働き方改革・勤務体系の改善が美容業界でも注目される昨今、大阪南森町にある “Pualice(ピュアリス)”というマツエクサロンが注目を集めています。
注目される理由はマツエク業界では珍しい働き方を追求していること。
- 有給消化率全社員100%
- 離職率5%以下
- 完全週休2日
- 残業時間0
といった、「時間が長く、休みが少ない」というこれまでの美容業界の常識を大きく変えているサロンです。
オーナーの中桐さんは美容業界未経験。業界の常識や慣習にとらわれない、経営手法で自分らしく働きたいアイリストの育成に力を入れられています。
マツエクサロン”Pualice”を運営する中桐オーナーが考える美容業界について話を聞きました。
美容業界にいなかった自分だから、実現できた働く環境
–よろしくお願いします。「キレイビズメディア」では、様々な理美容室のオーナー様に取材をさせていただき、サロン経営についてどのように考えられているか、お話を聞いています。働く先を探している求職者さんへより多くの情報を提供することが狙いです。今回は、中桐オーナーが運営されているマツエクサロン”Pualice”について話を聞こうと思います。よろしくお願いします。
中桐:お願いします。
–中桐オーナーですが、ご自身は美容業界出身では無いと聞きました。いつからどのようなことがきっかけでこの会社をスタートされたのですか?
中桐:僕が美容の世界に入ったのは2000年。18年前ですね。
実は、はじめはあまり真剣じゃなかったんです。笑
ほったらかしにして現場に全て任せていました。
–ほったらかしにされていたのですか?笑
それで上手く回っていたのでしょうか?
中桐:いや。全然。笑
ちゃんと経営しようと思ったのは一年ほど経ってからでしたね。
真剣にやると美容業界の面白さに気づいたんです。
–面白さとは具体的にどのようなところですか?
中桐:何か新しいことに取り組むとすぐに反応が出たことです。
普通、何か新しい商品やメニューを取り入れても反応がでるのに早くて数ヶ月、遅いと数年はかかるじゃないですか?それがこの業界だとすぐに反応が出る。すぐにお客さんからフィードバックがもらえる。
お客さんが求めていることだと評判になり来る人も増えますし、求めていないことだと全然売れません。
そのスピード感が面白いなと思ってどんどん色々試したんです。
2000年代の初めだと縮毛矯正とかが流行りだしてた時代だったので、メニューに色々取り入れたり、へアアイロンを無料でプレゼントしたり、色々取り入れてました。
やっていたことが色々軌道に乗りだし、ええやん、ええやん、と3店舗オープンしました!
–その頃は美容室ですよね?
中桐:はい。美容室です。”olive(オリーブ)”という名前の美容室で今も4店舗運営していますよ。
–そこからマツエクサロンはどのように展開していったのですか?
中桐:先ほどの続きで、3店舗出店したあと、一旦、インターバル期に入りました。その理由が人材の問題です。それまで美容師さん求人雑誌や求人広告を出せば来ていたんです。
それが、2005年ごろになると求人を出しても全然人が集まらなくなってきました。
これまでのやり方を変えないといけないと思い、美容学校に回るなど色々と取り組みを変えていました。事業の転換期ですね。
マツエクサロンを出店したのもそのころです。
きっかけは、本格的に人を増やしていこうと思い求人説明会に参加していた時に、「マツエクはないですか?」と学生さん達から聞かれたんです。
マツエクサロンだと、働きたい人がいるんだなと知って、それなら作ってみようと思い立ち上げたのが”Pualice“でした。
–マツエクサロン”Pualice”はどのようなサロンですか?
中桐:僕もマツエクのことって全然わからなかったので、先生に来ていただいて1から教育することから始めました。
当時、雇ってきたのも新卒ではなく、中途採用の美容師さん。美容師免許はもっているけど、マツエクは未経験という人達です。オープンしてから数年たちますが、結婚や出産を除くとほとんどの人が辞めずに続けてくれているんですね。
これだけ転職が多い業界で何でなんやろ?と考えたら、「働く環境」が重要だと気づいたんです。
ヘアサロンや美容室って、元々の環境が厳しいですよね。閉店後に残業でレッスンしたり、休みが少なかったり、給料が低かったり。
マツエクの場合、働く人は100%女の子。ヘアと同じ環境だと長く続けるのは難しいですよね。
そこで、給与や待遇を見直し、大きく改革をすることにしました。自分が経営するサロンはきちっとした環境で、きちっとした労働条件を整えようと。
そこをちゃんとしていれば、現場は頑張ってくれるので長く続けてもらえるとわかりました。
–”Pualiceは具体的にどのような条件なのですか?
中桐:そうですね。
例えば、
- レッスンは勤務時間内で終わらせる。
- 完全週休2日。
- 有給は100%取得してもらう。
- 残業は基本的に無し。(年末の繁忙期だけ希望者が複数入ればサロンを開ける)
- 残業する場合は時給2000円。
などが、喜ばれている内容です。有給を使って毎月実家に帰っているスタッフもいました。
経営者の立場からみて、マツエクサロンのいいところは一人で完結できるので生産性が高いことです。
アシスタントはいらないですし、少人数で効率よく集客できます。
その分、働くスタッフには高い分配率で還元することができ、ある程度人数がいれば休みもきちんと取得できます。
うちの会社の場合は、研修施設を持っているので、未経験で入った人でも短期間で密度の濃い研修をしてから現場に出てもらっています。
結果的に技術を身につけるスピードは早くなりますし、デビューはすぐにできるんですよね。
お客さんを持てるようになれば給料もあげていけますし、本人にとってもいきなり現場で学ぶよりはやりやすいだろうと。モデルサポートがあるのも喜ばれています。
–ちなみに、給料面はどのような条件ですか?
中桐:具体的な内容は本人の技術とこなせるメニューにもよりますが、24歳〜26歳でこちらの思い描いているような成長をしていれば、30万円程は渡せると想定しています。
そのくらいの年齢で年齢以上の給料を受け取れば、胸を張ってここで働いているって言えますよね!
そうなるとこの会社を自慢してもらえますし、それが結果的に新しい人の獲得に繋がったりする。
まだまだ給料面も労働条件も待遇されていないサロンが多いこの業界でいち早く整えて業界全体に伝染していってくれたらいいなと思っています。
–これからの目標を教えてください。
中桐:女の子ですし、おしゃれもしたいし、エステもいきたいし、美味しいものも食べたいし、時間とお金ってすごく大事ですよね。
美容業界で働いている人で、仕事がら見た目は綺麗な格好をしてても、実は生活費はかつかつ。って方も正直多いんですよ。
僕は自分の働いているサロンのスタッフにはそんな生活はしてほしく無いですし周りから憧れられる存在であって欲しい。
だから、できる限り高待遇のサロンをつくって、生き生きと仕事をしてもらえる環境を整えていきたいですね。
–未経験から美容の仕事をはじめて、ここまで振り返ってみると実際どうですか?
中桐:華やかですしほんといい業界だと思いますよ。
僕はこれからも働く環境を整えていくことが仕事。美容業界全体がもっともっと盛り上がるように頑張っていきます。
–-ありがとうございました。
まとめ
残業無し。有給取得率100%。離職率5%以下。と圧倒的な労働条件で人気を集めている”Pualice”。
求職・転職の相談に来られる方から人気を集めているサロンです。
今後は店舗展開を考えておられるとのことで、現在、一緒に働くアイリストを募集しています。
未経験者でもOKとのことですので、もし、興味を持たれた方はキレイビズまでお気軽にご相談ください。