「美容室で働く人」と聞くと美容師をイメージする人がほとんどかと思いますが、最近は『レセプション(レセプショニスト)』のポジションを用意しているサロンも増えています。
受付や接客など美容師免許を必要としない業務を行う仕事で、アシスタントが兼任しているケースのほか、大型サロンでは専用のスタッフが数人いることも。
資格不要で誰でも目指せる職業であること、華やかなイメージであることから美容業界で人気の職種です。
本記事ではレセプションの仕事内容や給料、働く方法や向いている人などを紹介していきます。
「美容室でレセプションとして働きたい」と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
美容室のレセプションとは
美容室のレセプション(reception)とは受付・フロントをはじめとするサロン内のさまざまな業務を担当する職業です。
「レセプショニスト」と呼ばれたりもします。
お客様がサロンに来た際、最初と最後に接するポジションであることから、レセプションの対応次第でサロンの印象が左右されます。
まさに“美容室の顔”とも言える重要なポジションなのです。
また、美容師とレセプションの業務を分けることで、美容師はカットやカラーといった施術の提供に集中することができます。
「カット中に電話が鳴ってお客様をお待たせする」といったこともなくなり、接客とスタイリングの満足度を両方上げることが可能に。
業務効率や顧客満足度が上がり、リピート率の向上にもつながるでしょう。
美容室のレセプションのお給料は?
レセプションの雇用形態は、正社員や派遣社員・契約社員、アルバイト・パートなどさまざま。
給与は雇用形態や地域によって異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。
- 正社員:月収17万円〜20万円+賞与など/年収200万円〜300万円ほど
- 派遣社員:契約社員:週5日勤務の場合で時給1,200円〜
- アルバイト・パート:週に数日の勤務で時給900円〜
美容師のような技術職ではないため昇給のスピードは遅めですが、長く働いて実績・信頼を積み上げていけばチャンスはあるでしょう。
レセプションが複数人いるサロンであれば、レセプションをまとめるリーダー的な役職を目指す方法もあります。
美容室のレセプションの仕事内容
美容室のレセプションの仕事は、美容施術以外の業務全般。
基本的にはお客様の応接や電話対応、予約管理や会計といった受付業務が中心ですが、サロンによっては在庫管理や売上管理、Web周りの運営や書類作成なども任されるケースもあります。
「どこからどこまでがレセプションの仕事なのか」を区切るのは難しいのですが、ここでは一般的なレセプションの仕事内容をご紹介します。
お客様のご案内や接客
来店されたお客様を笑顔で出迎えて予約の確認を行い、ご案内します。
初来店であれば緊張している方や不安を感じているお客様も多いです。
そのような気持ちを汲み取って丁寧に対応し、サロンの第一印象の向上に努めましょう。
リピーターのお客様であれば関係性をより深めるために、以前やりとりした話題で話しかけたり、服装やメイクなどを褒めたりするといいですよ。
その後、初めてのご来店の場合はカルテに記入していただき、荷物を預かって席へ誘導します。
荷物を預かる際は傷や汚れがつかないように注意し、他のお客様の荷物と間違えないように退店時まできちんと管理してください。
施術が始まってからはドリンクを提供したり、雑誌をお渡ししたり、様子を見てひざ掛けなどを用意したり、お手洗いにご案内したり……とホスピタリティを持って臨機応変に対応します。
やるべきことは多岐にわたりますが、そのぶんお客様の満足度をアップするチャンスがたくさんあるということです。
喜んでもらえるような言葉がけや行動、表情や態度を心がけるといいでしょう。
電話対応
サロンには予約や問い合わせ、企業からの連絡や営業などさまざまな電話がかかってきます。
顔が見えないぶん、声だけで「どんなサロンか」を判断されてしまうので、言葉遣いから話し方、声のトーンまで気をつけて対応する必要があります。
明るくハキハキと受け答えすると好印象です。
また、メニューの内容や所要時間、スタッフの出勤状況やサロンまでのアクセス(道案内)などを聞かれたときにすぐ回答できるように、サロンに関する知識・情報はすべて把握しておかなければなりません。
時にはクレームに対応しなければならない場合も。
一般的な電話のマナーだけでなく、相手の話に耳を傾けて臨機応変に対応できるスキルも求められるでしょう。
予約管理
サロンには電話やホームページ、SNSや予約サイトなどを通じて予約が入ります。
このような複数の媒体から受け付けた予約とサロン・スタッフのスケジュールや空き状況を照らし合わせ、予約を調整するのも大切な業務のひとつです。
最近はパソコンで予約管理を行っているサロンも多いため、簡単なパソコンスキルがあると◎
予約管理は事務的な作業にみえて、お客様の満足度を左右するポイントでもあります。
バランスよく振り分けができないとスタッフの負担を増やしてしまったり、お客様を待たせてしまったりする可能性があるからです。
また、複数の媒体で予約を受け付けている場合はダブルブッキングにも注意!
スタイリストによって同時に対応できる人数や所要時間が異なるため、連携をとりながら進めましょう。
会計・お見送り
施術が終了したらお客様に荷物を返却し、会計業務を行います。
具体的には施術の内容や金額、ポイントカードやクーポンの有無などを確認し、精算します。
金銭面でのミスはトラブルを生むきっかけになる恐れがあるため、間違いのないよう特に慎重に対応しましょう。
同じ施術メニューであっても媒体や特典によって料金が変わることもあるため、要注意です。
会計中に施術の満足度や仕上がり具合に関するお声がけをできるとサービス向上につながることも。
このとき、次回予約についてもお伺いしてリピートにつなげられるといいですね。
施術が予定より長引いたなどで急いでいるお客様の場合には「申し訳ありませんでした」とひと声かけ、速やかに会計を行うと◎
最後は笑顔でお見送りをし、「また来たい」と思わせられるような丁寧な対応を心がけてくださいね。
在庫管理
サロンによっては備品・薬剤の在庫管理や物品の買い出しまで任されることも。
在庫を切らしてしまうと売上の機会損失につながる可能性もあるため、気をつけなければなりません。
また、発注業務を行う場合はトレンドや季節、時期(繁忙期or閑散期)も考慮する必要があります。
商品の種類や特徴を把握し、スタイリストと相談しながら行うようにしましょう。
その他営業や事務作業
サロンの多くは集客のためにホームページやInstagram、Twitterなどを利用しています。
こうしたWebサイトやSNSの管理・運用・対応もレセプションが担当するケースが少なくありません。
また、書類の作成や簡単な経理業務、スタッフの勤怠管理といった事務作業やサロンの清掃などまで任されることも。
面接時や入社前に業務範囲をしっかりと確認しておくと安心ですね。
美容室のレセプションとして働く方法
国家資格が必要な美容師と違い、レセプションで働くのに特別な資格は必要ありません。
「未経験OK」など採用条件が定められていないケースも多いため、誰でもチャレンジできる職種と言えます。
ただしそのぶん応募者が多く、倍率が高くなるのでなかなか採用されない可能性も。
今後はAIの発達によってレセプションの募集自体が減少する“将来性への不安”も無視できません。
履歴書や面接の準備・対策をしっかりしておく必要があるでしょう。
また、次のような特徴・経験は就職において有利になります。
- 正しい言葉遣いができる
- 美容師としての経験がある
- 基本的なパソコン操作ができる
- 接客業の経験がある
- 英語や中国語ができる
- コールセンター勤務など電話対応の経験がある
これらの経験がない場合でもやる気や熱意、自分を雇うメリットを伝えることができれば採用される可能性も十分あります。
気になるサロンや求人を見つけたら積極的に問い合わせてみてください。
美容室のレセプションに向いている人
レセプションは予約管理や在庫管理などの事務作業を正しく行うスキル以上に、接客スキルが求められる仕事です。
お客様がサロンで快適にストレスなく過ごせるかどうかは、レセプションの腕次第。
特別な資格がなくても挑戦できる職種ではありますが、次のような性格・能力がある人はより向いていると言えるでしょう。
気配りができる・視野が広い
お客様の様子や美容師の施術内容まで、サロン全体をよく観察し、円滑に運営できるように細やかなサポートや根回しができる人は重宝されます。
人に言われる前に求められていることを察し、速やかに行動に移す自発性や空気を読む力が求められるでしょう。
手が空いたときにボーッと待機するのではなく、床の掃除をしたり、備品やドリンクを片付けたり、暇そうなお客様に話しかけたりと気遣い上手な人が◎
広い視野を持ち、かゆいところに手が届くような行動ができるといいですね。
コミュニケーション能力が高い・明るい
お客様はもちろん、スタッフとも上手にコミュニケーションをとれる人はレセプション向きです。
お客様がサロンで過ごす時間を心地よいものにすると同時に、裏方としてスタッフを支える役割も担っているからです。
お客様の情報を細かく美容師に共有し、美容師の手が回らなそうなら積極的にサポートします。
また、美容業界に限ったことではありませんが、接客業では元気のいいハキハキとした対応が好まれます。
接客が好きな明るい人に最適な仕事です。
美意識が高い・トレンドに敏感
レセプションはサロンのイメージを損なわない身だしなみも大切。
オシャレや美容に関心があること、トレンドに敏感であることもレセプションに求められる要素です。
「サロンをもっと良くしたい」という意識を持ち、サロンの雰囲気やお客様の年齢層に合わせた服装・髪型・ネイルを心がける必要があります。
まとめ
レセプションは、美容室において施術以外のサービスを幅広く担当するやりがいのある仕事です。
あらゆるスキルや臨機応変さを求められますが、特別な資格や経験がなくても働くことができるため、チャレンジしやすい職種だといえるでしょう。
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