現役美容師や美容師を目指す方にとって、給料の相場や収入アップの方法は気になるポイントですよね。
当メディアを運営しているキレイビズでは、求人情報サイトを運営しているため、給料の相場感や勤務条件などのさまざまな情報が数千件の美容室から入ってきます。
そこで、入ってくる情報や政府から発表されている公的データなどを元に、美容師の給料や年収について調査しました。
本記事では、美容師の給料相場やアシスタント・スタイリスト・フリーランスや業務委託・オーナーなど役職別の給料・年収、高収入を目指す方法などを解説します。
美容師の給料(月給・年収)
2020年3月31日に厚生労働省より発表された『令和元年賃金構造基本統計調査』によると、美容師の月給は25万5,100円でした(男女計/理容師も含む)。
年間賞与その他特別給与額(ボーナスなど)5万2,800円と合わせて算出すると、美容師の年収は311万4,000円となっています。
2019年9月に国税庁より発表された『平成30年分民間給与実態統計調査』によると、日本の給与所得者の平均年収は441万円。
美容師の給料は、全体に対して下回っていることが分かります。
また、美容師の10年間(2010年から2019年)の給料推移をグラフで表すと以下の図のようになります。
- 上部・青色の折れ線:月給
- 下部・茶色の折れ線は年間賞与その他特別給与額
- 縦軸単位:千円
このグラフから、美容師の月給は年々増加していることが分かります。
アシスタントの給料・年収
アシスタントとは、一人でお客様の施術ができない状態=『見習い』の美容師。
売り上げが立て辛いため、一般的な会社の新入社員と同じような扱いとなります。
アシスタントの平均年収は170〜220万円、月給は14〜18万円ほどです。
※キレイビズに掲載されているサロンのデータを元に算出
近年は最低賃金が少しづつ上がってきている流れがあることから、アシスタント美容師の初任給も数年前に比べると増加傾向にあります。
(例)最低賃金の推移(時間額/大阪府)
スタイリストの給料・年収
スタイリストの平均年収は300〜350万円、月給は25〜29万円ほどです。
※キレイビズに掲載されているサロンのデータを元に算出
スタイリストに昇格すると、基本給と合わせて歩合給をつける給与システムを導入しているサロンが多いため、美容師の力量によって収入に差が出るようになってきます。
基本給+歩合給のスタイリストの給料
基本給+歩合給のスタイリストの場合、歩合が発生する条件は一般的に次のとおりです。
1.一定のノルマを超えた場合に歩合が発生するケース
2.売り上げに対して歩合の還元率(○%)が決まっているケース
1のケースでは、例えば「売り上げが100万円を超えた分の20%を歩合給とする」などの取り決めが勤務条件の中に入っています。
店として、最低限必要な売り上げのボーダーラインを設け、それ以上は美容師に還元する考え方です。
2のケースにおいて、還元率は5〜45%と幅広く、サロンによって条件は多岐に渡ります。
そのため、1のケースよりも歩合給の割合が低くなる場合もあります。
フリーランスや業務委託の給料・年収
フリーランスや業務委託の美容師の場合、完全歩合制が大半を占め、売上が伴ってこない初期のみ最低保証給(例:25万円)が付くといったケースが多いです。
※当社調べ
美容専門求人サイト『キレイビズ』掲載店舗を参照
カット+カラーの客単価5,000円・還元率80%のサロンの場合の収入イメージは次のとおりです。
- お客様1人あたりの報酬:5,000円×80%=4,000円
- 1日8時間勤務で5名入客の場合に1日に稼ぐ報酬:4,000円×5名=20,000円
- 24日出勤の場合に1ヶ月に稼ぐ報酬:20,000円×24日=480,000円(120名)
- 想定年収:575万円
フリーランスなので基本給や社会保険は設けていないサロンが多く、その分、歩合給として美容師に還元される仕組みです。
歩合制の報酬体制になっている美容師の場合、指名や追加メニュー、入客数によって給料を上げることができます。
【関連】業務委託サロンとは?稼げない?美容師のメリット・デメリットや注意点を解説
オーナーの給料・年収
独立し、美容師を開業したオーナーの給料に関する公的なデータが存在しないため、売り上げや経費を想定してシミュレーションしてみましょう。
売り上げ
- 客単価:6,000円
- 1日あたりの売り上げ(3人のスタッフで1日15人施術した場合):9万円
- ひと月当たりの売り上げ(24日営業の場合):216万円
経費
- 人件費/月(スタイリストの月給が25万円の場合):75万円
- 家賃・賃貸料/月:20万円
- 広告費:10万円
- 水道光熱費および通信費:5万円
- 材料費:20万円
- その他経費:10万円
上記の場合、ひと月あたりの収入は216-(75+20+10+5+20+10)=76万円、年収は912万円となります。
雇用スタッフの人数や店舗の広さなどさまざまな要素によってオーナーの収入は異なるため、ご自身の想定されているサロン規模やお金をかけたい項目によって、一度算出してみてくださいね。
美容師の給料を上げる方法
まずアシスタント美容師が収入を増やすためには、早く一人前になり、お客様のカットやカラーを一人で担当できるようになる必要があります。
そのためには、経験を積みスタイリストとしてデビューしなければなりません。
デビューまでの期間はサロンによって様々ですが、平均3年前後、早くて1年〜2年です。
スタイリスト昇格までの期間を早くするために、細かい研修制度を設けカリキュラムを組んでいるサロンもあります。
次に、スタイリスト美容師が収入を上げるためには、実力によって高待遇が用意されているサロンで働く方法や、自分のお客様を増やして歩合の還元率の高いサロンに転職する方法などがあります。
スタイリストのさらに上の待遇として、『トップスタイリスト』や『クリエイター』などのポジションを用意しているサロンが存在します。
月間数百万円を売り上げるような人気美容師や、いわゆる『カリスマ美容師』と呼ばれる存在です。
指名料が高いため単価を上げやすく、かつリピーターが多数ついているので毎月の売り上げが見込めるため、高待遇ポジションが用意されています。
トップスタイリストは、500万円以上稼いでいる美容師も多いです。
現場でトップスタイリストを経験したのちに、独立する美容師も増えてきており、一人前の美容師として活躍したい人の目標のひとつでもあります。
まとめ
美容師の給料に関して、一般的な会社員やサラリーマンと違うところは歩合がある点です。
歩合とは出来高制のインセンティブですので、頑張ったら頑張った分、お給料に反映されます。
もちろん歩合の割合や条件はサロンによって様々ですし、集客力の無いサロンだとそもそもお客さんが来ないので、歩合を上げようにも上げられない可能性もあります。
しかしながら、実力と環境次第では一般的なサラリーマンを上回る年収を稼ぐことも可能です。
自分の技術や接客力を上げることで、リピーターを増やしながら少しづつ指名のお客さんをつけていく努力を惜しまず、コツコツと積み重ねていくことが大切になってきます。
また、身につけたスキルや知識を活かすことができ、正しく評価されるサロンで働くことも給料を上げるためのポイントです。
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