エステティシャンは、スキンケアやボディケア、リラクゼーションを提供する美容のプロフェッショナルです。
美容業界の中でも特に人気の高い職種で、多くの人が美しさと癒しを提供することにやりがいを感じて働いています。
しかし、エステティシャンとしてのキャリアに迷っている方や、これからエステ業界に挑戦したいと考えている方にとっては、収入面についての疑問も多いでしょう。
「エステティシャンの年収はどのくらいなの?」「どうすれば収入を上げられるの?」といった不安を抱える方も少なくありません。
本記事では、エステティシャンの平均年収や給与体系、収入を増やすための具体的な方法などについて詳しく解説します。
また、キャリアアップのためのさまざまな選択肢や、実際に年収をアップさせるためのスキルアップの方法についても紹介。
未経験者からベテランのエステティシャン、さらには独立を考えている方も、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもエステティシャンってどんな仕事?
まずは、エステティシャンの具体的な仕事内容について押さえておきましょう。
エステティシャンは、主に以下のような業務を行います。
①カウンセリング
お客様の肌や体の悩みを聞き取り、それに合った施術を提案します。
②施術
エステティシャンは美容と健康に関する知識と技術を活かし、お客様の悩みに応えることで信頼関係を築きます。
肌の状態に合わせてクレンジング・ピーリング・マッサージなどを行い美肌を目指す「フェイシャルケア」、リラクゼーションやダイエットを目的としたマッサージや、体型改善や脂肪の減少を目指す痩身マッサージ・セルライトケアなど全身への施術を行う「ボディケア」などが挙げられます。
③商品の販売や営業
施術で使用した商品やホームケア用品の販売、エステコースやオプションの提案などを行う場合があります。
④その他業務・サロンワーク
受付・会計や予約管理、サロンの清掃やSNSの更新などを行います。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
関連記事:エステティシャンの仕事内容とは?メリット・デメリット、向いている人の特徴も合わせて解説!
エステティシャンの年収
エステティシャンの年収は勤務するサロンの種類や規模、勤務形態や経験年数、スキルや資格の有無、担当する施術の内容などによって大きく異なりますが、一般的には約250万円〜400万円程度だと言われています。
初任給は21万円〜24万円前後が相場のようです。
経験年数が増えるにつれて年収も上昇していく傾向にあり、その目安は以下のとおりです。
- 新卒・未経験者:年収200万円〜250万円
- 3〜5年の経験者:年収250万円〜350万円
- 10年以上のベテランエステティシャン:年収350万円〜500万円
- 店長・店舗管理者やマネージャー職:年収400万円〜600万円
- 独立開業したエステティシャン:年収500万円以上も目指せる
(人気が高まると年収も上がり、1000万円〜2000万円売り上げるエステティシャンも!)
なお、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」によると、全国の平均年収は320.6万円。
ハローワークの求人データにおける求人賃金は月額23.3万円とのことです。
また、国内最大級の求人プラットフォーム「求人ボックス」の調査によると、エステティシャンの平均年収は約368万円(月給で換算すると約31万円)。
アルバイト・パートの平均時給は1,075円、派遣社員の平均時給は1,474円となっています。
エステティシャンの給与体系
エステティシャンの給与体系は、「基本給(固定給)のみ」「基本給+インセンティブ(歩合給)」「完全歩合給」のいずれかです。
- 基本給:未経験や新人のエステティシャンの場合、基本給は20万円前後からスタートすることが多いです。
- インセンティブ:売上に応じた報酬制度が取り入れられているサロンが多く、個人の売上や店舗の売上目標達成に応じてインセンティブが支給されます。
インセンティブの評価の指標や細かい計算方法は店舗によってそれぞれ異なります。
業務委託で完全歩合制を取っているケースもありますが、雇用形態だと一般的には給与全体の2〜3割程度がインセンティブにあたるサロンが多いようです。
インセンティブが導入されているサロンで働く場合、個々の技術や接客力、営業力によって収入が大きく変わります。
成果を上げれば、平均収入を大きく上回るインセンティブを獲得することも可能になるでしょう。
ただし、売り上げによって収入が変動しやすくなるため、自分のスキルや求める収入に合わせたサロン選びが大切です。
エステティシャンの残業代
エステティシャンの仕事では、施術時間が延びたり、営業終了後に技術練習を行ったりと残業が発生する場合があります。
特に、新人の頃は研修や勉強会に積極的に参加して技術向上に努める人が多く、残業や早出の機会が増えるかもしれません。
営業時間外での練習を残業の対象外としているサロンもありますが、個人のスキルアップがサロンの収益につながるため、残業代が支払われるサロンがほとんどです。
念のため、入社前に確認しておきましょう。
エステティシャンが収入を上げる方法6選
エステティシャンとして高収入を目指すのであれば、以下の方法が考えられます。
1. エステ技術を磨く
エステティシャンとして収入を増やすためには、大前提としてエステの技術力を高めることが重要です。
美容業界は日々進化しており、新しい技術やトリートメントが登場しています。
定期的にスキルアップ研修に参加するなど、常に新しいスキルや知識を習得することで、お客様の満足度が高まるでしょう。
お客様からの信頼を得ることができればリピーターが増え、売上アップにつながるので、インセンティブのあるサロンであれば収入を上げることが可能です。
また、エステティシャンは資格がなくても未経験でも働ける職業。
美容師や理容師のような国家資格は必ずしも必要ではありません。
しかし、業務に関わる民間資格を積極的に取得すれば、自分の技術の幅を広げることができ、就職や接客において技術力をわかりやすくアピールできます。
例えば、AJESTHE(日本エステティック協会)の認定エステティシャンやCIDESCOのビューティー・セラピー・ディプロマなどの資格が挙げられます。
エステティシャンの資格だけでなく、アロマセラピーやリンパマッサージなどの各分野に特化した資格を取得するのもおすすめです。
関連記事:エステティシャンになるには?手順や必要な資格、勉強方法を解説
2. 接客スキルを高める
エステティシャンの仕事では技術だけでなく、コミュニケーションスキルやカウンセリング力も重要です。
お客様に信頼されるエステティシャンになることで、リピーターが増え、安定した収入を得られるようになります。
サロンによっては指名料のインセンティブが収入に反映されるケースもあるでしょう。
具体的には、次のようなポイントを押さえてみてください。
・聞き上手になる
お客様の悩みや要望をしっかりと聞き取り、最適な施術を提案することで満足度が向上します。
丁寧なカウンセリングや施術、アフターフォローまでできるようになれば、リピーターを増やすことも可能です。
・提案力を身につける
お客様のライフスタイルや美容習慣に合わせたホームケア商品の提案や、定期的なメンテナンスをおすすめすることで、追加の売上につながります。
また、それぞれのお客様に合わせてスペシャルケアやシーズナルケアなど、高単価のメニューを提案するのも◎
3. サロン内で役職に就く
サロン内でのキャリアアップを目指し、責任のあるポジションで活躍することができるようになれば、給与アップにつながります。
例えば、次のような役職が考えられるでしょう。
・トレーナー・教育担当者
エステティシャンとしての経験を積んだ後、後輩エステティシャンの育成に携わる道です。
自分自身の技術力を高めると同時に、後輩の目線に立って指導するスキルや言語化能力も求められます。
・店舗責任者やマネージャー
スタッフの管理や売上管理、広告戦略などサロンの運営全般に携わる管理職を目指す道もあります。
エステ以外の業務が増え、責任も重くなりますが、その分給与も大幅にアップします。
サロン全体を幅広くチェックするスキルや、スタッフとの信頼関係を築き、チームをまとめるリーダーシップも重要です。
4. 働き方や勤務先を見直す
先述のとおり、エステティシャンの年収は次のようなさまざまな条件で変わります。
・勤務するサロンの種類や規模
・勤務形態
・給与体系
・経験年数
・スキルや資格の有無
・担当する施術の内容 など
高収入を目指す方には、歩合制のサロンに転職するのがおすすめです。
歩合制のサロンでは、施術件数や指名数、個人の売上に応じて収入が変動するからです。
また、エステティシャンの年収には地域による差があります。
例えば、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」のデータを見ると、全国の平均年収320.6万円に対し、東京都は343.7万円、埼玉県は424.6万円、青森県は201.9万円、宮崎県は219.6万円と幅があることが分かります。
都心部や大都市圏のサロンの方が美容意識の高い顧客が多く、施術単価や来店頻度も高くなるため、地方のサロンよりも高収入になる傾向があります。
ただし、地方のサロンは競合が少ないぶん、独自のサービスで安定した収入を得ることも可能です。独立開業する場合は、地方のほうがサロンの家賃や固定費が抑えられるため、開業する場合の初期費用が少なく済むというメリットもあります。
5. 独立や開業を目指す
正社員あるいはパート・アルバイトや派遣社員としてエステサロンで経験を積んだ後、さらなる収入アップを目指すなら、独立や開業を考えてみてもいいかもしれません。
・自分だけのサロンを開業してオーナーになる
自身でサロンを経営することで、施術の単価を自由に設定できるため、収入の上限が広がります。
ただし、家賃や設備費、広告宣伝費などの経費がかかるため、事前の準備や経営の知識が必要不可欠です。
・フリーランスエステティシャンとして活動する
複数のサロンと業務委託契約を結んだり、お客様の自宅やホテルへ出張したり、ライフスタイルに合わせた働き方を選べます。
サロンを持たずに施術を行えて、勤務時間や休みも自由に決められるところが魅力です。
6. SNSでの集客とブランディングを行う
最近はエステサロンのSNSアカウントだけでなく、エステティシャン自身の個人アカウントを活用している人が増えています。
InstagramやTikTokなどを活用して自分のスキルや施術を発信することで、サロンへの集客を促進し、収入アップに繋がります。
次のような投稿を行い、より多くのユーザーへの発信を目指しましょう。
・ビフォー・アフターの写真
実際の施術効果を写真で紹介することで、信頼感が増し、新規のお客様を獲得しやすくなります。
・美容に関する情報発信
スキンケアやダイエットに関する情報を提供することで、エステにまだ興味がないユーザーにも届けることができます。
また、すでに来店したお客様の満足度を高めることにもつながり、リピーター獲得のきっかけになるでしょう。
エステティシャンの年収に関するQ&A
Q1.
エステティシャンの年収をアップさせるためには、何から始めるべきですか?
A1.
自分の強みやお客様から施術中に求められる分野のスキルアップを図りましょう。
特に、資格や最新技術の習得は大きな武器になります。
また、SNSを活用して集客を強化することも効果的です。
Q2.
未経験でも高収入を得ることはできますか?
A2.
未経験からでも努力次第で高収入を得ることは可能ですが、経験者と比べて、初任給は低くなる傾向があります。
未経験の場合、最初の年収は200万円〜250万円程度が一般的です。
まずは基礎的な技術を習得し、お客様に信頼されるエステティシャンを目指しましょう。
経験を積むことでインセンティブが増え、3〜5年程度で年収を300万円以上にアップさせることも可能です。
Q3.
ボーナス(賞与)はもらえますか?
A3.
ボーナスは年に2回支給されるサロンが多く、多い場合は年3回以上支給されるサロンもあります。
支給金額は業績や役職によって幅がありますが、基本給の1ヶ月分、新人であれば10~15万円ほどが目安です。
ただし、完全歩合制のサロンではボーナス制度がない場合もあります。
Q4.
給与以外の手当や福利厚生はありますか?
A4.
施術時間に応じて支払われる施術手当、スキルアップに応じて支払われる技術手当や資格手当、役職手当、住宅手当、通勤手当などがあります。
また、福利厚生に関しては、女性が多い職場ゆえに女性が働きやすい環境を整えているエステサロンが増えています。
産休・育休制度や時短制度、ベビーシッター制度、介護手当など、ライフプランに応じたサポートが用意されているかを事前に確認しておくと安心です。
Q5.
エステティシャンとして独立するのに必要な準備は?
A5.
独立するためには、自分の技術や接客スキルに自信を持つことが大切です。
また、独立してからも継続して来店してくれるリピーターのお客様がいると安心です。
加えて、以下のポイントを準備しておきましょう。
・開業資金の確保:サロンの賃貸契約や設備購入、広告費などの初期費用を準備しておきましょう。資金計画をしっかり立てることが重要です。
・マーケティング戦略の立案:自分のサロンの強みを明確にし、ターゲット顧客層に合わせたマーケティングを考えることで、集客をスムーズに行えます。
・営業許可の取得:美容に関する施術を行うには、内容によって保健所からの許可が必要な場合があります。事前に地元の保健所に相談して、必要な手続きを確認しましょう。
まとめ
エステティシャンは未経験からスタートしても、本記事で紹介したようなスキルアップ・キャリアアップを意識することで、収入を着実に増やしていくことが可能です。
高収入を目指すのであれば、専門知識や技術を習得し、お客様からの信頼や満足度を高める努力が不可欠。
また、転職や独立開業の道を選ぶことで、さらに大きな収入を得るチャンスも広がります。
エステティシャンを目指す方や現役エステティシャンの方は、自分の理想の働き方を描きながら、日々の努力を怠らずに成長していくことが大切です。
自分に合ったキャリアパスを見つけ、目標に向かって前進していきましょう。
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