美容師のリアルな1日の流れを徹底解剖!アシスタントからスタイリストまで仕事内容を大公開

「美容師」と聞くと、「華やかでおしゃれ」「お客様を笑顔にする仕事」「クリエイティブ」……そんなイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし、その裏側にある日々の努力や、実際にどのような1日を過ごしているのかは、意外と知られていないのではないでしょうか。

 

「美容師の仕事に興味があるけど、実際のところどうなんだろう?」

「アシスタントとスタイリストでは、一日の流れはどう違うの?」

「休憩時間ってちゃんと取れる?体力的にきつくない?」

 

本記事では、そんな疑問を持つあなたのために、開店準備〜営業中〜閉店後の業務まで美容師の1日の流れを解説します。

美容師を目指す学生さんや転職を考えている方はもちろん、現役美容師の方にとっても「あるある!」と共感したり、日々の働き方を見直すきっかけになったりするかもしれません。

ぜひ最後までご覧ください!

 

美容師の1日の過ごし方【サロン営業前】

多くのお客様が来店される日中の華やかなサロンワーク。

その舞台裏は、お客様をお迎えするための入念な準備から始まります。

 

美容師の1日は、一般的にサロンの開店時間の1時間~1時間半前からスタートします。

 

1.出勤~朝の清掃・環境整備(開店1時間~1時間半前)

サロンの開店時間は店舗によって異なりますが、午前9時~10時オープンの場合、美容師は7時半~8時半頃には出勤していることが多いです。

特にアシスタントの場合は、先輩よりも早く出勤し、サロン全体の清掃や準備を率先して行うことが求められる傾向にあります。

 

・サロン全体の清掃
床の掃き掃除・拭き掃除、セット面やシャンプー台の清掃、鏡磨き、トイレ掃除など、お客様が気持ちよく過ごせる空間を作るための基本中の基本です。
前日に清掃していても、夜間のホコリなどを考慮し、毎朝徹底的に行います。

 

・タオルの洗濯・乾燥・畳み

大量のタオルを使用するため、洗濯乾燥機をフル稼働させ、畳んでストックします。
生乾きの臭いなどはお客様に不快感を与えるため、細心の注意を払いましょう。

 

・器具・道具の準備と消毒

ハサミ、コーム、ブラシ、クリップ、ロッド、カラーカップ、ハケなど、施術に必要な道具を準備し、衛生管理のためにエタノール消毒などを徹底します。
お客様の肌や髪に直接触れるものだからこそ、清潔さは非常に重要です。

 

・薬剤の準備・在庫確認

カラー剤やパーマ液、シャンプー・トリートメントなどの在庫を確認し、必要であれば補充・発注を行います。
特にその日に使用する薬剤は、すぐに取り出せるように準備しておきましょう。

 

・ドリンクやお菓子の準備

お客様へ提供するドリンクやお菓子の在庫確認、補充も大切な業務です。

 

2.朝礼・ミーティング(開店30分~1時間前)

 

清掃や準備がある程度整った段階で、スタッフ全員が集まり朝礼やミーティングを行います。

サロン全体で情報を共有し、スムーズな営業を行うために欠かせない時間です。

 

・本日の予約状況の確認
指名客、新規客、施術メニュー、注意事項などを全員で共有します。
特に配慮が必要なお客様(アレルギー持ち、妊娠中など)の情報は念入りに確認します。

 

・連絡事項・共有事項の伝達
キャンペーン情報、新しい商品や技術に関する情報、前日の反省点や成功事例などを共有します。

 

・目標設定・意識統一

その日の売上目標や技術目標などを共有し、スタッフ全体のモチベーションを高めます。

 

・簡単な接客ロールプレイング

新しいキャンペーンの説明方法や、クレーム対応の練習などを行うこともあります。

 

3.朝練

 

サロンによっては、開店前の時間を利用して技術練習(朝練)を行うこともあります。

特にアシスタントにとっては、カットやカラー、パーマなどの技術を習得するための貴重な時間です。

 

美容師の1日の過ごし方【営業時間中】

 

開店時間になると、いよいよお客様をお迎えします。

 

午前中は比較的予約が詰まっていることも多く、まさに時間との戦い。

多くのお客様に対応しながらも、一人ひとりに質の高い技術とサービスを提供できるよう、スタッフ全員が集中力とチームワークを発揮していきましょう。

 

1.お客様のお出迎え・カウンセリング

お客様が来店されたら、笑顔でお出迎えし、受付業務を行います。

初めてのお客様にはカウンセリングシートの記入をお願いし、リピーターのお客様には前回の施術後の様子などを伺います。

 

・受付・ご案内
お客様を席にご案内し、上着や荷物をお預かりします。

 

・カウンセリング
お客様のなりたいイメージ、髪や頭皮の悩み、普段のお手入れ方法やライフスタイル、過去の施術履歴、アレルギーの有無などを丁寧にヒアリングします。
ここでしっかりとお客様の要望を汲み取ることが、満足度の高い仕上がりに繋がります。
スタイリストが中心に行いますが、アシスタントも同席して学ぶことがあります。

 

・施術メニューの提案・料金説明
カウンセリング内容に基づき、最適な施術メニューや薬剤を提案し、料金や所要時間についても丁寧に説明します。

 

2.施術開始

 

カウンセリングが終わると、いよいよ施術に入ります。

サロンワークは、スタイリストとアシスタントが連携を取りながら進めます。

 

アシスタントの主な業務 スタイリストの主な業務
・シャンプー

・マッサージ

・カラー塗布・薬剤塗布のヘルプ

・パーマのロッド巻き・ヘルプ

・ブロー・スタイリングのヘルプ

・ドリンクサービス・雑誌交換

・使用器具の洗浄・片付け

・フロアの清掃 など

・カット

・カラー施術

・パーマ施術

・縮毛矯正

・お客様とのコミュニケーション

・アシスタントへの指示・教育

・カルテ記入 など

 

3.予約の合間の有効活用

 

お客様の予約が途切れた時間や、施術の待ち時間なども無駄にはしません。

 

・技術練習

空いている時間を見つけて、ウィッグでカットの練習をしたり、新しい編み込みスタイルを研究したりします。

 

・SNS更新・ブログ作成
集客やブランディングのために、スタイル写真や日々の出来事をSNSに投稿したり、ブログを執筆したりします。

 

・情報収集
最新のトレンドや技術、新しい薬剤の情報などを、業界誌やインターネットでチェックします。

 

・店内清掃・備品整理
手が空いたスタッフが率先して、店内の美化や備品の整理整頓を行います。

 

・電話対応・予約管理
次の予約の確認や、電話での問い合わせに対応します。

 

美容師の1日の過ごし方【お昼の休憩】

忙しい午前中のサロンワークを終えると、待ちに待ったお昼休憩。

食事や仮眠をとったり、スマホのチェック、読書や勉強をしたりする人もいます。

 

美容師のランチタイムはサロンの忙しさや予約状況に大きく左右されるため、一般的な12時~13時とは限らず、14時過ぎや15時近くになることも珍しくありません。

ゆっくりと時間を取れる日もあれば、慌ただしく済ませなければならない日もあります。

全員が一斉に休憩に入ることは難しいため、12時~15時頃の間で1時間程度、スタッフが交代で休憩を取るのが一般的です。

 

休憩時間はサロンによって異なりますが、6時間を超える勤務の場合は最低45分、8時間を超える場合は最低1時間の休憩をとることが労働基準法で定められています。

 

美容師の1日の過ごし方【サロン営業後】

 

賑わっていたサロンも、夕方から夜にかけて徐々に落ち着きを取り戻し、閉店の時間が近づいてきます。

しかし、美容師の仕事は、最後のお客様をお見送りしたら終わりではありません。

次の日に再びお客様を気持ちよくお迎えするための大切な作業が待っています。

 

1.最終受付〜お見送り(閉店時間前後)

 

最終受付時間が近づくと、お仕事帰りなどで駆け込みで来店されるお客様もいらっしゃいます。

どんなに忙しくても、一人ひとりのお客様に最後まで丁寧に対応し、最高の笑顔でお見送りすることがプロとしての務めです。

 

「本日はご来店いただき、誠にありがとうございました!またのお越しを心よりお待ちしております!」と感謝の気持ちをお伝えし、お客様の姿が見えなくなるまでお見送りしましょう。

 

2.レジ締め・売上確認(閉店後すぐ)

 

最後のお客様をお見送りしたら、速やかにレジ締め作業に取り掛かります。

その日の売上金額を正確に計算し、現金やクレジットカードの伝票処理が間違いなく行われているかを確認します。

 

店舗によっては日報を作成し、その日の施術内容、客数、店販品の売上などを記録し、一日の成果や反省点をまとめる場合もあります。

 

3.清掃・片付け(閉店後30分~1時間程度)

お客様が帰られた後のサロンは、一日分の髪の毛や使用済みタオル、薬剤の汚れなどで散らかっているため、翌日の営業開始までに完璧にリセットする必要があります。

この清掃作業はアシスタントが中心となることが多いですが、スタイリストも含めたスタッフ全員で分担し、協力して効率よく進めていきましょう。

 

・フロア全体の徹底清掃
床に落ちた無数の髪の毛を丁寧に掃き集め、掃除機をかけ、仕上げにモップで拭き上げます。
特にカット椅子周りやシャンプー台周りは、お客様が直接触れる場所なので念入りに行います。

 

・セット面の清掃
お客様が使用した鏡を指紋ひとつなく磨き上げ、ヘアスプレーなどで汚れたワゴンや椅子を拭き、コームやブラシ、ドライヤーなどの備品を定位置に戻します。

 

・シャンプー台の清掃
排水溝に溜まった髪の毛を取り除き、シンクや椅子についた薬剤の汚れなどを洗い流し、水滴が残らないように拭き上げます。

 

・使用済みタオルの洗濯・乾燥・畳み
一日中使用した大量のタオルを洗濯機で洗い、乾燥機にかけます。乾燥が終わったタオルは、きれいに畳んで種類別に所定の場所に収納します。

 

・器具・道具の洗浄・消毒・片付け
お客様の髪や肌に直接触れるハサミやコーム、ブラシはもちろん、カラー施術で使用したカップやハケ、パーマで使用したロッドなどを丁寧に洗浄し、エタノール消毒などを行い、衛生的に保管します。

 

・薬剤の整理・在庫確認

その日使用したカラー剤やパーマ液などを所定の場所に戻し、残量を確認します。
少なくなっているものは発注リストに加えるなど、翌日の営業に支障が出ないように管理します。

 

・ゴミ捨て

サロン内の各所に設置されたゴミ箱のゴミを全て集め、地域のルールに従って分別し、指定された場所に捨てます。

 

4.翌日の予約確認・準備

 

清掃と並行して、翌日の予約状況を再度確認し、必要な準備を行います。

 

・担当するお客様のカルテを準備し、前回の施術内容や注意点などを再確認

・特殊な薬剤やトリートメントなど、翌日に使用するものが不足していないかチェック

・スタッフのシフトや出勤時間を確認し、スムーズな連携が取れるように情報を共有

 

5.終礼・ミーティング

サロンによっては、一日の終わりに終礼や短いミーティングを行い、その日の反省点や良かった点、お客様からの嬉しい言葉、明日の目標などをスタッフ全員で共有することもあります。

問題点を早期に解決し、サロン全体のサービス品質を向上できるだけでなく、スタッフ間のコミュニケーションを深めることにもつながります。

 

6.自主練習や勉強会

 

営業終了後に、マネキンを使ったカット練習やカラー・パーマ研究、スタイリング・アレンジ練習などを行うケースも。

アシスタントに先輩スタイリストがマンツーマンで丁寧に指導につくことも多いです。

 

また、モデルを呼んで作品撮りをしたり、美容メーカー等が主催するセミナーや勉強会に参加する場合もあります。

 

7.事務作業

 

・集客用のSNSの投稿作成
(特に店長・オーナーの場合)

・売上管理や経費処理

・美容材料の発注管理

・スタッフの勤怠管理

・教育計画の策定

・効果的な集客戦略の立案

・求人活動

 

など、サロン運営に関わる事務作業や経営業務を、閉店後や、時には自宅に持ち帰って行うこともあります。

これらの活動は、必ずしも毎日強制されるものではありませんが、向上心のある多くの美容師が、お客様の笑顔のため、そして自身の夢や目標を実現するために、貴重な時間を見つけて自主的に取り組んでいます。

 

スタイリストとアシスタントのタイムスケジュール例

 

▼アシスタントAさん(入社2年目・都心大型サロン勤務)の場合

 

7:30

先輩より少し早く来て、フロア清掃、タオルや薬剤の準備をテキパキと行う。

8:30

全体朝礼で本日の予約状況、共有事項を確認し、先輩スタイリストの指示を受ける。

9:00

朝練に参加してカットウィッグで苦手なスタイルの練習。先輩にチェックしてもらいアドバイスをもらう。

10:00

サロンオープン。お客様のお出迎えやご案内、シャンプー、スタイリストのヘルプ業務を行う。

13:00

スタッフルームで持参したお弁当を食べ、昼休憩。

14:00

午後のサロンワークスタート

18:00

受付終了時間が近づき、片付けの準備を少しずつ開始。最後までお客様に気持ちよく過ごしていただけるように気を配る。

19:00

サロン閉店。本格的な店内清掃やゴミ捨て、翌日の準備を行う。

20:00

終礼で今日の反省点や良かったことを共有しあう。

20:30

先輩にモデルになってもらい、カラーリングの実践練習。細かい技術指導を受け、疑問点を解消。

22:00

退勤。

▼スタイリストBさん(スタイリスト歴5年・郊外個人経営サロン勤務)の場合

8:30

出勤し、自分の担当ブースのセッティングや本日の予約カルテの最終チェックを行う。

9:00

朝礼でサロン全体の流れを把握し、アシスタントへの指示や情報共有も行う。

9:30

サロンオープン。1人目のお客様を担当(カット・カラー・トリートメント、指名)。

11:30

2人目のお客様(カット・パーマ、新規)を担当。新規のお客様なので特に丁寧にカウンセリング。

13:15

予約の合間に昼休憩をとる。ごはんを食べながらカルテ整理やSNSでの発信・情報収集を行う。

14:00

3人目のお客様(カット、常連様)を担当。

15:30

4人目のお客様(デザインカラー・ブリーチあり)を担当。

17:00

5人目のお客様(メンズカット)を担当。

18:30

最終受付終了。自分のブースの片付けや、時間があればアシスタントの練習を見る。

19:00

サロン閉店。レジ締め、日報作成、売上確認、明日の予約や準備物の最終確認を行う。

19:30

日によってはオーナーとのミーティングや、新しい技術・薬剤の勉強を行う。

20:30

退勤。自宅で集客用SNSの投稿作りを行う。

 

まとめ

美容師の一日は、早朝の開店準備から始まり、日中の集中力を要するサロンワーク、そして閉店後の入念な片付けや自己研鑽のための練習まで、多岐にわたる業務で構成されています。

アシスタント、スタイリスト、店長・オーナーといった立場や、サロンの規模、個人の目指す美容師像によってもその内容は異なりますが、全ての美容師に共通しているのは「お客様を美しくしたい」「心から喜んでいただきたい」という想いです。

 

体力的な厳しさや、常に新しい技術を学び続けることの大変さといった側面もありますが、それらを乗り越えた先には、お客様からの感謝の言葉や鏡を見てパッと輝く笑顔などの大きなやりがいが待っています。

 

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