の技術を学びたい」などの希望がある場合、キャリアアップの仕組みがあるかを確認しましょう。
資格取得支援や外部研修費の補助があるサロンは、成長意欲の高い人におすすめです。
まとめ

トータルビューティーサロンは、お客様にとって一度で全身の美容ケアができる便利な場所であり、働き手にとっては幅広いスキルを磨ける場所です。
美容師、アイリスト、ネイリスト、エステティシャンなど多職種が集まり、互いに刺激を受けながら成長できるため、幅広い提案力を養うことができ、客単価・収入アップにつながります。
将来的に独立を目指す場合も、多角的な経験が強みになるでしょう。
一方で、他職種との調整や幅広い知識が求められる点など、注意すべきポイントもあります。
今後さらに需要が高まるトータルビューティーサロンで、自分に合ったキャリアを築いてみてはいかがでしょうか。
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