美容師のサロン見学やることリスト!当日の流れやマナー、質問の例などを解説

美容師の就職活動における「サロン見学」は、働くサロンを選ぶ判断材料のひとつ。
求人誌やインターネットで調べるだけだと分からないリアルな雰囲気やスタッフを実際に見て、聞いて、サロンへの理解を深めることができます。

就職後に携わる業務やいっしょに働くであろう先輩・上司、サロンの雰囲気を知ることで、働くイメージを具体的に描けるようになるでしょう。
就職先の絞り込みに役立つサロン見学ですが、「どうすればサロン見学ができるの?」「失礼のない服装や振る舞いって?」と疑問・不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では美容師や美容学生の方に向けて、サロン見学の申し込み方法や流れ、マナーなどを解説します。
実際に使える電話のかけ方やお礼状の例文、質問例なども紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

サロン見学を申し込む方法

サロン見学とは、就職先や転職先として気になっているサロンに足を運び、営業中の様子やスタッフの雰囲気などを実際に見せてもらうことを意味します。
所要時間は各サロンや営業状況によって異なりますが、15分〜30分、長くても1時間前後が目安です。

お客様として施術を受けに行ってもOKですが、サロン見学では働く側の目線でただ来店するだけでは分からないサロンの裏側を深く知れるでしょう。
サロンで働いているスタッフや経営陣に直接質問をすることも可能です。

サロン見学では突然の訪問はNG。
事前にサロンに連絡して日時を決めたうえで行います。
ここでは電話で申し込む場合と、メールやサイトなどオンラインで申し込む場合とに分けて解説します。

 

電話で予約する場合

電話で予約する場合は慌てたり相手を待たせたりしないように、サロン見学の希望日時の候補や聞きたいことを事前にまとめておきましょう。
正しい敬語で落ち着いて丁寧に、かつ手短に要件を伝えるようにしてください。

<電話の流れの例>
1.相手の都合を確認する
「サロン見学を希望する◯◯(氏名)と申します。3分ほどお時間よろしいでしょうか。」

2.OKであれば自己紹介とサロン見学を希望する旨を伝える
「あらためまして、私◯◯(学校名)◯年の◯◯(氏名)と申します。◯◯(求人サイトや説明会など)を拝見し、サロン見学をさせていただきたくご連絡いたしました。こちらのお電話でお申込みさせていただくことは可能でしょうか?」

3.スケジュールを調整する
サロン見学の日時と場所(支店名)、担当者の名前、持ち物などを聞いたら必ず復唱して確認し、メモを取りましょう。
担当者が不在の場合は折り返しの電話をもらえるのか、かけ直しが必要かを確認します。

4.電話対応へのお礼
最後に営業時間中に対応してくださったことへのお礼を伝えます。

<電話で申し込む際のポイント>
・電話をかける前にメモを用意する
・静かで電波状況の良い場所から電話する
・サロンの忙しい時間帯を避け、営業時間内にかける
(夕方〜夜や土日祝などはNG、平日のオープン間際などが望ましい)
・相手が切ってから電話を切る

 

メールやサイトから予約する場合

求人サイトやホームページの問い合わせフォーム、SNSのDMなどでサロン見学を募っているサロンもあります。
オンラインでサロン見学を申し込む際も、伝える内容は電話申し込みと同じです。
応募フォームが用意されている場合は、設問のとおりに漏れなく記載しましょう。

<オンラインで申し込む際の記載事項の例>
・氏名
・学校名
・サロン見学希望の旨
・志望動機

<オンラインで申し込む際の例文>
件名:サロン見学のご相談
本文:
株式会社◯◯(会社名もしくはサロン名)
採用ご担当者様(担当者名がわかっている場合は「◯◯様」)

はじめまして。
◯◯(学校名)◯年の◯◯(氏名)と申します。
この度◯◯(求人サイトや説明会など)を拝見し、ご迷惑でなければ一度サロン見学に伺いたくご連絡いたしました。
◯◯を活かせるサロンへの就職を希望しているため、貴社の◯◯に魅力を感じております。

サロン見学が可能な場合は、訪問してもお邪魔にならない日時を2〜3候補いただけますと幸いです。
営業の妨げにならないように見学させていただきますので、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
名前:◯◯◯◯
メールアドレス:◯◯◯◯◯◯@◯◯◯◯
電話番号:000-0000-0000
住所:◯◯県◯◯市◯◯◯◯
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

サロン見学当日のマナーまとめ

サロン見学は面接の本番ではないものの、採否に影響する可能性は多いにあります。
美容師の仕事は接客業であるため、印象や所作などが重要だからです。

サロンのスタッフにマイナスの印象を抱かれてしまわないように、マナーを守った丁寧な対応を心がけてください。

 

サロンへの到着時間

サロン見学の当日は、事前に決めていた時間の5〜10分前に到着するようにしましょう。
早すぎる到着は迷惑になってしまいますが、それ以上に遅刻は厳禁です。

当日になって道に迷ったり慌てたりしないように、前日までに道順や乗り換え方法などを確認しておく必要があります。
電車やバスなどの公共交通機関は遅延する可能性もあるため、時間に余裕を持って家を出ることをおすすめします。

万が一遅れる場合は、約束の時間になる前に速やかにサロンに連絡を入れ、到着予定時刻の目安を電話で伝えてください。

 

服装や身だしなみ

サロン見学の際は一般企業と違いスーツで訪問する必要はありませんが、カジュアルすぎない清潔感のある服装が望ましいです。
派手なアクセサリーやメイク、デニムやサンダルなどは避けましょう。

・ベーシックな色味やシンプルなデザインの服や靴
・シワや汚れのない服や靴
・顔がよく見えるスッキリとしたヘアスタイル

サロンのホームページやスタッフのSNSなどをチェックして、サロンの雰囲気やテイストに合わせたコーディネートで行くのも◎
悪目立ちせず、その企業のことをしっかりと調べているアピールにもなります。

 

挨拶・言葉遣いや表情・振る舞い

サロンに到着したら、受付のスタッフまたは出てきてくれたスタッフに笑顔で元気よく挨拶します。
「こんにちは!◯◯(学校名)の◯◯(氏名)と申します。本日◯時のサロン見学のお約束で参りました。担当の◯◯様はいらっしゃいますでしょうか。」

担当者が出てきたら再度自己紹介をし、「本日はよろしくお願いします!」とあらためて伝えます。
見学中は担当者だけでなく周りのスタッフにも挨拶や会釈を忘れず、丁寧な言葉遣いで話しましょう。
立っているときや椅子に座って待機する際も気を抜かず、正しい姿勢や明るい表情を意識します。

サロン見学が終了したら、最後にしっかりとお礼を伝えて長居せずに退店してください。

 

持ち物

サロン見学の申し込みの際に担当者から伝えられた持ち物がある場合は、忘れずに持っていきましょう。
荷物が多いと邪魔になるので最低限の持ち物で来店するのがポイントです。

メモ帳と筆記用具はマスト。
説明を受けている間はただ聞いているだけでなく、メモを取って意欲を見せると◎
サロン見学後の振り返りにも役立ちます。

また、携帯電話を持っていく場合は必ず電源をオフにしてバッグの中にしまっておきましょう。

 

サロン見学で確認すべきポイント

サロン見学ではサロンやスタッフの雰囲気を肌で感じることができます。
求人サイトやホームページなどの情報だけでは掴みきれなかった部分を把握する貴重な機会です。
自分が実際に働いている様子をイメージしながら、じっくりと観察してみましょう。

・サロンのテイスト
・スタッフの服装や髪型
・スタッフとお客様の会話や表情
・客層(お客様の年齢、性別、雰囲気など)
・スタッフの動き
・スタッフ同士のやり取り
・スタイリストとアシスタントの関係性
・提供している施術の様子
・セット面やシャンプーブースなどの設備

もしも採用されたら毎日働くようになります。
ネットの情報と一致しているか?自分の理想や第一印象と違う部分はどこか?不安に感じるところはないか?など、営業中のリアルな光景を見ながら感じ取ってみてください。

 

サロン見学で聞くべき質問例

サロン見学では、サロン側から「なにか質問はありますか?」と尋ねられることがあります。
いざ聞かれたときに質問が思い浮かばず「特にありません」と答えてしまうと、意欲がないのでは?と思われる可能性も。
サロン見学の前に気になっていることをあらかじめ書き出しておくと安心です。

そのサロンを志望する理由や就職活動の目的を考え直してみると聞きたいことが出てくるはずです。
質問内容が思い浮かばないときは、サロンの企業理念やコンセプト、制度などをリサーチして疑問点を書き出してみてください。

インターネットで調べればわかることを質問するのは「リサーチ不足」と捉えられるためNG。
下調べした内容に沿った具体的な質問や、サロン見学中に疑問に思ったことを中心に尋ねるようにしましょう。

また、サロン側から志望理由やサロンを知ったきっかけ、美容師を目指す理由やキャリアビジョンを聞かれることもあるため、答えを準備しておくと安心です。

 

サロンの方針や取り組み

美容師として働くうえで、サロンの方針・目指す方向性やそのための取り組みを理解しておく必要があります。
自分が希望する美容師像とずれていた場合、入社後のミスマッチや離職にもつながるからです。

<質問例>
・サロンのコンセプトは?
・そのコンセプトに合う美容師像とは?
・サロンの名前の由来は?
・サロンに来店されるお客様の属性や雰囲気は?
・スタッフみんなが心がけていることは?
・サロンとして今力を入れていることは?
・◯◯(取り組み)をしている理由は?
・今後どのようなサロンにしていきたいのか?

 

1日の仕事の流れや業務内容

サロン見学では採用担当者だけでなく、実際に働いている先輩スタッフと話せる機会をもらえるケースも。
失礼のない範囲で、美容師としての生活リズムや仕事内容を細かく聞いておきましょう。
実際に働くイメージをより具体的に思い描ければ、入社後のミスマッチを未然に防げます。

<質問例>
・サロンワークの流れ、1日の過ごし方は?
・開店前や閉店後の業務は?
・業務時間外に取り組んでいる勉強やスキルアップ方法は?
・起床時間や睡眠時間、食事の時間は?
・お客様と接するうえで気をつけていることは?
・配属先や住んでいるエリアは?

 

サロンの教育・サポート制度

美容師として成長していくビジョンやキャリアプランを立てるうえで、サロンの教育カリキュラムや支援制度に関する確認は欠かせません。
入社後の働き方やスタイリストデビューまでの道のりをイメージできる状態にしましょう。

<質問例>
・社内の研修や店内講習の内容は?
・アシスタントの方のレッスン時間や内容は?
・スタイリストデビューまでの平均年数は?
・用意されているポジションやランクアップの条件は?
・評価制度は?
・これからどのように働いていきたいか?(先輩スタッフのキャリアプラン)
・外部のセミナーや勉強会に参加している?
・新しい挑戦を後押しする体制や環境は?
・練習や勉強にかかる費用の補助や交通費補助などの制度は?

 

サロン見学終了後にやること

サロン見学は来店して終わり……ではありません。
サロン見学で学んだことや気づきを振り返り、時間を割いてくれた担当者やスタッフにお礼を伝える必要があります。

 

サロンにお礼状を送る

サロン見学が終わったあとは、サロンにハガキやメールでお礼状を出すと好印象です。
感謝の気持ちや自分の意思をまとめ、当日中〜遅くても翌日までに送りましょう。

<サロン見学のお礼状の例文>
件名:見学訪問のお礼
本文:
株式会社◯◯(会社名もしくはサロン名)
◯◯(サロン名)の皆様

拝啓
時下ますますご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。
本日はお忙しいなか、貴重なお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

サロン見学では、先輩方の実際のお客様に対する丁寧な対応を実際に拝見することができ感銘を受けました。
また、私からの質問に対しても丁寧にご回答いただき、大変感謝しております。
サロン見学を通じて、美容師を志す想いがより一層強くなりました。
ぜひ貴社で一緒に働かせていただければ幸いです。

まずは御礼を申し上げたく、ご連絡した次第です。
あらためまして、本日はお世話になりました。ありがとうございました。

敬具

令和◯年◯月◯日
◯◯(学校名)◯年
◯◯◯◯(氏名)

 

サロン見学の内容を振り返る

サロン見学が終わったら、見学中にメモしたことや質問した内容、感じたことや気づいたことを自分の言葉でノートにまとめることをおすすめします。
その際、サロン名と見学日時、担当者名もメモしておくと◎

ノートに書き出すことでサロン見学で学んだことを整理でき、就職活動・転職活動に役立ちます。
また、自分に合っている職場なのかを判断する材料にもなります。

いろんなサロンに見学に行くと、どのサロンにどのような印象を抱いたのか忘れてしまいがち。
その日のうちに良い感想も悪い感想もすべて記しておきましょう。

 

まとめ

サロン見学は、他の職種ではめずらしい美容業界ならではの行事です。
美容師側とサロン側の価値観や方針を確認しあうことで、働きたいと思えるサロンを見極められるでしょう。
ミスマッチを防げる、実際に働いたときに早く馴染むことができるなどのメリットもあります。

サロン見学ではこちらがサロンを見ているだけでなく、サロン側からも見られていることを意識して気持ちよく振る舞えると有意義な時間になるでしょう。
緊張する方もいるかもしれませんが、得られるものは大きいです。
マナーに気をつけつつ、積極的に参加してみてくださいね。

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