美容師向け履歴書の書き方ガイド|書く内容やマナー、提出方法などを一挙解説!

美容師の就職活動において、最初の一歩となるのが履歴書の作成です。
履歴書は採用担当者に「この人に会ってみたい」と思ってもらうための重要な書類のひとつ。
人気のサロンだと、履歴書だけで書類選考を行う場合も。
美容師としてどれだけスキルがあったとしても、履歴書でアピールできなければ面接に進めない可能性があります。

しかし、履歴書には守るべきルールやマナーも存在するため、「どう書けばいいかわからない」と苦手意識を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、履歴書の書き方や知っておくべきマナーなどをまとめて解説します。
美容師を目指している方や、別のサロンへの転職を考えている方はぜひ最後までご覧ください。

 

美容師が履歴書に書くべき項目一覧

引用元:厚生労働省

履歴書に記載する主な項目は次のとおりです。

  • 日付
  • 写真
  • 氏名
  • 生年月日・年齢
  • 現住所
  • 連絡先
  • 学歴
  • 職歴
  • 免許・資格
  • 志望動機
  • 本人希望記入欄

美容師だけでなく、どんな職種・業界であっても空欄はNG※。
記入漏れだと思われてしまう可能性があるため、特に書くことがない項目には「特になし」と記入するなど、空欄なく作成して誠意や意気込みを伝えましょう。
※性別欄の記入は任意です。

まずは、各項目の書き方とそれぞれのポイントを解説します。

 

日付

履歴書の上部(枠外)にある日付欄には「履歴書を提出する日付」を記入します。
「履歴書を書いた日付」を書かないように気をつけてください。

  • 郵送する場合:ポストに投函する日付
  • 持参する場合:手渡しで持ち込む(面接)当日の日付
  • メールで提出する場合:メールを送信する日付

数字は漢数字(一、二、三…)ではなく、算用数字(1、2、3…)を用います。

「◯年」の部分は西暦(例 2024年)と和暦(例 令和6年)のどちらでも問題ありません。
ただし、1枚の履歴書全体をいずれかで統一しましょう。
また、和暦を用いる場合は「R6年」のような省略表記ではなく、「令和6年」と正しく書きましょう。

 

写真

写真の欄には、3ヶ月以内に撮影した証明写真を中央に貼りつけます。
頭の上〜胸までが写ったカラー写真が望ましく、スナップ写真やプリクラの使用はNG。
サイズは縦40mm×横30mmが一般的です。

また、万が一剥がれてしまったときに誰の写真かわかるように、写真の裏面には「氏名」と「日付(写真の撮影日)」を記入しておきます。

<写真撮影のポイント>

  • 清潔感のある髪型、服装、メイクを心がける
  • 髪で顔や目が隠れないように気をつける
  • 明るい印象を与えるにこやかな表情で撮る(微笑む程度)
  • サロンの雰囲気に合わせた服装を選ぶ(一般的な企業ではスーツ)
  • 派手なアクセサリーや濃いメイクは避ける

 

生年月日・年齢

生年月日も西暦と和暦のどちらを使用してもOKですが、先述の「日付」と統一してください。
「満◯歳」の部分には、提出日時点での年齢を記入します。

 

現住所

現住所の欄には、提出日時点で住んでいる住所を都道府県から番地やマンション・アパートの部屋番号まで省略せずに記入します。

上部のふりがな欄は番地の前までで、漢字のところのみ記入すればOK。
ただし、マンション・アパート名が難しい漢字や外国語表記で読みにくい場合はふりがなを記入するとよいでしょう。

現住所と連絡先が異なる場合は、「現住所」欄の下にある「連絡先」に記入します。
同じ場合は「同上」と記入してください。

 

電話(連絡先)

確実につながる電話番号を記入します。
サロンからの連絡がつきやすい番号であれば、携帯電話の番号でも構いません。

メールアドレス欄がない履歴書の場合は、現住所の下にある連絡先の欄に自分で「メールアドレス:」や「Email:」と書き加え、普段使用しているメールアドレスを記入しましょう。

このとき、現在働いているサロンで使っている社用の電話番号やメールアドレスを書かないように気をつけてください。

 

学歴

一般的な履歴書では「学歴」と「職歴」が1つの欄にまとめられていますが、書く際は学歴→職歴の順番で分けて記入してください。

1行目の中央に「学歴」と書き、2行目からは左揃えで自身の学歴を記入します。
記入する内容は入学/卒業した「年」「月」、「学校名+学部+学科名」、その後ろにスペースを開けて「入学」または「卒業」です。
小学校や中学校は卒業のみ記入、高校からは入学と卒業の両方を記載しましょう。
在籍中であれば「卒業見込み」と記載します。

どの時点の学歴から書くかは明確に定められていないものの、一般的には中学校卒業以降を時系列順に記入します。
新卒ではなく転職の場合や職歴の行が多い場合は、高校卒業から記入してOKです。

<学歴の記入におけるポイント>

  • 略称は使用せず正式名称で記載する(例えば「高校」は省略せずに「高等学校」と書く)
  • 年・月の欄には数字のみ記載する(「年」「月」と後ろにつける必要なし)
  • 「年」は西暦or和暦を履歴書内で統一する(職歴も同様)

 

職歴

学歴を全て記入したら、1行開けて中央に「職歴」と書き、その下の行からは自身の職歴を左揃えで記入します。
記入する内容は入社/退社した「年」「月」、「企業名」、その後ろにスペースを開けて「入社」または「退社」です。
学歴と同じく時系列順で、省略せず正式名称を書いてください。

美容師以外の職歴や1年未満の短い職歴、フリーランスの期間など、どの範囲まで職歴を書くべきか厳密な決まりはありません。
しかし、入社後に履歴書の内容と実際の職歴が違うことが判明した場合は不信感を与える恐れがあります。
できるだけすべての職歴を記載し、面接でその理由や前向きな姿勢を伝えるようにしましょう。
学生時代のアルバイト経験は書かなくてもOKですが、美容関係などアピールできる勤務先があれば記入します。

また、職歴欄には企業名(サロン名)だけでなく、勤務していたサロンの規模・店舗名・役職なども記載するとより丁寧です(「従業員◯名の原宿店にてスタイリストとして勤務」など)。
応募先のサロンで活かせそうな職歴を特に強調するとよいでしょう。

学歴と職歴をすべて書き終えたら「現在に至る」と書き、その一段下に右揃えで「以上」と書いて締めくくります。

 

免許・資格

「美容師免許」に加え、ほかに所持している免許や資格をすべて記入します。
正式名称を使用し、学歴・職歴と同じく取得した時系列順の記載が一般的です。

 

志望動機

志望動機は入社への意欲や情熱を伝えるための、履歴書のなかでも特に重要な項目です。

  • なぜそのサロンで働きたいのか
  • 入社後は自分のスキルをどのように発揮できるか
  • 入社後に実現したい目標

など、自身の経歴やサロンの特徴と結びつけ、応募した理由を自分の言葉で書きましょう。

関連記事:【例文あり】美容師の志望動機に書く内容は?考え方のポイント、NG例も解説

 

本人希望記入欄

本人希望欄には一般的に「貴社の規定に従います」と記入します。
どうしても譲れない条件(職種、勤務時間、勤務地、待遇など)がある場合は記入しても構いませんが、履歴書には記載せず、選考が進んでから直接交渉することをおすすめします。

また、在職中で電話の対応時間が限られる場合は、連絡可能な時間帯をここに書くようにしましょう。

 

美容師が知っておくべき履歴書の種類

履歴書はコンビニや文房具店などで購入できます。
あるいは、インターネット上で配布されている履歴書のテンプレートを利用(印刷orデータ作成)する方法もあります。

履歴書にはさまざまな種類があり、記入する項目やスペースの大きさが異なります。
応募先や学校からの指定がない場合は、どれを使っても問題ありません。
例えば新卒者と中途採用者では職歴の量やアピールする内容が異なりますので、自分に合う種類を選びましょう。

 

フォーマットの違い

履歴書のフォーマットは大きく分けて4種類あります。

フォーマット 特徴(例)
ベーシック 厚生労働省が作成/「学歴・職歴」欄が広い/「性別」の記入が任意/「通勤時間」「扶養家族・配偶者」などの欄がない
新卒者向け 「学歴・職歴」欄が狭い/「趣味・特技」「スポーツ・クラブ活動・文化活動」「自己PR」などの欄がある
中途採用者向け 「学歴・職歴」欄が広い/「退職理由」の欄があるタイプもある
パート・アルバイト向け 「希望勤務日・時間帯」の欄がある/全体的に記入欄が狭い(書く量が少ない)

特に指定がなければ、記載したい内容や職歴に合わせて適切なフォーマットを選びましょう。

 

サイズの違い

履歴書のサイズは2種類あります。

  • A4サイズ(A3二つ折り)
  • B5サイズ(B4二つ折り)

A4サイズはB5サイズに比べて大きく、記入スペースが広いです。
特に指定がない場合はどちらを選んでもOKですが、たくさん書きたい方には大きめのA4サイズをおすすめします。

 

作成方法の違い

履歴書の作成方法は2パターンあります。

  • 紙の履歴書に手書きで書く
  • パソコンやスマホで作成する

指定がない場合はどちらでもOKですが、美容業界では手書きが主流です。
字を書くのが苦手な方や時間を短縮したい方は、手軽に編集できて書き直す手間がかからないパソコン・スマホでの作成でも問題ありません。

 

美容師が履歴書を書くときのマナー

いくら経歴がすばらしくてもマナーが守られていない履歴書は、良い印象を持たれません。
履歴書を作成する前に、美容師に限らずどの職種にも共通している「履歴書の書き方のマナー・ルール」を知っておきましょう。

履歴書を書いたことがある方も、抜けている部分や勘違いしている内容がないか、今一度チェックしてみてください。

 

消せる筆記用具は使わない

履歴書を書く際は鉛筆・シャープペンシル・フリクションペンなどを使わず、後から消せないボールペンや黒色のペンを使用します。
書き間違えた場合、修正液や修正テープの使用、二重線での訂正はNG。
面倒ですが、最初から新たに書き直す必要があります。

誤字・脱字やインクのかすれ・にじみに気をつけて、間違えないように書きましょう。

  • 鉛筆で下書きをしてからボールペンで清書する
  • 事前に書く内容をノートやメモ帳にまとめる
  • コピーした履歴書で練習する

などの方法で書き間違いを減らすことができます。

 

丁寧に書く

履歴書を「人生を左右する大切な書類」と考えて、読みやすい大きな字で丁寧に書きましょう。
必ずしも美しい字である必要はなく、字が上手/下手にかかわらず「想いを込めて書かれたかどうか」は相手に伝わるものです。
履歴書全体で文字を書き始める位置や余白を揃えると、より丁寧な印象を与えられます。

急いで適当に書いた履歴書は記入ミスが増えやすく、「仕事でもミスが多いのでは?」「大雑把な性格なのかな?」と印象も悪くなりがち。
提出前ギリギリに書くのではなく、時間に余裕を持って作成しましょう。

また、誤字・脱字はたった一文字でもNG!
書き終えたあとは書き間違いがないか声に出して確認できると安心です。
家族・学校の先生・友達など第三者にも読んでもらって、気になる点を指摘してもらう方法も◎

 

正式名称や正しい敬称を使う

履歴書では、日頃のクセで略字・略語を使わないように注意しましょう。

<略字・略語の例>

  • (株)           →株式会社
  • 才            →歳
  • S、H、R         →昭和、平成、令和
  • 斉藤、浜田(省略した漢字)→齋藤、濱田(正しい漢字)

また、企業への敬称は書面に適した「貴社」を使用します。
「御社」でも間違いではありませんが、話し言葉とされているため、面接など口頭の場合に使用しましょう。

 

一度利用した履歴書は使いまわさない

別の企業に一度提出した履歴書は、返却されたとしてもほかの企業に使い回してはいけません。
一度の応募につき一枚の履歴書を、応募先に適した内容で新しく作成しましょう。

 

美容師が履歴書を提出するときのポイント

履歴書は書くときだけでなく、提出するときにもルールや気をつける点がいくつかあります。
提出する方法は次の3パターン。

  • 郵送する
  • 持参する(直接手渡す)
  • メールで送る

最後に、それぞれのパターンにおけるポイントを詳しく解説します。

 

郵送する場合

履歴書を郵送する場合は「送付状(添え状)」を同封するのがマナーです。
送付状は郵便物の内容を分かりやすくするためのもので、次の内容を記載します。

  • 日付:西暦or和暦を履歴書と統一する
  • 宛名:企業名と、分かる場合は部署名や担当者名も記載する
  • 署名:自分の氏名、住所、連絡先
  • 件名:例「応募書類の送付につきまして」
  • 前文:「拝啓」+時候の挨拶(例「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」)
  • 本文:郵送物の内容、応募の経緯、面接の申し込みなどを記載する
  • 結語:「敬具」など
  • 同封書類の一覧:書類の内容と部数を箇条書きで記入する

上記を書き終えたら、最後に「以上」と記入します。

面接前に見返せるように履歴書のコピーを取ったら、履歴書と送付状をクリアファイルに挟み、封筒に入れて送ります。
封筒は白色のもので、履歴書を折らずに封入できるサイズ(角形A4号or角形A2号)を選びましょう。

封筒の表面には送り先の郵便番号、住所、宛名、左下に「履歴書在中」と記載します。
裏面には自分の住所と氏名を左下に記載し、中身を入れてのり付けしてからフタをした部分の中央に黒いペンで「〆」と書いてください。

 

持参する場合

応募先のサロンまで直接持参する場合も、郵送する場合と同じく履歴書をクリアファイル+封筒に入れます。
持っていく途中でシワになったり、汚れたり、端が折れたりするのを防ぐためです。

封筒には表面の宛名を書く必要はなく、裏面に自分の住所と氏名を記入するだけでOK。
手渡すタイミングで封筒から履歴書を出し、クリアファイルに入れたまま封筒と合わせて提出しましょう。

 

メールで送る場合

メールで提出するときは、WordやExcelなどで作成した場合でもPDF形式に変換して送ります。
第三者による上書きを防止し、かつレイアウトを保ったまま印刷できるようにするためです。
履歴書には個人情報が書かれているのでPDFにパスワードを設定し、「20230201_履歴書_山田花子.pdf」のように送付日と名前がわかるファイル名で保存しましょう。

履歴書のデータを添付するメールは、「履歴書ご送付の件/山田花子」のような内容が一目でわかる簡潔な件名をつけます。
本文は下記の内容を適宜改行するなどして読みやすく記入します。

  • 宛名:企業名と、分かる場合は部署名や担当者名も記載する
  • 挨拶:「お世話になっております。◯◯専門学校の◯◯と申します。」
  • 本題:「添付ファイルにて履歴書をお送りします。パスワードは別途メールにてお送りいたします。」
  • 締め:「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。」
  • 署名:自分の氏名、住所、連絡先

履歴書をメールで提出する場合でも、面接当日は念のために印刷した履歴書をクリアファイル+封筒に入れて持参すると安心です。

 

まとめ

基本的なポイントやマナーさえ覚えれば、履歴書を書くことは難しくありません。
実績や得意な施術をアピールしたり、応募への熱い想いを伝えたりと、あなたの役に立ってくれる心強い書類です。

応募先に合わせて書く内容を上手に変えて、そのサロンにふさわしい人材であることを知ってもらいましょう。
本記事を参考に、自分の魅力を最大限伝えられるような履歴書を作成してくださいね。

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